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安定ルートを踏み外した先に

中学、高校、大学と普通の、悪くはない学歴を収めてきた私にとって、履歴書を見せることは何も恥ずかしいことではなかった。

それが新卒後数ヶ月で、転職の度に問いただされるであろう、一生の履歴となってしまった。

詳細は省くが、新卒で看護師として入社した病院をしんどくなって数ヶ月で退職した。入社する前から、周りから「看護師良いね」「安定じゃん」「お金に困らないね」と言われ続けた矢先の出来事。
当時は本当に辛かった。もう、社会人としてやっていくのは不可能だと、人生終わったと心から思っていた。

数ヶ月間何もせずに過ごした後、アルバイトをしながらさらに半年以上を過ごし、その後職業訓練で医療事務の資格を取り、医療事務としてクリニックに就職した。

周りの友人が看護師として頑張っている中、自分は何をしているんだろう。と引け目を感じることも多々あった。

ただそうして過ごしているうちに、看護師時代とは違い楽しんでいる自分がいることに気づいた。あの頃のように、夜に眠れないとか、朝になると辛くて不安になるとか、会社に行きたくないという感情が湧いていないことにも。

「私、この仕事の方が楽しい」といつの間にか、はっきり言えるようになっていた。

そして、よく聞かれる「もう看護師しないの?」「もったいない」という言葉に、「またやりたくなったらやろうと思ってる」「嫌なことに時間使う方が人生もったいないよ」と言えるまでに回復していた。

そしてそのころになると、看護師を続けている友人から「辞めたいけど、辞めさせてくれない」「違う仕事をしたいけど、せっかく資格とったし、、、」という話をよく聞く様になった。

そのときに、私は追いやられて辞めたけれど、結果的に呪縛から自分を解放できたのかもしれない。と思った。

今の自分の仕事選びの基準は「楽しいかどうか」。もちろん楽しいことばかりではないけれど、なんだかんだ楽しい、面白いと思えるかどうか。その方が向上心を持って、会社がより良くなるように働くことができる。そして、そう思い行動するようになるとお金も後からついてきた。

そして、また新しい「やりたいこと」を見つけた私は、全く違う業界、業種に転職した。履歴書ではやはり突っ込まれるが、もう恥ずかしいという気持ちはなかった。

理由を笑顔で返し、前職ではこんな実績をあげ、こんなことができると提示することができ、なんなら「私を雇ったら、こんなメリットあるよ。雇うしかないでしょ」という気持ちでいれるようになっていた。そのときに私は、過去を乗り越えて成長した自分を感じた。

今の私の人生のテーマは、自由に生きること。
常に自分が選びたい方を選べる状態にしておきたい。
そんなことを思いながら、今でも楽しく仕事している。

私にとって働くとは、自分を強く、生きやすくしてくれるものだと思う。

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