【価格別】校正・デザイン修正指示ツール 全13製品を比較
クリエイティブの制作段階では、クライアントからのフィードバックを受けたり、チーム内でコードやデザイン修正を出すことが多くあります。
そんなときに役立つレビューツールどのように選べばよいでしょうか。
ウェブ、画像、写真、動画の修正指示、校正、赤入れに便利なレビューツールを集めました。
効率がよくない、従来のレビュー方法
これまでよく使われている方法には、こんなものがあります。
・プリントアウトして、手書きで修正指示を書きこむ
・タブレットペンでコメントを追加し、共有
・Excel、Googleシートに修正項目をまとめて、対応状況を管理
・修正箇所のスクショをパワポやGoogleスライドに貼り、コメント
・Googleドキュメントで修正指示を書き、共有
使い慣れたエクセルやスプレッドシートは、一覧性やステータス管理には適していますが、実際の作業内容の共有には向きません。
一方、Googleスライドなどのプレゼンテーションツールでは、画像やテキストでの修正指示には向いていますが、一覧性やステータス管理が難しくなります。
そこでおススメなのが、デザイン修正指示・校正ツールです。
修正指示ツールの主な機能
多くの修正指示ツール、校正ツールでは次のような機能があります。
・ウェブページ、画像、動画、PDFデータの読み込み
・取り込みデータへのコメント付与(自動で採番、記録)
・エリア選択、ペン描画、テキスト追加などのコメント編集ツール
・コメントのステータス管理(確認中、完了など)
・案件ごとにページや素材がまとめられる、プロジェクト管理
・プロジェクトに参加するユーザー管理、権限設定(閲覧、編集など)
・Chatwork, Slackなどチャットツールへのイベント自動通知
・Trelloなどのプロジェクト管理ツールへのデータ連携
以上のような機能によって、複数メンバーでの情報共有、コメント編集、スムーズなレビュー管理ができます。
その他にも、ページの修正指示・対応履歴を記録できるバージョン管理、パスワード、IPアドレス制限などのセキュリティ強化など、製品によって機能が異なってきます。
それでは、早速見ていきましょう。
(1) 国産のデザイン修正指示ツール
1. AUN(あうん)
キャッチコピー:登録不要の修正依頼・指示ツール
ユーザー登録:不要(無料版)、必要(プレミアム版)
初期費用:無料
月額費用:無料より、プレミアム版3,300円(税込)より
対応メディア:ウェブページ、画像、PDF
修正指示ツールとしては多くの実績があり、有名なツールです。登録不要、無料から使えるため、気軽に試してみたいという方にはおすすめです。
以下のような料金プランがあります。有料版では、データを作成可能なユーザー数、データの保存期間、読み込み支援機能やセキュリティ機能が追加になります。
無料版
AUN作成者:1人
AUN閲覧者:無制限
データ保存:7日間
画像品質:低い(劣化大)
指示メモ:手入力
プレミアム(月額3,300円)
AUN作成者:1人
AUN閲覧者:無制限
データ保存:365日
画像品質:高い(ほぼ劣化なし)
高度なキャプチャ:CSSやJavaScriptの影響でうまく表示されない時に使用
パスワード保護:あり
指示メモ:画面から文字が取り込める
以上のプレミアム機能に加え、プレミアム11では以下の機能があります。
プレミアム11(月額33,000円)
データ保存:50年
ユーザー管理:11人分のアカウント、有効・無効の管理もワンクリック
IPアドレス制限:登録のないIPアドレスをブロック
プレミアム以上のプランでは、高度なキャプチャに対応しています。通常のキャプチャでCSSやJavaScriptの影響により、うまくデータが取り込めない問題に対処することができる機能です。
例えば、スクロールに合わせて画像や文字が動くページ 、ブラウザの幅に合わせてメイン画像がリサイズされるページ、画像を一度に読み込まず、スクロールするごとに必要な分だけ読み込むページに対応しています。
2. アカポン
キャッチコピー:動画・サイトの指示ツールなら「アカポン」
ユーザー登録:必要
初期費用:無料
月額費用:無料より、Standard18,000円、Pro29,800円
対応メディア:ウェブページ、画像、動画、PDF
AUNと並び、修正指示ツールとしては多くの実績があり、有名なツールです。登録は必要ですが、無料から使えるため、気軽に試してみたいという方にはおすすめです。
無料版
月額料金:無料
データ容量:3GB(グループ全体)
メンバー数:無制限
プロジェクト数:無制限
データ保存:365日間
コメントCSV:コメントをCSVでダウンロード可
Standardプラン
月額料金:18,000円
データ容量:1TB(グループ全体)
連携機能:あり(Chatwork・Trelloとの連携)
共同メンバー招待:あり(共同作業中の外部会員をグループメンバー化)
コメントCSV:コメントをCSVでダウンロード可
Proプラン
月額料金:29,800円
データ容量:2TB(グループ全体)
データ保存:無制限
3. MONJI(モンジ)
キャッチコピー:Webサイト・グラフィックデザインの修正依頼を高速化
ユーザー登録:必要
初期費用:無料
月額費用:無料(広告表示)
対応メディア:ウェブページ、画像、PDF
AUN、アカポンに続いて登場した、修正指示ツールです。登録は必要ですが、広告モデルのサービスのため、料金はかかりません。完全無料で使いたいという方にはおすすめです。
校正現場で使われる校正記号「改行」「トルツメ」「句点」「読点」が使えたり、コメントへの画像アップロードができるなど、ユーザー視点に立った使いやすいツールです。
無料版(広告表示)
月額料金:無料
メンバー数:無制限
プロジェクト数:無制限
データ保存:無制限
編集ツール:校正記号
優先順位設定:S、A、B、C、Dの5段階で選択可
対応期限設定:日付で設定可
コメントへの画像アップロード:可
修正履歴:時系列で確認可
4. Revool(レブール)
キャッチコピー:エクセル・パワポのデザイン修正指示から卒業しよう
ユーザー登録:必要
初期費用:なし
月額費用:無料より
対応メディア:ウェブページ、画像、イラスト、動画、PDF
Revoolは、ウェブ、写真、イラスト、ゲーム、アプリ、動画など、ウェブブラウザで読み込める、あらゆる素材の制作管理、デザイン修正指示を支援するレビューツールです。
ウェブページなど、ブラウザで表示されるコンテンツをそのまま読み込むLIVEレビューモードがあるため、ウェブページを画像で保存するサービスよりも、動的なコンテンツをレビューしやすそうです。
その他、スクリーンショットを自動で読み込めるレビューキャンバス機能、コメント別タスク管理機能などがあります。
プラン別の主な機能は以下の通りです。
Freeプラン
月額料金:無料
プロジェクトへの参加
レビューページの追加
コメントの新規投稿・共有
コメントの編集・ステータス更新
コメントの削除
他
Proプラン
月額料金:980円(期間限定オファー)
プロジェクトの新規作成、メンバー招待
プロジェクトの削除
1プロジェクトの無料ユーザー招待 (4人まで)
プロジェクトの画像保存 (高画質)
プロジェクトの画像保存期間 (1年)
他
Premiumプラン
月額料金:4,980円
プロジェクトへのIPアドレス制限
プロジェクトの削除、アーカイブ・復元
1プロジェクトの無料ユーザー招待 (制限なし)
プロジェクトの画像保存 (最高画質)
プロジェクトの画像保存期間 (5年)
他
5. Brushup(ブラッシュアップ)
キャッチコピー:制作物のフィードバックに生産性を
ユーザー登録:必要
初期費用:要問い合わせ
月額費用:無料より
対応メディア:ウェブページ、画像、イラスト(2D/3D)、音声、動画、PDF
Brushupは、イラスト、キャラクター、ウェブ、CM、映像、ゲームサウンドなど、クリエイティブアイテムの制作進行を支援するプロジェクト管理ツールです。
プラン別の主な機能は以下の通りです。
ENTRYプラン
月額料金:無料
ストレージ容量:100MB
アカウント:10まで
プロジェクト:10
対応メディア:静止画、動画、ドキュメント、ウェブ、2Dアニメーション
コラボレーション機能
他
LIGHTプラン
月額料金:1,180円(税別)
ストレージ容量:10GB(1アカウント追加ごとに10GB追加)
アカウント:5より
プロジェクト:無制限
システム連携:Chatwork, Slack
他
※ 5アカウント必須のため、実質5,900円/月(税別)より
STANDARDプラン
月額料金:1,540円(税別)
ストレージ容量:20GB(1アカウント追加ごとに20GB追加)
アカウント:5より
レビュー印刷
画像比較
ガントチャート
他
※ 5アカウント必須のため、実質7,700円/月(税別)より
この他、上位版のENTERPISEプラン(要問い合わせ)があります。
制作物のレビューはもちろん、リソース管理、チャット、スケジュール管理まで多機能ツールです。コラボレーティブツールを探している方にはピッタリと言えそうです。
6. AdFlow(アドフロー)
キャッチコピー:制作部門に「働き方改革」
ユーザー登録:必要
初期費用:要問合せ
月額費用:30,000円より
対応メディア:ウェブページ、画像
AdFlowは、修正指示ツールというよりは、プロジェクト管理ツールです。ツールの機能に修正指示機能があるため、取り上げています。
AdFlowの主な機能は、次の通りです。
・承認フロー機能(承認までのプロセスを一元化)
・発注テンプレート機能(制作依頼の工数が削減)
・稿数管理(最新版がひと目で分かる)
・修正指示(複数のページ物もスムーズに校正)
・素材、制作物管理(写真素材やテキストが保存)
・プレビュー(掲載イメージをワンクリックで確認)
・チャット(プロジェクト内でのメッセージ機能)
・タスク、スケジュール(ガントチャートでのタスク進捗管理)
・外部ツール連携(Salesforce、Chatwork、Slack、Microsoft Teamsなど)
修正指示はもちろん、素材管理から承認フロー、チャット、進捗管理までできるようなプロジェクト管理ツールを探している方には、とても魅力的なツールです。
7. UI Collabo(ユーアイコラボ)
キャッチコピー:品質にこだわるデザイン校正ツール
ユーザー登録:要
初期費用:無料
月額費用:無料より
対応メディア:ウェブページ、画像、動画
UI Collaboの特長は、ウェブサイト制作会社ならではのノウハウ、ワークフローが反映された機能です。ウェブ制作のレビューツールを探している方には、おススメのツールです。
主な機能は次の通りです。
・デザインデータとの比較機能
・修正指示メッセージ機能
・ブラウザチェック機能
・プロジェクト管理機能
・バージョン管理機能
・チェックバック工程比較
・利用シーン工程比較
フリープラン
月額料金:無料
組織ユーザー:1ユーザー
一般ユーザー:無制限
ストレージ容量:300MB
プロジェクト開設数:1
ライトプラン
月額料金:980円
組織ユーザー:1ユーザー
一般ユーザー:無制限
ストレージ容量:1GB
プロジェクト開設数:3
ビジネスプラン
月額料金:1,980円
組織ユーザー:5ユーザー以上
一般ユーザー:無制限
ストレージ容量:5GB
プロジェクト開設数:無制限
IPアドレス制限:可
8. mitekaku(ミテカク)
キャッチコピー:クリエイティブワークを効率化するコミュニケーションツール
ユーザー登録:不要
初期費用:無料
月額費用:無料より
対応メディア:画像、動画
mitekakuは、実寸サイズで見られて、簡単に修正指示を書き込めるクリエイティブに特化したコミュニケーションツールです。
登録不要で簡単に利用可能ですが、登録(無料)すると、さらに便利な機能が利用できます。
フリープラン
保存期間:7日間
1回のアップロード容量:20M
動画キャプチャ数:3牧
修正指示機能
パスワード保護
ログインプラン
保存期間:10日間
1回のアップロード容量:30M
デザイン管理
デザイン履歴管理
手書き機能
未読表示機能
メッセージ既読通知機能
有料プラン
月額料金:800円(年契約)
保存期間:365日間
1回のアップロード容量:50M
動画キャプチャ数:無制限
開封確認メール機能
(2) 日本語対応はないものの、おススメの海外製ツール
9. ruttl
キャッチコピー:Best Website Feedback Tool
ユーザー登録:必要
初期費用:無料
月額費用:無料(広告表示)
対応メディア:ウェブページ、画像、PDF
ruttlは、ウェブサイトフィードバックツールです。ユーザーからフィードバックを受けるツールですが、修正指示にも使えます。
日本語対応はありませんが、英語が苦ではない場合、多機能でおススメのツールです。Freeプランでは、コメントの追加ができないため、修正指示ツールとしては、Standardプラン以上の契約が必要です。
ruttlが日本のツールと異なるところは、ウェブを読み込むしくみです。
ソースコードを読み込むため、生きたウェブページをそのままレビューできます。例えば、マウスオーバーやタップ、スクロールによるアニメーション、動きのあるデザイン、動画などもレビューができる点が特長です。
ruttlのプラン別機能は、次の通りです。
Freeプラン
月額料金:無料
プロジェクト作成:1つ
ページ追加:5ページ
コラボレーター:10名まで(プロジェクト編集できる登録メンバー)
ゲストユーザー:無制限(登録なしでページにコメントできるユーザー)
プロジェクトタイプ:ウェブサイトのみ
コメント機能:なし
サイト埋め込み:サイトにスクリプトを設置、ユーザーコメントを受付
バージョン管理:過去の修正履歴を確認できる
データ容量:5GB
システム連携:Slack, Trello, Asana, Jira
Standardプラン
月額料金:13ドル
プロジェクト作成:2つ
ページ追加:無制限
プロジェクトタイプ:ウェブサイト、ウェブアプリ(トライアル版)、PDF、画像
コメント機能:無制限
データ容量:10GB
他
Proプラン
月額料金:33ドル
プロジェクト作成:無制限
データ容量:50GB
Zapier連携:可能
他
ここに書ききれないほど多機能のツールですので、興味がある方は公式サイトで確認してみてください。
10. Userback
キャッチコピー:No.1 ユーザーフィードバックプロダクト
ユーザー登録:必要
初期費用:無料
月額費用:59ドルより
対応メディア:ウェブページ、ウェブアプリ他
Userbackは、名前の通り、ユーザーからのフィードバックを受けるためのツールです。こちらも日本語対応なしですが、豊富な機能があります。
主な利用想定ケースは、以下の通りです。
・バグのトラッキング
・ユーザーテスト
・ウェブサイトフィードバック(修正指示にも使える)
・デザインフィードバック(修正指示にも使える)
・ソフトウェア機能リクエスト
・プロダクトロードマップ作成
どちらかというと、アプリのテスト、ユーザーからのフィードバックを受けての機能開発やUX改善に使われる、IT企業のプロダクト開発者向けツールです。
ruttl同様、ウェブサイトをソースコードを読み込むため、生きたページに直感的なコメント作成が可能です。
Startupプラン
月額料金:59ドル
メンバー追加:10名(以降、4.5ドル/追加ユーザーごと)
プロジェクト作成:5つ
フィードバックポータル
ワークフローカスタマイズ
システム連携
他
Companyプラン
月額料金:119ドル
メンバー追加:15名(以降、4.5ドル/追加ユーザーごと)
プロジェクト作成:15つ
セッションリプレイ
開発者向けツール
Javascript API
他
Premiumプラン
月額料金:217ドル
ウェブフック
Powered by ロゴの削除(ブランディング)
請求書での支払い
他
料金面でもライトに使いたい方には不向きですが、開発者向けの高度な機能が多いため、アプリ開発企業ユーザーにはおススメできます。
11. Pastel
キャッチコピー:最速ビジュアルウェブフィードバックツール
ユーザー登録:必要
初期費用:無料
月額費用:59ドルより
対応メディア:ウェブページ、画像、PDF
Pastelは、マーケティング向けに注力して開発されたフィードバックツールです。ランディングページや広告、画像、バナーなど、マーケティングのクリエイティブを効率よく制作するためのツールです。
ruttl, Userback同様、ライブサイトを読み込み、コメントをつけることができます。
主な機能は、こちらです。
・ライブサイトへのコメント追加
・コメントへの添付ファイルの追加
・コメントの同時編集
・システム連携(Trello, Jira, Asanaへの自動通知)
・無制限のコメントユーザー招待
・コメント内でのメンバーへのメンション通知
・コメントへのラベル付与
Freeプラン
月額料金:無料
ユーザー数:1
フリーキャンバス数:無制限
メンバー追加:無制限
バージョン履歴数:無制限
コメント可能期間:3日間(4日目以降は、読み取り専用となる)
他
Soloプラン
月額料金:24ドル
ユーザー数:1
プレミアムキャンバス数:3
フリーキャンバス数:無制限
コメントへの添付ファイル:可
CSVエクスポート:可
他
Studioプラン
月額料金:83ドル
ユーザー数:5(17ドル/追加ユーザーごと)
プレミアムキャンバス数:無制限
ユーザーメンション機能
コメントへの添付ファイル:可
CSVエクスポート:可
システム連携:Trello, Jira, Asana, Webhook, Zapier
他
※ 上位版として、Enterpriseプラン(月額350ドル)もあります。
(3) 修正指示にも使える、デザイン系ツール
デザイン修正指示、校正レビューに使えるのは、専門ツールだけではありません。
デザインツールとして、制作会社の現場でよく使われるFigma、Adobe XDも最後に簡単に取り上げておきます。
12. Figma
キャッチコピー:コラボレーションインターフェイスデザインツール。
ユーザー登録:必要
初期費用:無料
月額費用:無料より
対応メディア:独自のデザインファイル
複数メンバーでデザイン制作を行う際に重宝されているツールです。デザインファイル内にコメントを追加でき、「完了(Resolved)」ステータスをつけることもできます。
13. Adobe XD
キャッチコピー:コラボレーションインターフェイスデザインツール。
ユーザー登録:必要
初期費用:無料
月額費用:無料より
対応メディア:独自のデザインファイル
Figma同様にファイル内にコメントをつけられます。Adobeのアカウントを持っていない外部ユーザーにも共有できるため、クライアントへの確認依頼や修正依頼の受付を行う場面でも利用できます。
ただし、かつて高い人気を誇ったAdobe XDですが、近年はSketch、その後Figmaにシェアを取られ、現在はメンテナンスモード(新規開発はされない状態)となっているとの情報もあります。
2022年にAdobe社がFigmaを買収したことから、今後はFigmaに注力していく見込みです。当面、Creative CloudではAdobe XDも使えますが、単体契約はできなくなっています。
こうした大きな業界トレンドは念頭においておくとよさそうです。
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