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外国人を接待するなら おこめ編

Vol.055

やはり日本の食の宝というか軸はお米だ。
そして来日する外国人も「日本米」をとても楽しみにしてくる。
食すれば皆たいていは、いや100%に近いほどとびきり美味しいと感動する。
ではせっかくなので、どのようにお米を楽しんでもらうかをご紹介したい。

炊き立てごはんを味わってもらう

日本はおそらく唯一といってもいいほど、新米を楽しむ文化があると思う。
とれたてのお米に価値があり、それがもちっとふっくら美味しいのは、日本人の誰しもが知っていることではなかろうか。
もちろん新米でなくても、年がら年中お米には困らない日本であるが、やはり醍醐味は新米のおいしさだ。

炊き立てご飯が提供され、よそってあげるととても感動される。
そしてさらにおいしい!

でもそこでポイントは「炊き立て」であるということ。
新米だけに限らず、お米は炊き立てがおいしい。
そして日本の外食シーンでは、オーダーしてからお米を準備するお店も増えているため、ぜひ機会があれば、炊き立てご飯を提供してくれるお店へ外国人を連れて行ってあげてほしい。

食のライブ感だけでなく、その味わいも含めて、日本の食の奥深さが外国人でもわかることだろう。

純米酒を楽しんでもらう

今は日本ワインなんかも増えていて、とても上手に作るメーカーも増えてきてはいるが、ワインの国から来た人にワインを提供するのは、私はちょっと違うかなとも思う。
もし仮に彼らが希望をすればいいが、たいていは断られると覚えておいてほしい。
特にフランス人、イタリア人、スペイン人は日本のワインの試飲を断ることすらある。仕事柄とか選択肢がない場合は仕方ないが、観光で彼らが楽しむというのは、やはりワインの国の人ゆえになかなか難しい。

日本人でもはまる純米酒の沼。

これは日本のワインに限ったことではない。
実際にもイタリアとフランスはあれだけ距離が近いのに、まったくお互いのワインを売り合うということをしない。
例えば日本では有名なフランスの新酒ボジョレーヌーボーだが、イタリアでは本当にてんで見ないくらいなのだ。
それだけワインの国の人は、他国のワインへは積極的ではない。

なので、日本ではお米のワインともいえる純米酒をぜひとも味わってほしいのだ。
日本酒にはアルコール添加されている清酒もあるが、ここはあえて「純米」を選んでほしい。
ワイン文化で育ってきている外国人の場合は、香り、味わい、食とのペアリングを勝手に楽しんでくれるので、その日本酒の幅の広さにかなり感動される。

食べても飲んでも美味しい日本のお米こそ、日本の食文化のかなめであることを知って、それぞれの国に帰国していただきたいと、私はアテンドの度に思うのであった。

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