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縁遠いものほど人生を変える、のかも

私は今までの人生で様々なことを学んできました。
生活の中で自然に得られる振り返り中心の学びだけでなく、本を読んだり、自分からセミナーやスクールに出向いて行ったりという能動的な学びもかなり広範に、ジャンルによっては掘り下げた探究もしてきました。

そういった過去の学びが歳をとった今になって統合してゆくような感覚があることに最近気づいています。
何を学んでも一度聞いたことがあるように感じてしまったり、過去の学びと繋がって行ったり…
それはそれで悪いことではないのかもしれませんが、私の中ではマンネリ感にも似たつまらない感じがあったりします。

昨年の年末に、今年2024年を自分にとって新たな可能性を「開く」年にしようと決めたこともあり、今までとは違うことをしてみようと思い立ちました。

具体的には、今まで自分には全く関係なく縁がないものだと思っていたものに敢えて手を出してみようと、二つのオンライン講座に申し込みをしたのでした。
一つは、音声配信実践講座、もうひとつはセルフブランディング講座です。

実は、これらが自分にとって思いがけない気づきをもたらしてくれました。

音声配信実践講座を受けてみて

私はflier(フライヤー)という本の要約サービスをやっている会社が運営してるオンラインのコミュニティに参加しているのですが、そこでは本の著者が講師となる4カ月のオンライン講座(ブック・キャンプ)がたまに開催されます。
そのラインアップの中にあったひとつが野村高文さんの音声配信実践講座でした。

音声配信というと、ラジオ番組やポッドキャストのことですね。
私は、新型コロナウィルスのパンデミックが起きた頃からclubhouseやvoicyをよく聴くようになりました。映像配信と違って何かをしながら聴けるのが多動症気味の私には合っていたのかもしれません。

でも、自分で自分の番組を作るとかは考えてもいませんでしたし、やりたいとも思っていませんでした
しかし、親しい友人の何人かが受講を決め、この講師から学べること自体が貴重な機会であると聞きつつ、年初に考えた「縁遠かったもの」のひとつかもと思って受講を決めたのでした。

講座の中では、番組作りの仕方を一から学び、自分の番組を設計して、実際に番組を収録します。その後、共に学ぶ仲間や講師からフィードバックをもらうという流れになっており、座学で勉強するのではない、本当に実践的なものでした。

私も自分の番組を設計し、一人でマイクに向かって収録したり、自分主催の対談番組の収録と友人主催の対談番組へのゲスト参加もしました。
縁がないと思ってましたけれど、新しいことに取り組むのは楽しいものです。どうしても身につけなくちゃと肩に力が入ってなかったこともあり、スーッと自分の中に学びが入ってくる感覚もありました。

既に自分の番組を持っている有名なポッドキャスト・パーソナリティも参加していたので、自分みたいな半端な気持ちの者が参加してて良いのだろうかとも思いましたが、講座の中で音声配信の様々なハウツーを教えてもらう中で、実はそれは音声配信をしなくても日常生活のコミュニケーションやビジネスのシーンでも役立つものでした。
特に常に聴き手を意識することの意味と大切さが音声配信においてはクリティカルであることは心に刻まれました。

でも、何よりも私への影響として大きかったのは、これを機会に「自分は何を表現したいのか?」という問いと向き合い始めたことでした。
普段あまり考えていなかったことだったのです。

これは頭の中で考えているだけではダメで、一度自分でやってみてそれに対して周りから色々なフィードバックを得ることが必須になります。
自分の中での手応えと相手の受け取り方がこちらの期待通りであるのかのカリブレーション(調整)を何度も何度もやってゆく感じです。
その必要性を知れただけでも、素晴らしい学びだったと思います。

セルフブランディング講座を受けてみて

年末年始の思索の中で、「縁のないと思っていたものに手を出す」以外にもう一つ決めていたことがあります。
それは、屋号を作ること。
人生100年時代の今、死ぬまで自分が何かをアウトプットしてゆく上で、もはや会社という容れ物に頼らずに自立する必要があるし、準備の上でも自分の気持ちが動く屋号を決め、独立への一歩を踏み出してゆこう…と。

そのタイミングで目についたのが、flier主催で白木夏子さんが講師を務める「セルフブランドブック講座」でした。

ジュエリーブランドを立ち上げていてVoicyの発信でもファンの多い白木さんの講座はさぞかし女性ばかりで男性の私が入ってゆくと浮くだろうなぁと思って参加したら、案の定、参加者の9割は女性でした。
が、私の他にも男性は複数いましたし、特にビジネスをしていなくても個人のSNSなどの発信ブランドを作ろうということで参加している方が大半だったようでした。

講座の中では、まず事前課題でこれまでの自分を振り返り今後の自分を展望するセルフコーチングの課題に取り組みます。頭の中で考えて、自分の目指すところや在りたい姿を設定してみる感じです。テンプレートがよくできていて、繰り返し振り返りながらブラッシュアップしてゆくことになりそうです。

次に今度は自分の感性を全開させる「ビジョン・マップ」の作成を行います。
具体的には自分の感性がヒットする写真や言葉を雑誌から抽出してコラージュを作成することになるのですが、そもそも私は普段雑誌を読まなくなってるので、本屋に行って何の雑誌を手に取るかから悩んでしまったりもしました。

しかし、敢えて考えずに「素敵だな」「好きだな」と思えるものを手に取って、その雑誌の中で気持ちが上がるものを切り出してコラージュしてゆくと…
あぁ、自分はこういうのが好きなんだなぁ、というのが浮かび上がってきます。勉強会を頻繁にしていたので、共に学ぶ仲間からフィードバックをもらうと自分の感性のベクトルがどこに向いていて、他の人と比べてどこがユニークなのかが分かってきました。

講座ではさらに、マーケティングとブランディングの座学での勉強も少し行い、その上で自分の好きなブランドを一つ挙げて、そのブランドのどこが好きなのかをまとめる宿題が出ました。

愛着を感じるブランドのどこが気に入っているのか、何に憧れているのかを改めて書き出してみると、意外にもそれはビジョンマップで表現した自分の好きなものと重なってくることに驚かされます。
そう、イメージだけであったものに言葉が足されるような、地に足がついてしっかりしたものに固められてゆくような…感覚です。

そして演習の総仕上げとして、セルフブランドブックを作成します。
講座の中で最も重たい宿題ですし、短期間で作り挙げられるものではないので、作れてもversion 1.0ぐらいになってしまうのですが、作ってみることで「表現したい自分」がより明確になってゆくのが感じられました。

デザイン的に美しいものを見るのは好きですけれど、自分自身でデザインを考えるなどどうしたら良いのかと途方に暮れていた中で、使ったことがなかったCanvaを使ってビジネスのプレゼンテーションとは全く異なるセルフブランドのプレゼンテーションを作り上げてゆきます。

やったことがないことで難しく辛く感じたかというと全然そんなことはなく、むしろ時間が経つのも忘れて没頭して作り込みをしていました。
これは実際に作ってみるとわかるのですが、セルフブランドブック作成というのは感性と思考の間を何度も行ったり来たりすることになるので、必然的に脳の全部を活用しますし、そうなると自然に集中が起こります。

何かのイメージが浮かんだとして、それを言葉で表現するとどうなるか?
その言葉で何かを表現するとしたら、別のイメージには何があり得るか?
色では?画像では?書体では?
メッセージとして何を訴えたいのか?どのように感じてもらいたいのか…?

右脳と左脳をフル回転させ、感性と思考の間を何度も行き来をし、クラスや勉強会のない日も常に「自分は何を表現したいのか」を考えることになりました…
何を見てもブランドブックに繋げて考えていたように思います。

そして自分でも納得のいく、でもまだ発達と成長の可能性に溢れたブランドブックが出来上がりました。
もちろん、屋号もきちんと決めることができました。
大収穫でした。

意識の変化を起こすもの

2020年の2月だったと思います。
まだコロナによるパンデミックが始まる前、私は恩師から一言、次のようなコメントをもらっていました。
「いたるさんは学んでインプットするのばかりの人だと思っていたけれど、そろそろ発信してゆく気になったのかな?」

パンデミックで自宅から動けなくなった私の中で、その声はだんだんと大きくなって行くと同時に、自分の中から発信をしてゆきたい衝動が湧き上がってゆきました。
そして、noteを書き始めたのでした。それからちょうど4年が経ちました。

今回、自分とは縁遠いと思っていたことについての講座を二つ同時に受講して私の中に起きたのは、自分自身のイノベーションだったように思っています。

自分から縁遠いと思っていたからこそ、新鮮で学び得るものが大きく多かったですし、「自分をどう表現するか」という探究テーマでは、自ずと自分の持っているコンテンツや能力を引き出してゆくことと繋がり、新しく学んだものと今まで学んできたものが収斂し、融合、統合して新しいものができてゆきました。
それは、今まで自分が出したことがなかったアウトプットでした。

そう…
音声配信とセルフブランディングの掛け合わせだけでも十分ものすごいのですが、実は同時にもうひとつ「聴き方」に関する別の講座の受講が進行(こちらのことは長くなるのでまたあらためて書くことにしますが)していたこともあり、「話す、発信する」と「聴く、受け取る」の両面に4カ月近く浸り続けることになっていました。

また今回は、仕事でアウトプットするために役立つスキルとインプットをするのではなく、真の意味で「自分のために」学び、自分を表現して楽しんでいたと思います。
だから次第に肩の力も抜けてゆき、知らないことに触れているゆえに学びを阻害する自分の中の思い込みや前提が起動せず、新たな学びがスイスイと入ってきて身についてゆくのがわかりました。学びの好循環が起きていました。

何かを学ぼうとする時って、
「自分の仕事の役に立ちそうだから」
と考えていたりしますよね?
でも、そんな考えはノイズでしかないかも…なんて思います。

何かを始めるときに、目的とかを強く握りしめるとそれ以外のものが見えなくなったり、入ってこなくなったりします。
意味とか目的とかあまり考えずにまずは新しいものに飛び込んでみる…
すると力が抜けて、自分の思考の越境が可能になり、新たな自分が手に入る…

そう…縁がないと思っていたものほど、自分の人生を変えてくれるのだなぁ、という実感が今、私の中にあります。

あなたも、自分を飛び越えてみませんか?

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