いたる | 外資系人事の独り言

外資系メーカーで人事部長をしてます。人材開発・組織開発を20年以上してきた中での発見、…

いたる | 外資系人事の独り言

外資系メーカーで人事部長をしてます。人材開発・組織開発を20年以上してきた中での発見、学び、技などを共有するためにnoteを始めました。人と組織に関して想うところを週一で書いてます。 私なりのアイディアや日頃思うところは無料、ワークショップができちゃうコンテンツは有料にしてます。

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  • 本を囲んだ語り部屋

    • 68本

    Xスペース「本を囲んだ語り部屋」の音声アーカイブ、まとめ記事、その他もろもろを載せていきます!! 毎週日曜日7:30-8:30 Xスペースで本を囲んで語り合っています コミュニティページはこちら https://twitter.com/i/communities/1497733671855407108

最近の記事

コミュニティと欲求階層論

最近の私が大きな関心を持っていることの一つに「コミュニティ」があります。 オンラインで人と繋がることが人々の日常になってきた現代で、簡単に遠くの人と繋がれるがゆえに、共通の目的や趣味、嗜好のもとに人が集まってコミュニティを作り出している様子があちこちで観察できます。 この動きは、会社組織にも影響を少なからず影響を与えています。 一人一人が会社以外のコミュニティと繋がる様になってきたり、会社の中にコミュニティを置くことで社員同士の繋がりを強化しようとしていたり… そんな中で

    • 縁遠いものほど人生を変える、のかも

      私は今までの人生で様々なことを学んできました。 生活の中で自然に得られる振り返り中心の学びだけでなく、本を読んだり、自分からセミナーやスクールに出向いて行ったりという能動的な学びもかなり広範に、ジャンルによっては掘り下げた探究もしてきました。 そういった過去の学びが歳をとった今になって統合してゆくような感覚があることに最近気づいています。 何を学んでも一度聞いたことがあるように感じてしまったり、過去の学びと繋がって行ったり… それはそれで悪いことではないのかもしれませんが、

      • コミュニケーション・プロトコールとは

        会って話すしか方法がなかった原始時代から、道具や文字の発明、通信手段の発展に伴い、現代の私たちのコミュニケーションの仕方には実にたくさんの選択肢があります。 手紙、電話、eMail、チャット…などなど これを読んでいるあなたは、それらをどのように使い分けているでしょうか? 自分ではなんとなく使い分けてるつもりでも、誰かとやり取りをしてる中で、 「そんな急ぎでもないことで、わざわざ電話してこないで、メールで頂戴よ」 とか 「チャットでそう言うこと言ってこないで、メールでちゃん

        • モチベーションには三つある

          日曜朝のX(旧Twitter)スペース読書会で、以下の本を取り上げました。 上のリンクからどのような本であるのかの要約を読むことができます。 私はこの要約を読んだだけなのですが、モチベーションが上がるパターンについて沢山書かれている本のようで、自分がどんな時にモチベーションが上がるのかに気づくきっかけになるかもしれませんし、他者のモチベーションがどんな時に上がるのかを知ることもできるので、その意味で価値ある一冊ではないかなと思います。 読書会では、この本に書かれていること

        コミュニティと欲求階層論

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        記事

          ウェルビーイングの4領域と3階層

          ウェルビーイング(Well-Being)という言葉は、今やそこかしこで聞くようになってきましたね。 私も少し前に以下のnoteを書かせていただきました。 上のnoteでは働き方に焦点をあてて、仕事の詰め込み過ぎにならないように「ブレイク」「リチャージ」「セットアップ」の時間を取ることが必要なのではないかと提起しました。 しかし、それから4年ちょっとが経った今日この頃ではウェルビーイングが会社組織の中で論じられるようになり、働き方だけでなく社員のウェルビーイングをどのように

          ウェルビーイングの4領域と3階層

          インフォーマル・グループ再考

          私が人事の仕事について間もない頃、管理職研修のオブザーブなどを通じて知ったマネジメントの歴史に興味を持ち、自分でも色々と学びました。 会社組織というのものが歴史の中でどのように立ち上がり、産業革命を経て大量生産を行うようになったことでマネジメント理論として色々なものが現れ変遷してゆく様子を学ぶのは私にとってとても楽しい経験でした。 20世紀に入ってからのマネジメント理論は、フレデリック・テイラーの科学的管理法が大きく取り上げられてから人を機械のように見るようになる考え方(生

          インフォーマル・グループ再考

          「共に居る」ための問い

          「ねぇねぇ、○○のどこが好きなの?」 「その○○の何が好きなの?」 会話の中でよくある質問だと思います。それは趣味の話かもしれないし、旅行先のことかもしれないし、好きな人についての話かもしれません。 あなたは、そう聞かれてすぐに答えられるでしょうか? いやぁ、どこと言われてもなぁ… みたいに考え込んでしまうことってないでしょうか? この問い、よぉく考えると変な問いだし、場合によっては会話をミスリードしてしまいかねないなと私は思っています。 「どこ」とは何か? 「どこが

          「共に居る」ための問い

          「合理的配慮」って何だ?

          今年(2024年)の4月から改正「障害者差別解消法」が施行されるとのことなので、内容の理解のために説明会に参加してきました。 私も不勉強で知らなかったのですが、日本では障害者雇用促進法が1960年に制定されていたのに対して障害者差別解消法は2013年に公布されたとのことで、まだ10年そこそこの歴史しかありません。 しかしながら、今回の改正で大きく変わった、というか前進したと思われるのが、障がいを持っている人に対する「合理的配慮」が「努力義務」ではなく、行政機関や事業者にと

          「合理的配慮」って何だ?

          職場で「偉い」ってどう言うこと?

          少し前の話です。 clubhouseのルームで手を上げて発言の機会をもらった時に、モデレーターの人が私のプロフィール上の肩書きを指して、「偉い人ですね」とコメントしました。 私はそれに強烈な違和感、というか嫌悪感に近いものを感じました。 私の人事上の肩書きは「人事部長」ではありますが、それを指して「部長=偉い人」としたのでしょう。リスナーに対してステイタスが高い人が話そうとしているという注意喚起をするとともに、そういう人が話してるルーム(番組)なんだと価値を上げようとしてい

          職場で「偉い」ってどう言うこと?

          「食事」をファシリテートする

          親しい人やじっくり話してみたい人と一緒に食事に行くのが私は大好きです。 そういう状況になると自分から進んで店を選んで予約をしたりする傾向があるので、親しい友人の何人かは私のことを「隊長」と呼んでくれます。 食の場を探検する隊長、という意味みたいです。(笑) 私自身、美味しいものを食べに行くことは何よりの楽しみですが、それ以上に一緒に食事をとってくれる人が本当に美味しそうに食べているのをみたり、笑顔になったり、場合によっては感動したりするのをみる方が、より好きだったりします。

          「食事」をファシリテートする

          麻雀してて気づいたOJTの真髄

          学生時代にロクに勉強しないで麻雀ばっかりやってた私ですが、社会人になっては卓を囲むことはめっきり減ってしまいました。 やる人、できる人が周りにいなくなったということもあり、今では一年に一回もすることはなく、スマホのゲームなどもしなくなりました。 そんな私でしたが、先日対話について体験を通じて学びを深めるグループに参加している中で、たまたま全員麻雀のルールを知っていることが分かり、「それじゃあこのメンバーで麻雀やったらどんな感じになるのかやってみよう」ということになったのでし

          麻雀してて気づいたOJTの真髄

          頼ること、甘えること。人の手を借りること。

          「人の力を頼ることができない」「頼り方がわからない」 そんな悩みを持っている人の話をVoicyの放送で聞きました。 一瞬、結果的に頼らないで済んでいるのであれば、それがどうして悩みになるのだろうと思いました。 しかし、相談者の人はそれが相手とのフラットの関係を保てないとか、自分で自分の首を絞めているのではないか、とモヤモヤしているようでした。 これは何が起きているのだろうか? ちょっと考え始めてみたら、これって実は結構深い話なんだなと分かってきました。 自己責任と遠慮

          頼ること、甘えること。人の手を借りること。

          最近の「研究」について思うこと

          人事の仕事をしていると、人文系、社会科学系の勉強が必要になってくることがしばしばあります。 企業に勤めていると学校に行ってまとまった時間を勉強したり、研究したりすることはかなり難しいので、本を読んだり講演を聞きに行ったりします。そんなことをもう20数年やっているかもしれません。 学校に行って学びたいなと思うこともありますけれど、今から学校に行くということは大学院で専門的なことを掘り下げて研究することになるため、間口の広い知識を保っておきたい私のような人は足が遠のいてしまって

          最近の「研究」について思うこと

          議論を活性化するたった一つの心構え

          「参加者のみんなから意見が出てこない」 「皆、何も考えていないんじゃないか」 「上の顔色を窺わずに遠慮なく忌憚のない意見を言ってもらいたい」 会議において参加者から意見が出ないで黙っている状況を目にしたリーダーからこんな声をよく聞きます。 心理的安全性がないからだとか、複数の人がいる会議の場では言いにくいとか、そもそも突然言われてすぐ出るものではないとか… 理由も見方もいろいろあると思います。 こんなコラムを見つけました。議論が活性化してゆく過程で起きていたことをコンサル

          議論を活性化するたった一つの心構え

          「スマホ依存」について考えてみた

          今や現代人にとって欠かすことができないツールとなったスマートフォン。少し前までは「子供には持たせないように」とか言われていましたけれど、そういう声も最近は小さくなってきているように感じています。 それだけ「当たり前」になってきているのでしょうね。 有志で行っている読書会で、アンデシュ・ハンセン(Anders Hansen)というスウェーデンの精神科医が書いた「スマホ脳」という本を取り上げました。 本の要約を以下のリンクから読むことができます。 著者が情報化社会の最先端の米

          「スマホ依存」について考えてみた

          マニアックに説明すると伝わらない件

          人材開発や組織開発について本当に様々なものを私は学んできました。 分野としてはとても広いものではあるはずなのですけれど、不思議なことにどの学びの場に行っても同じような顔ぶれになっていたり、何度も会う人がいたりします。 そんな人たちの中に、学者や研究者並みに詳しくて、自分なりの意見や見解を持っているマニアな人たちが何人もいます。 特定のことに詳しくなってマニアのようになってくると、こんなことを言い出す人が出てきます。 「U理論について語るのであれば、この本を読まれていますよね

          マニアックに説明すると伝わらない件