2019年に遊んだゲーム ベスト5

年末にベストゲームを5本選ぶ企画も、今年で4年目!
2019年に遊んだゲームを整理しようと思います。

<毎年のお約束>
※ 僕が「今年遊んだ」ゲームなので、2019年発売でないものも含みます。
※  ベスト5を選んでいますが、5本の中に順位はありません。

今年プレイしたゲームは、全部で31本(うち何らかのエンディングに到達したものは14本)でした(記事の末尾にリストを掲載します)。

シェンムー III(PS4 / PC(Epic Store))

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どんなオープンワールドゲームにも似ていない、唯一無二の傑作

本シリーズの1作目「シェンムー 1章 横須賀」を僕が初めて遊んだのは、今からちょうど20年前、1999年の12月でした。
公式ネット通販「ドリームキャストダイレクト」の先行予約で、店頭発売日である12月29日よりも1週間くらい前に入手した覚えがあります。

そして、当時の僕は、本作の革新的なゲーム性の虜になった!

…ということはなく、この奇妙な作品に対する戸惑いの方が強かったような気がします。
それでも、異様に細部まで作り込まれた横須賀の街に、不気味なほどのリアリティを感じ、忘れられない1作となったのでした。
(僕がシェンムー に感じたリアリティについては、2018年に書いた以下の記事をご参照ください。)

そして2019年。
前作「シェンムー II」から、18年の空白期間を経て、最新作「シェンムー III」がついに発売されました。

今でこそ「オープンワールドゲームの始祖」と呼ばれるようになった本シリーズですが、様々なオープンワールドゲームを経た現代の視点で見ると、本作「シェンムー III」を含めた本シリーズは、他のどんなオープンワールドゲームにも似ていないと感じます。
そして、その点を以て、僕は本作が傑作だと感じます。

本作と大多数の他の作品と大きく違う点、それは「ゲーム世界でちゃんと生活し、世界と濃密にインタラクションすることが求められる」ということです。

普通の作品であれば、主人公は寝ないで、飲まず食わずで活動できてしまいます。
また、主人公にとって用があるのは、マップに示される「次に行くべき場所」「話すべき人」だけであり、一見どんなにゲーム世界が写実的に作られていても、ゲームプレイに関係ない要素は単なる書割りです。

でも、本作では違います。
毎晩夜になるときちんと家や宿に帰って寝る必要がありますし、体力を維持するために食べ物を食べる必要があります。

また、中盤、人探しのために、広大な街の中で聞き込みをして回る展開があるのですが、ほとんど人は何の情報も持っていません。数十人に聞き込みをして、ようやく1つ、か細い手がかりらしきものが手に入ります
でも、仮に現実の街で人探しをしたらおそらくこんな感じなので、ゲーム的なお約束に逃げずに、世界を可能な限りリアルに表現しようとしていると感じました。

このように、ゲーム世界との濃密なインタラクション、つまり、ゲーム世界に根付いて、生活することを求められるのです。
それによって、本作では、あたかもゲーム描かれている世界が本当に存在するかのようなリアリティを感じます。
このようなビデオゲームは、現状、唯一無二だと思います。

このような理由から、僕は本作を、「過去のシリーズを焼き直した古臭い作品」ではなく「2019年の現代においても、1つの独立した作品として評価されるべき傑作」と感じるのです。

Sayonara Wild Hearts(Mac(Apple Arcade) / iOS / PS4 / Nintendo Switch)

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2019年で最も「オシャレな」ゲームの1つ

2019年のビデオゲーム業界の大きなトピックといえば、IT業界の2大巨人、AppleとGoogleがそれぞれ「Apple Arcade」と「Google Stadia」で本格参入したことが挙げられます。

本作「Sayonara Wild Hearts」は、Apple Arcadeのローンチ時に、目玉タイトルの一つとして宣伝されていた作品です。

上のトレイラーを見ていただくと分かるのですが、本作は、ポップなグラフィックと音楽が大きな特徴です。
グラフィックと音楽、両方のセンスがとても高く、2019年に発売されたゲームの中で最もオシャレなゲームの1つだと思います。

ただ、本作は、このようなポップな世界観とゲームシステムとの間に若干の齟齬があるため、困惑したことも事実です。

ポップでキラキラした雰囲気に似合わず、本作のゲームシステムは「ソニックアドベンチャー」や「Rez」といった往年のセガのゲームをリスペクトしたと思しき、かなり硬派な奥スクロール3Dシューティングでした。

また、高ランクを取るためには何度もプレイしてパターンを体に覚え込ませる必要があり、まるで1980年代〜1990年代のゲームをプレイしているような感覚に陥りました。
このように、本作のゲーム性は、ポップな世界観に対して若干ちぐはぐな印象を受けました。

本作のグラフィックと音楽を活かすのであれば、ゲームシステムは、もう少しお手軽な、音楽ゲーム的なものが良いと思いました。

しかしそれでも、圧倒的にポップな世界観を提示しているという意味で、総合的には高く評価しています

DARK SOULS II: Scholar of the First Sin (PS3 / PS4 / XBOX 360 / XBOX One / PC(Steam))

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高難度ゲームの代名詞だが、理不尽ではない。
RPGの根源的な楽しさを教えてくれる作品。

フロム・ソフトウェアが開発したアクションRPGで、本作を含めた一連のシリーズ(Demons’ Souls・DARK SOULS・Bloodborne)は、難易度が高いことで知られています。
また、先日(2019年12月13日)発表された「The Game Awards 2019」では、本作のチームが開発したアクションゲーム「SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE 」が、見事Game of the Year 2019を受賞しました。

僕は今まで、フロム・ソフトウェアが開発した作品に縁がなく、本作が初体験でした。

確かに本作は、特に序盤は、とても難しく感じました。
序盤のザコ敵であっても平気で致命的なダメージを与えてくるので、歩みは遅々として進まず、最初のボス「最後の巨人」を撃破するまでに、なんと7時間もかかりました。
その後も「呪縛者」や「忘れられた罪人」といったボスに苦戦し、何十回も挑戦する羽目になりました。

しかし、あまりアクションRPGが得意ではない僕でもちゃんとクリアできましたし、60時間強かけてクリアした道のりを振り返ると、確かに難しいゲームだったけれど、理不尽ではなかったと感じます。

むしろ、経験値を稼いでレベルを上げ、装備を少しずつ強化して行動できる範囲を広げてゆくという一連のサイクルは、RPGの基本に忠実だと思いました。
本作は僕に、RPGというゲームジャンルの根源的な楽しさを教えてくれました

それに、RPGですので、レベルを上げればプレイヤーキャラクターはどんどん強化されてゆき、後半になればなるほど、それほど難しいとも感じなくなりました。
最初はあれほど苦労した「呪縛者」でさえ、その後何度も登場した際には苦労せず倒せるようになりました。
プレイヤーキャラクターの成長だけでなく、キャラクターを操る自分自身の成長も実感した瞬間でした。

後から知ったのですが、本作は、DARK SOULSシリーズ中ではもっとも評価が低いとのこと。
僕は本作しか知らないので比較する基準を持たなかったのですが、機会があれば「DARK SOULS III」も遊んでみたいです。
また「SEKIRO」にも是非、挑戦してみたいと感じました。

このように、僕の目をフロムソフトウェアの作品へと開かせてくれた意味でも、本作は有意義な1本でした。

Mother 2: ギーグの逆襲(SFC / Wii U / Nintendo 3DS)

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今遊んでも色あせない、1990年代JRPGの歴史的名作

本作は、スーパーファミコン向けソフトとして、1994年にリリースされました。
糸井重里氏による個性的な作風や、任天堂元社長、故岩田聡氏による開発時の伝説的なエピソードも含め、現在では歴史的名作と位置付けられています。

本作は、様々なポイントから語ることができます。

ストーリー、台詞回し、HPがドラムカウンター式に表示され、そのことが戦略に組み込まれた戦闘システム、そして印象的な音楽の数々…。
どれをとっても個性的で、ひとつとして、既存のビデオゲームのお約束をそのままなぞっているものはありません。

その中でも、僕が特に素晴らしいと思ったポイントは、2つありました。

第1には、ストーリーの骨格が「少年がとあるきっかけで旅に出て、非日常の世界で少し成長して、再び日常に戻ってくる」という、青少年向けジュブナイルの王道といえるものだったことです。

終盤、主人公たちは、世界を救うためとはいえ、少年少女が背負うにはあまりに過酷な運命を背負わされます。安易なストーリーテリングであれば、お涙頂戴の自己犠牲的なエンディングに流れてしまいそうなところです。
しかし、極端に湿っぽくなることはなく、主人公たちはちゃんとそれぞれの日常に帰ってきて、最後はカラッとした爽やかさを残して終わります
僕は、このことに好感を持ちました。

第2には、主人公と両親のある種理想的な親子関係を描いていることです。

本作では、まだ子供である主人公が、たった一人で旅立つという選択をします。それでも、主人公の父母が、主人公のことを気遣いながらも信頼し、彼の選択を肯定している様子が、いいなあと感じました。

このことは、TBSラジオの番組「ライムスター宇多丸とマイゲーム・マイライフ」の中で犬山紙子氏が言及されていて、僕が本作を遊ぶきっかけになりました。


僕自身も、昨年(2018年)に子どもが生まれ、父親になりました。
親になった立場で考えると、自分は果たして、子どもがなにか自分自身で決断をした時に、その決断を肯定し、背中を押してあげられるだろうか…?
そんなことを考えたりもしました。

本作は、今なお色あせないJRPGの名作だと感じます。だからといって偉そうなところは何もない、気負わず遊べる気軽な作品でもあります。
遊んでいて楽しいことはもちろんですが、人生を少し豊かにしてくれる、素敵な作品だと思いました。

Yoku's Island Express(PS4 / XBOX One / Nintendo Switch / PC(Steam))

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2019年時点のピンボールゲーム最高傑作

本作については、2019年7月に公開したレビュー記事があるので、ここでは、その内容をかいつまんで紹介します。

僕は、本作は2019年時点におけるピンボールゲームの最高傑作だと感じています。

ピンボールというのは、3回ロストしたら強制的にゲーム終了など、もともとシビアなゲーム性を持っていて、大部分のピンボールゲームもそういったシビアなゲーム性を受け継いでいます。
しかし、本作はボールを落とすことによるペナルティがほとんどなく、カジュアルに楽しめます。
また、キャラクターやグラフィックも美しく、全ての人にとってとっつきやすいゲームになっています。

これらのことから、もともとはシビアなゲーム性を持つジャンルをカジュアルに再定義してみせたという意味で、僕は本作を、TPSにおける「スプラトゥーン」のような存在だと感じました。

2019.12.30 Itaru Otomaru

付録:2019年にプレイしたゲームのリスト(全31本)

PS4:6本(うちクリア済み2本)
◯ ACE COMBAT 7 Skies Unknown
◯ TETRIS EFFECT
The Witness
Aaero
みんなのGOLF VR
シェンムー III

PS2:2本(うちクリア済み1本)
◯ ROOMMANIA #203
パラッパラッパー2

PS1:1本(うちクリア済み0本)
FINAL FANTASY VII (※FF7Rの予習として、ミッドガル脱出までをプレイ)

XBOX One:1本(うちクリア済み0本)
Forza Motorsport 6

Nintendo Switch:9本(うちクリア済み6本)
◯ TETRIS 99
スプラトゥーン2
◯ 返校 Detention
◯オクトパストラベラー
◯ Yoku’s Island Express
◯ Overcooked! 2
The Garden Between
マリオ&ソニック at 東京2020オリンピック
◯ Donut County

PC(Steam・Epic Store・Apple Arcade):6本(うちクリア済み3本)
◯DARK SOULS II: Scholar of the First Sin
Her Story
◯ Tomb Raider(2013年版)
Crypt of the Necrodancer
Celeste
◯ Sayonara Wild Hearts

Wii U (Virtual Console):1本(うちクリア済み1本)
◯ Mother 2 ギーグの逆襲

Nintendo 3DS:2本(うちクリア済み0本)
シアトリズム ドラゴンクエスト
DR. MARIO & 細菌撲滅

Mobile:3本(うちクリア済み1本)
Dr. Mario World
ドラゴンクエストウォーク
◯ Florence


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