麻生太郎氏、また問題発言 ルッキズム(外見至上主義) エイジズム(年齢差別) 少ない女性議員の状況が差別を生み出す
自民党の麻生太郎副総裁が、上川陽子外相について、
などと発言したことが波紋を呼んでいる。
発言は上川氏の外交手腕を評価する文脈で出たことであったが、
との批判が広がる。
発言は1月28日、福岡県芦屋町での講演の中で出た。麻生氏は、
と述べて、
などと語る。
このことについて、ライターの望月優太さんは朝日新聞の取材に対し、
という部分に着目し、
とし、
と分析する。
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背景
・麻生氏の発言内容(6)
・麻生氏の今までの主な問題発言(7)
ルッキズム(外見至上主義) エイジズム(年齢差別)
麻生氏の発言は、地方議会を含め、政治の場でルッキズム(外見至上主義)やエイジズム(年齢差別)に基づく発言が後を絶たないこと実情の中で生まれたもの。
昨年12月8日に開かれた三重県議会の予算決算常任委員会で、鈴鹿市選挙区選出で新政みえ会派の平畑武議員が、11月のイベントで女子高校生が作ったスイーツを試食したことを振り返り、
などと発言(8)。
あるいは、昨年4月の福岡県飯塚市議選で日本維新の会公認候補として初当選した藤間隆太議員(35)が男女共同参画に関する市の啓発方法に関し、女性議員(57)を名指しし、セーラー服を着てPR動画を投稿すれば効果的という趣旨の発言をした(9)。
古くは、2001年に東京都知事だった石原慎太郎氏が、
と述べたのだが、日本はこの時代からなお変わっていない。
少ない女性議員の状況が差別を生み出す
東京大学の瀬地山角教授(ジェンダー論)は、朝日新聞に対し、
と述べる。
また昨年9月には、上川氏ら5人の女性が閣僚に就任したが、岸田文雄首相のその際の、
と発言した問題と共通性を指摘、
とする。
世界では、政治分野の男女格差を解消するために、一定以上の女性候補者を指名するクオータ制などが取られてきた。この制度はノルウェーの政党が1970年代に最初に導入。
フランスではパリテ法により、各政党が男女同数の候補者を立候補させることが義務付けられており、違反すると政党助成金が減額される措置も。
しかし、日本は18年に施行した「候補者男女均等法」で女性候補の擁立を促進しているものの、罰則がなく実効性に欠ける。
(1) 二階堂友紀・松井望美「容姿言及 麻生氏に批判」朝日新聞、2024年1月30日付朝刊、25項
(2)二階堂友紀・松井望美、2024年1月30日
(3)二階堂友紀・松井望美、2024年1月30日
(4)二階堂友紀・松井望美、2024年1月30日
(5)二階堂友紀・松井望美、2024年1月30日
(6)三輪喜人「上川外相の容姿に言及」東京新聞、2024年1月31日付朝刊、2項
(7)二階堂友紀・松井望美、2024年1月30日
(8)東海 NEWS WEB「三重県議会議員「ルッキズム助長するような発言」」NHK NEWS WEB、2023年12月8日、https://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20231208/3000033195.html
(9)読売新聞オンライン「維新の1年生市議、女性議員名指し「セーラー服着れば動画再生5000回」…市の啓発関連で」2023年5月30日、https://www.yomiuri.co.jp/national/20230530-OYT1T50218/
(10)二階堂友紀・松井望美、2024年1月30日
(11)二階堂友紀・松井望美、2024年1月30日
(12)二階堂友紀・松井望美、2024年1月30日
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