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ゲーマー歴36年のダンジョン紀行#22 『AIはダンジョンの夢を見るか』

▼ローディング。AI元年に乗り遅れるな。

 2023年も4月になろうかと言う過日。世の中は目まぐるしく変化を続けていますが、先日3/17、ChatAIとして昨年10月には世に出ていたChat-GPT3.0が、そのverを更新した4.0を公開し、話題になっています。

https://chat.openai.com/chat

OpenAIと言う営利法人が作成・公開しているこの自動チャットシステムは、2021年までの膨大な情報を精査し読み込んだ上で、自然言語で返答をしてくれるチャットシステムです。GPT3.0の時点でもかなり自然な感じでチャットができていました。
 ですが、GPT4.0になってからはその精度や返答の幅広さ、また扱えるプログラムの幅も増え、一気に業界で話題に。また、それに追従するかのようにGoogleやMicrosoftなど、世界を牽引するIT企業が続々とAI技術による機能を発表しています。もはや3/17以降、AI技術の機能追加の発表が無い日がありません。2023年3月は、世界的にも類を見ないAI革新の始まった月でした。
 ※ちなみに、こちらnoteでもChat-GPT3.0を利用した執筆サポート機能が2/18から始まっています。

 さて、導入から説明が強くなり、ダンジョン紀行で取り上げる内容ではないように思うかもしれません。しかしながら、AIの技術は創作・空想・創造の世界にこそ大きく関わってくると思い、早くから気にかけようと急遽記事にまとめた次第です。Chat型AIのことを初めて聞いたと言う方も、最初の頃から触っていたと言う方も、初期から触っていた同人作家K_imu/一塚保を通して、ChatAIとの関わり方を検討していって頂ければ幸いです。
※ちなみに、本記事を執筆するためにChat GPT4.0を多用しておりますが、GPT4.0を利用するには月20$の利用料と、一時間に付き25replyまでと言う制限がついています。GPT3.5ならば登録さえすれば無料で使用できますので、皆様も是非使ってみてください。(2023.3現在の話)

 さて、当マガジンはアナログゲームを掘り下げていく執筆陣が集まり、一ジャンルを詳しく解説する記事に始まり、攻略記事、ルールの記事、はては第一線でアナログゲームを制作している方々の最新記事まで、多角的にゲームを語っているマガジンです。
 私の記事は『ダンジョン』を焦点にしたコラムを書かせてもらっております。マガジンの中でも異色のコラムとして、楽しんでもらえたら幸いです。

 つまり今回、AIの考えるダンジョンに触れ、またダンジョン好きな我々がAIをどのように利用していくことができるか。そのファーストコンタクトを行っていきたいと思います。
 これはダンジョンだけでなく、何がしかの創作を行う方にも有用なアプローチも含まれると思います。

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▼B72F:Chat-GPT4.0とのダンジョン対談。

 最初はAIの実力を知らない方もいると思うので、小手調べにダンジョンについて対談をしてみます。
 まずは、当ダンジョン紀行でもまとめてきた『ダンジョンの定義』について聞いてみましょう。

Q.(K_imu入力部分)
『ダンジョン』の定義を考えてください。考え得る要素を、それぞれどれくらい必要な条件かをパーセントで表してください。


A.(Chat-GPT4.0の回答)
『ダンジョン』の定義は多岐にわたり、文脈や目的によって異なる解釈が可能です。一般的に、ダンジョンはファンタジーやロールプレイングゲームで用いられる地下迷宮や危険な場所を指します。以下に、様々な要素とそれらがダンジョンの定義にどれくらい必要かをパーセントで表現します。
1.地下構造(地下迷宮、洞窟、牢獄など): 60%
2.危険性(モンスターやトラップなど): 80%
3.探索要素(秘密の部屋、宝箱、謎解きなど): 70%
4.ファンタジー要素(魔法や神話的生物など): 40%
5.目的(敵を倒す、宝を見つける、脱出するなど): 65%


このパーセント表現はあくまで一つの見方であり、文化や文脈によってダンジョンの定義が変わることに留意してください。また、これらの要素は相互に影響し合うため、個別のパーセントが厳密なものではないことにも注意してください。

 ……素晴らしい!
 ダンジョンを数理モデル的に解釈する際にはとても有効的な数字かもしれませんね。
 もちろん、AIはあくまでもツールなので、人間側がどのようにこの返答を解釈し、理解し、活用していくかが重要です。例えば、AIにも特性があるので、どのような理由で上記のように返答してくれているかを我々は考えなければなりません。GPT4.0の場合、2021年までの膨大なデータの内で算出しているので、それ以降のデータに関しては踏まえていないことも留意すべきでしょう。また、膨大な文章の繋がりで返答をもらっているに過ぎないので、真偽についてはよくよく考えた上で使用しなければなりません。
 その上で、必要な条件として上記の五項目を取り上げたのは非常に有用と言えます。AIが挙げてくれた必要な要素を、必要度の高いパーセンテージ順に並べると、
・危険性:80%>探索要素:70%>目的:65%>地下構造:60%>ファンタジー要素:40%

となりますが、私が『これはダンジョンなのか?』と問うてきた内容を補強してくれる内容と言えます。特に、『能動的選択』と『報酬と障害』そして『大目的』の三項目が上位3つにあげられているのは信用が置けます。また、下位2つの要素は『新宿ダンジョン』を取り上げたり、ゲームマーケットで手に入れたダンジョンゲームに対して、様々な検討をしたのが思い起こされます。

 私としては『目的』の部分に注目して欲しかったとは思います。ダンジョン紀行では最も重要視している項目です。
 ただし、それについてはAIへ問いを発する時点で、そのように質問するべきであったでしょう。しかしながら、それは恣意的な誘導だと読者の皆様は思われるはずです。AIはあくまでもツールであり、あくまでも『問いに対して、正しい質問ができているかどうか』人間側の問題になっていくことと、この時点で気づかいて頂くと良いかと思います。

 今回で言えば、『 ダンジョン』と言う言葉の広範さも関係するでしょう。 ちなみに、『新宿ダンジョン』の定義を聞いたり、様々な考察も手軽にAIと深められるのも有用なことです。

Q.(K_imu入力部分)
上記の定義を踏まえて、『新宿ダンジョン』と言うミームが説明できますか?

A.(Chat-GPT4.0の回答)
『新宿ダンジョン』は、日本の東京都新宿区にある新宿駅を指す際に使われる俗語的な表現です。新宿駅は非常に広く、複雑な構造を持っており、地下通路が迷宮のように入り組んでいるため、『ダンジョン』という言葉が比喩的に使われています。

この場合のダンジョンは、上記で述べたファンタジーやロールプレイングゲームのダンジョンとは異なりますが、以下のような要素が共通しています。
1.地下構造: 新宿駅は広大な地下通路が存在し、迷いやすい構造を持っています。
2.探索要素: 駅の構造や通路が複雑であり、目的地にたどり着くまでの経路を探す必要があります。
3.危険性: モンスターやトラップのような直接的な危険はありませんが、混雑や迷子になるリスクがあるため、ある程度の危険性が含まれています。

このように、『新宿ダンジョン』というミームは、新宿駅の複雑で迷宮のような構造を表現するために、比喩的にダンジョンという言葉が使われています。

 さて、こうしてChatとダンジョンについて談義するのは興味深いですが、ChatAIの出力を添削するだけでは芸がありません。これは皆様自身でChatAIと談義をして頂くとして……。

 ダンジョン紀行としましては、この新しいツールを使い『ダンジョンの未来がどう切り開けるのか』を次の項から考えて行こうと思います。

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▼B73F:AIが生成するダンジョンとは?

 まず真っ先に思い浮かぶのは、自動でダンジョンを作ってもらうことでしょうか。ChatAIを早くから利用されている方の中には、実際に『自動生成ダンジョンの作成』や『無限に遊べるゲームブック』を試している人が見受けられます。
 また体系化されたアプローチも行われています。海外の『AIダンジョン』(https://play.aidungeon.io/)などは代表でしょう。
 他にはGPT4.0に直接教え込み、好みのゲームブックにする方がいます。GoogleやTwitterなどで『GPT ゲームブック』などと検索すると、そのやり方が明示されています。

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