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ゲーマー歴37年のダンジョン紀行#32『ダンジョンの媒体』


▼2024年は"形にする"年へ。

 2024年――21世紀も四半世紀が過ぎようとしています。今年37歳になる私は、幼少期に1999年から2000年に変わる時代を生き、1900年代の様々な未来への夢や憶測をSFで見て育った年代です。便利になっていくIT技術の恩恵を受けながら、昔見た夢と具現化される現実の違いを見比べると、いま訪れている”未来”も良いものだなと感心します。
 また技術のみならず思想面でもそうです。ジェンダーフリーやバリアフリーなどが進み、男性や女性での有利不利、身心の有利不利などの改善も多く進みました。意識の改革や医療技術の発達で、年齢での有利不利も可能な限り乗り越えられています。若い人の活躍もさることながら、年を重ねた人でも活躍する場を多く見るようになりました。時代に感謝をしつつ、年を重ねる事実と、自分の経験が積まれていく現実の時間を、足取り確かに歩んでいきたいと思う所です。

 さて、皆様はどのような一年にしますか?
 私は、昨年末の当記事にて『何か腰を据えてやりたい』と書かせて頂いたので、その具体案として『ダンジョンにまつわるボードゲームを作りたい』と考えています。
 そこで、今月は”ダンジョンの媒体”となる物を振り返り、考えようと思います。
 媒体とはすなわち、お茶を煮出す為の「水」であったり、ボードゲームを遊ぶ為の「カード」だったり、辞書的な意味で言えば「橋渡し」をする物体のことを指します。「ダンジョン」と言う夢想が現在どのように具現化されているか。作品が育まれている土壌を振り返ります。

 当『アナログゲームマガジン』は、アナログゲームに精通した執筆陣が集まり、一ジャンルを詳しく解説する記事から、ゲームの攻略記事、ルール記述の記事、はては第一線で制作している方々の最新記事まで、多角的にゲームを語るマガジンです。
 私はこのように『ダンジョン』を焦点にコラムを書かせてもらっております。マガジンの中でも異色のテーマ型コラムとして、楽しんでもらえたら幸いです。
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▼B97F: ダンジョンが遊ばれる媒体

①TRPG

 まずはTRPGです。TRPGで使われる”ダンジョンの媒体”は……そう、「言葉」です。ダンジョンと言えば「D&D」ですが、そういう意味では「Dungeon」は英語と言う言葉で形作られています。
 しかし、「Dungeon」と言う言葉を元に、具体的に何を言葉で作っているでしょうか。そうして見ると「盤面」「キャラクターコマ」があります。元は戦略ゲームが元となった為、ダンジョンの空間がそのまま戦場として存在し、キャラクターたちのミニチュアをプレイヤーが見下ろす形で、空間とキャラクターの位置を実際に表す為の座標的な情報が具体化されているようです。

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