『大事な人との別れを身近に感じて、生き残った人』

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 最近、大事な人との別れを経た方へ。
 しっかりご飯を食べて、お風呂に入って、よく眠って下さい。眠れなかったら、何も考えずに横になられるだけで構いません。
 身近な人との別れを経て、精神をすぐに立て直すほどの知見を、人類はまだ得ていません。なので、生きているご自身の肉体だけでも守ってください。お願いいたします。
 もちろん、最近ではない方も。何年経とうと、精神への影響は計り知れません。なので同様に、しっかりご飯を食べて、お風呂に入って、よく眠って下さい。眠れなかったら、何も考えずに横になられるだけで構いません。これだけは、いつなんどきも同じことだと思います。

 残念ながら、私も10年前に愛妹を病で失った兄と言う『生き残った者』です。同じ辛さを抱く間、お付き合い頂けるようなら、私と対話いたしましょう。

 その前に、この文章を読み終わった後、美味しい温かいご飯を食べるか、お風呂に入るか、どちらかの準備をしてから読み始めることをお勧めいたします。


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 さて、私からお伝えしたいことは一つだけです。
『精一杯、生きましょう。』
 と言うのは、私が妹と死別してから10年。何度も辿り続ける、たった一つの答えだからです。

 なんともありきたりですね。でも、それしかありません。
 ですので、私が自分に問いかける時の、言い換えをいたします。
『次会う時に、たくさんの土産話を持っていこう』
 だから、精一杯生きるのです。

 私がそう思い至った訳は、妹が大病で夭折したことが大きいものでした。
 妹は年端もいかない女子高生で、不自由な病床生活を一年半耐え、それでも逝ってしまった。それを側で見ていたからこそ、『彼女が突然、普通の生活を失ったこと』、『彼女が手にできなかった未来』、『そして彼女と過ごした時間』。これらを思い返し、それらを全て反故にする行為はできないと実感したのです。
 反故にするとは、『私が突然、普通の生活を失うこと』、『私が未来を手放すこと』、『そして彼女との時間を忘れたりすること』ことだと思いました。
 その結果、『精一杯、生きること』をしています。

 彼女の代わりに生きることはできませんが、彼女がいたことを証明するのは私である、と願うのです。
 その為には、やはり身体は大事ですし、たくさんの経験をして、様々な人と出会い、多くの文化に触れていきたいです。
「こんな人と結婚して幸せに過ごしたんだよ」
「20年後にはこんなスゴイものができたんだよ」
「厳しい状況だったけど、貴方と昔話したアレで乗り切れたんだ」
とか、もう次会うことができなくても、そう言いたい。思いたい。


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 だからと言って、何がある訳でもないです。この10年、嫌と言うほど痛感しております。もう会えないと言う辛さ、会えない人から何も返ってこない事実は、ただただ残酷です。
 ですから、ここまで私の話を聞いて下さった貴方。もし良かったら、貴方の『大事な人』の話を教えてください。温かい食事でも取りながら。もちろん、お風呂に入った後でも。ゆっくりでいいのです。
 ――元気に生きていてさえくれれば、それで良い。
 貴方が痛感した、その想い。それは『貴方が大事な人』も強く望むのですから。




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