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ゲーマー歴36年のダンジョン紀行#20 『ダンジョンゲームはじめ2023』

▼ローディング。2023のダンジョン占い。

 2023年一月が早くも過ぎようとしております。
 一月の三週は全国的に大寒波が襲い、各地で雪が降り積もる天候でした。皆様はご無事でしたか? 寒波が来ると言うことで、様々な豆知識や事故例の情報が聞こえてくるのですが、身近に辛いのは光熱費の高騰ですね。輸送コストとして近年は原油の値段が上がったりして、ボードゲームの作成費がどんどんと上がっているなど聞いていますが、こうした形で色んな所で影響
を見るとなんとも世知辛い気持ちになります。
 こういう時、『ダンジョンで一儲け!一攫千金!』なんて現実にあったら面白いなと、なろう系小説原作のダンジョン系作品を読んでみたりしています。ダンジョン紀行としては、夢のように待ち望んでしまう次第です。

 さて、当マガジンはアナログゲームを掘り下げていく執筆陣が集まり、一ジャンルを詳しく解説する記事に始まり、攻略記事、ルールの記事、はては第一線でアナログゲームを制作している方々の最新記事まで、多角的にゲームを語っているマガジンです。
 そして私の記事は『ダンジョン』を焦点にしたコラムを書かせてもらっております。マガジンの中でも異色のコラムとして、楽しんでもらえたら幸いです。

 本日は、2023年ダンジョンはじめと言うことで、近年発表されて記事にしていなかった作品をまとめて2023年ダンジョンゲームはじめをしていきたいと思います。ダンジョン紀行の初期の頃、そしてゲームマーケットなどではダンジョン作品を特集していましたが、改めて新鮮な気持ちで『ダンジョン作品』に向き合っていく。そんな2023年と言うことで、ダンジョン作品をまとめていきたいと思います。

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▼B66F:ノックノック・ダンジョン

このゲームでは、全プレイヤーが1つのパーティ(チーム)となり、一緒になって協力しながら、危険やモンスターでいっぱいのダンジョンを探検してゆかなければなりません。あなたがたの目的は、このダンジョンのボスである《黒騎士》を見つけ出して倒すことです。しかし時間は限られています。砂時計がおち切る前に、その目的を果たさなければならないのです。さあ、がんばって!

@2021 販売元:アークライト 作:アンソニー・バロン 画:ウォルチ・ピエール

 さて、初めに手に取るのはノックノック・ダンジョンです。小型のカードと数種類のトークン。そして砂時計を使って遊ぶダンジョンを攻略していく協力ゲームです。
 ダンジョンカードが場と手元にあり、ルールに従い場に出すことで、勝利条件と敗北条件の確認、そして無事ならダンジョンを進んで行くことになります。

 カードがユニークで、四角に必ず数字が書いてあります。
 カードをプレイする時は、場の最新のカードの四角、どこか一か所に重ねるようにして、手札のカードを出します。それによって、場に出ていた最新のカードは見かけ上四角の数字の合計が変わります。これはモンスターの警戒度と言われており、あまりにも上がってしまうとモンスターが集まってきて全滅。となっております。(他にもいくつかの敗北条件があります)
 プレイヤーたちは、実はまだそんなに強くない設定と言えるでしょうか。あるいは、どんなに熟練の勇者たちも、モンスターに囲まれたらひとたまりも無いと言うことでしょうか。また、状況によって声を出して相談してはいけないなどのユニークなルールが盛り込まれていたり、ダンジョンに潜って命を張ったスリル(緊張感)をルールに取り入れているのはとても秀逸だと思います。
 また、勝利条件はダンジョンの主である黒騎士を倒すことなのですが、彼がどのような存在なのか。これはノックノック・ダンジョンを考える上で重要だと思う(ダンジョン三要素の一つ:大目的)……のですが、詳細な物語はこのゲームには与えられていません。一人でやるモードや、最大六人まで遊ぶやり方が提示されており、キャンペーンとして特殊なマークの使用されたカードを混ぜるなど、RPGに多用される要素も盛り込まれているのが好印象です。

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▼B67F:モンスターイーター~ダンジョン飯ボードゲーム~

それは小さな村からはじまった。
ある日小さな地鳴りと共に地下墓地の底が抜け奥からひとりの男があらわれた。男は千根前に滅びた黄金の国の王を名乗る。
かつて栄華を誇ったその国は、狂乱の魔術師によって、地下深く今なお囚われ続けていると言う。
「魔術師を倒した者には我が国のすべてを与えよう」
そう言い残すと男は塵になって消えた――。

 @2022 販売元:アークライト 原案:鈴木銀一郎 作:カナイセイジ 画:九井諒子

 大人気漫画『ダンジョン飯』をモチーフにし、さらに往年の名作『モンスターメイカー』を、カナイセイジ氏がリスペクトしてリメイクした作品です。発売当初、予約が殺到した作品でもありました。

 設定は『ダンジョン飯』のモチーフを忠実に活かしながら、複数人で構成された冒険者パーティを操り、狂乱の魔術師のダンジョンを踏破すれば勝利です。この冒険者パーティも、主人公であるライオスのパーティもあれば、シュローのパーティ、またカナリア隊などもいて原作ファンにはたまらない構成です。
 ゲームの構成としても、戦闘が必須でありながら、戦闘をこなしていくには食料が必要。そして食料はどこから出てくるのか……そう、目の前にいる倒した魔物だ!と原作通りの動きをするのが素敵です。漫画で登場した料理が溢れ、実際に調理して食べたかのような、そんな気持ちになります。
 原作者九井氏の書き下ろしたたくさんの絵で、ダンジョン飯読書時の食欲のそそられ方そのまま。大変そそられました。

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