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ゲーマー歴35年のダンジョン紀行#12 『2022春ゲムマのダンジョン作品』

▼ローディング。作りかけのマップをしまい、ゲムマ会場の地図を眺める。

 ゲームマーケット2022春も無事に開催されました。
 2021秋ではすぐに来場者数が発表されましたが、いまのところ(2022/4/30)発表がありません。同じくらいの来場者数か、気持ち少なかったくらいかに振り返ります。あくまで私の目分量ですが。
 それはさておき、大きく違ったのが入場案内のスムーズさです。これは多くの来場者が思ったことかと思います。ゲームマーケット運営の皆様が、前回の来場者の声を真摯に受け止め、しっかりと対策を練った成果だと思います。頭が下がる思いです。

 そんな真摯なアナログゲーム界隈と共に発展していきたいのが『アナログゲームマガジン』です。当マガジンはアナログゲームを掘り下げていく執筆陣が集まり、一ジャンルを詳しく解説する記事から、攻略記事、ルールの記事、はては第一線でアナログゲームを制作している方々の最新記事まで、多角的にゲームを語っております。
 そして私の記事は『ダンジョン』を焦点にコラムを書かせてもらっております。マガジンの中でも異色のコラムとして、楽しんでもらえたら幸いです。

 今回もゲームマーケット直後の記事として、2022年春ゲムマのダンジョンシーンをまとめる記事『ダンジョンと記述のあったゲーム』を集めました。ダンジョン要素の考察と、これまでのダンジョン紀行とを掛け合わせて踏み込んでいきたいと思います。

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▼B39F: ダンジョンと名の付く作品

【ダンジョンインメモリー】

面白そうなダンジョン見つけたんだけど、探検に行かない?
『ディミヌエンド』って呼ばれてるんだけど、記憶がだんだんと弱くなっていって、道に迷っちゃうんだって。ほんとに迷ったら魔法使って出てこればいいじゃん。でも迷ってもないのにビビって脱出するのはダサいよね。

販売:locogame ゲームデザイン:四月一日カエル イラスト:TOPECONHEROES ダーヤマ

 ”ダンジョン”を、大胆にメモリーゲームにした作品です。手札として持つダンジョンタイルを順番に重ねていき、最終的に道が繋がっているか・繋がっていないかを判断します。上記のストーリーの通り、記憶力を競ったチキンレースです。

 記憶力を使うということで、どれくらい記憶力を試されるのだろうかと構えておりました。ただ、夫婦二人でプレイした際は、手番のラグがほとんどなく、メモリーゲームとしてはかなり簡単に感じてしまいました。プレイ人数として提示されている5人や、多目の人数でプレイすると、ダウンタイムや自分の手番までの間で記憶が難しくなるのかなと思います。それに加えて、ルールブック記載の追加ルールを加えることで、難易度の調整ができました。そちらを加えることで我が家はちょうどいい塩梅に感じました。これはプレイする同士で調整できるところが良い所でしょう。

 感じた楽しさは、Wizardryや世界樹の冒険シリーズなど、マッピングが重要なゲーム。しかもそのマッピングする部分の楽しさだけを抽出したものでした。いままで扱ってきたダンジョンは、プライヤーがダンジョンに潜り込み、目的地へ向かって探索をする楽しみや、障害をかい潜り報酬を手に入れるスリルや快感などが中心でした。しかしダンジョンインメモリーでは決まった道筋もなく、障害もなく、探索し記憶すること自体が目的なので、ダンジョンを進んでいくことだけに集中します。ダンジョン作品としては異色な部分を多く感じます。

 ダンジョン紀行としては想定外のダンジョンの扱いでしたが、ダンジョンらしさにおいて、『迷路であること』と言う点がこれだけ重要視される作品は無いでしょう。ダンジョンの概念に新しい風を吹き込んでもらい、心沸き立つ作品でした。

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