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ゲーマー歴35年のダンジョン紀行#13 『原作ありTRPGのダンジョンに潜る』

▼ローディング。春の戦利品をしまい、6月の梅雨に備える。

 ゴールデンウィークも過ぎ、梅雨が迫って来ました。6月と言うと皆様は何を思い出すでしょうか。祝日の無い月、雨の多い梅雨、ジューンブライドなどでしょうか。
 私ごとですが、今年まさしく結婚式を検討しており、ゴールデンウィークは福岡へ下見に行ってまいりました。実際の開催時期は秋口を予定しており、無事に会場を決めることができました。コロナ禍で少人数の式が一般的になり、打ち合わせはZoomなどオンラインで行い、時間・場所の制約がかなり柔軟になっていました。時代の進歩を感じます。
 福岡へとんぼ返りで打ち合わせへ――なんてことはなく、関東と九州と離れた地にも関わらず、平日の夜にちょこっと打ち合わせができてしまう。そんな時代に生きているのだな、としみじみ思います。

 冒頭から妻との話をさせていただきましたが、妻との出会いは2015年頃、まさしくTRPGのオンラインセッションでした。当時、急激に人気の出ていたクトゥルフ神話TRPGのGMを私が行い、妻の初めてのセッションが出会いでした。いまでも共通の趣味として、同じ卓についてセッションをしたりすることもあり、アナログゲームの繋がりは結びつきが強い物だと、自らの身で実感している人生です。

 本日は#5の迷宮キングダム以来触れていなかった、TRPG作品のダンジョンに触れていく予定です。
 その上、TRPGは様々な小説やコミック、ゲームを原作に持つコラボレーションTRPGが出ています。
 原作にダンジョンが出てくるような作品を中心に、ダンジョンをどのように表現・再現しているのか見比べていきたいと思います。

※#5はこちらから。

 当記事はアナログゲーム界隈の皆様と共に発展していきたい『アナログゲームマガジン』です。アナログゲームに精通した執筆陣が集まり、ジャンルを詳しく解説する記事から、ゲームの攻略記事、ルール記述の記事、はては第一線でアナログゲームを制作している方々の最新記事まで、多角的にゲームを語っております。
 私の記事は『ダンジョン』を焦点にコラムを書かせてもらっております。マガジンの中でも異色のコラムとして、楽しんでもらえたら幸いです。

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▼B42F:ログ・ホライズンTRPG(2014年5/2初版)

 2010年4月~橙乃ままれによって『小説家になろう』にて連載スタート。その後商業出版を経て、TRPG化されました。
 架空のオンラインゲーム<エルダー・テイル>のプレイヤーたちが、ゲームのキャラクターの力を持った状態で、<エルダー・テイル>の世界とよく似た異世界<セルデシア>へ迷い込みます。
 TRPGではそんな異世界に迷い込んだ一人のキャラクターとなって、原作のキャラクターたちのいる同じ世界を冒険ができる。TRPGながら、WEBでの厚いサポートも特徴的です。

原作:橙乃ままれ 著:絹野帽子

 オンラインゲームを下地にしており、戦闘に特化したTRPGになっています。特に敵がどうやって攻撃してくるか、誰を攻撃してくるかが管理できる、いわゆる『ヘイト管理』が肝になる戦闘システムが特徴的です。

 ログ・ホライズンTRPGでのダンジョン探索は、エンカウントシートと言うシートで管理されて、ミッションルールと言う項目でダンジョン探索があらわされています。
 ダンジョン構造としてマップを用意したりはせず、イベント単位で管理されています。「入り口:右と左に通路が分かれている」右に行くと「濁流となる川が流れていて通れない」が、左に行くと「森の獣道が続いている」など、出来事の単位でダンジョンを表現しています。

p384-9行目 
(前略)
▼ミッションルール
ミッションとはセッション中に登場するシチュエーションをミニゲーム化したモノである。原作に登場する行軍、合戦、会議、旅やダンジョン探索など、何らかの目標を達成するために判定を繰り返すような構造物はすべてミニゲーム、すなわちミッションとすることができる。
(後略)

 原作はネットゲームを舞台にしたゲームなので、ダンジョンは多くの描写がありました。それをシンプルにまとめ、イベント単位でまとめたのが良いですね。原作でも戦闘での描写に比重を置いているので、ダンジョンと言う舞台装置に寄らない、原作の尊重になっています。

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