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ゲーマー歴35年のダンジョン紀行#15 『横浜駅はダンジョンなのか』

▼ローディング。夏特別号、横浜ダンジョンに挑む。

 すっかり暑さが板についてきた7月、暑さ対策に新素材の首に掛けるネッククーラーを買いました。24℃以下で固体になり、熱を吸収する素材です。そのため、体温に触れると熱を吸っていき、熱を吸うと液体になります。24℃と言えば、少し涼しい部屋や、冷房などでも実現される温度。もちろん冷蔵庫などに入れておけばすぐに固体へと戻ります。溶ける時間も長く、体感、外仕事でも一日快適に過ごすことができています。
 新素材の出現、そして科学の進歩で、人の暮らしがまた確実に快適に変わる。この事実に気付けることに嬉しく思います。
 アナログゲームも日々新しいシステムが生まれ、新しい技術が利用されています。手作業での加工から、レーザー加工や3Dプリンターはアナログゲームの製作に置いて様々な価値を産み出しています。また印刷技術の上昇は表現の幅を広げ、同人作品の制作を後押ししています。さらにVRやAR組み合わせた新しい作品など、ゲームの幅そのものが増えています。日々新しい楽しみが生まれている時代。当アナログゲームマガジンも多様な話題に触れていきたいと思う所です。

 『アナログゲームマガジン』は、アナログゲームに精通した執筆陣が集まり、ジャンルを詳しく解説する記事から、ゲームの攻略記事、ルール記述の記事、はては第一線で制作している方々の最新記事まで、多角的にゲームを語っているマガジンです。
 私の記事は『ダンジョン』を焦点にコラムを書かせてもらっております。マガジンの中でも異色のコラムとして、楽しんでもらえたら幸いです。

 本日は、年末に行った『新宿駅はダンジョンなのか』の記事を受け、夏特別号として『横浜駅はダンジョンなのか』をお届けいたします。
 新宿ダンジョンは、『情報の活用が必要』で『多くの攻略手段』を考えられることから、『自分に合った攻略法を見つけるタイプのダンジョン』、個人的には『世界樹の迷宮シリーズを思い出すダンジョン』であるなどと評させてもらいました。
 また、『新宿駅』は、すぐに『ここはダンジョンだ!』と言わされてしまいましたが、横浜はどのようなものでしょう。横浜駅も、新宿ダンジョンに端を発し、まことしやかに囁かれるネットミームと化しています。
 新宿にはその名を冠する電源ゲームがあったりしましたが、横浜にもミーム化されたダンジョンをネタにしたような作品が見受けられます。
 その名の通り『横浜ダンジョン』と言うタイトルのライトノベルが発表されていたり、『横浜駅SF』と題された小説では”無限に拡大する横浜駅”が設定として扱われていました。横浜駅に飲み込まれた日本列島……読んでいる間はまさしく横浜がダンジョンと思えるような作品が発表されています。そしてゲーム『龍が如く7』では横浜が舞台で、横浜地下ダンジョンと称したゲーム内のダンジョンが扱われています。
 やはり通常の駅とは異なる異質さが人々の間にあるようです。

 はたして、横浜駅はダンジョンなのか?
 そして、ダンジョンと言えるのであれば、新宿ダンジョンとはどのように違うのでしょうか?

※新宿ダンジョンについて書いた記事は以下#8、#9です。

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▼B49F:横浜ダンジョン概要。

 横浜駅は、神奈川県横浜市西区に存在し、JR、東急、京急、相鉄、そしてみなとみらい線の交差する神奈川県有数のターミナル駅です。少し地理の苦手な知り合いが"横浜県"と言ってしまうほどの、神奈川有数の都市になっています。
 乗降者数も、2022年7月現在の調べでは1日に230万人が乗り入れる駅で、関東一円と見ても、新宿、渋谷、池袋に次いで第四位の人の乗り入れとなります。

 『横浜ダンジョン』は、『新宿ダンジョン』ほどの認知は無いかもしれませんが、神奈川県民には比較的有名な概念です。特に、横浜駅は昨年まで工事を繰り返し行い、日本のサグラダファミリアと揶揄されるほど、その構内が行く度に変わっていたものでした。
 新宿ダンジョンも厳密な発祥は不確かなネットミームであることを踏まえると、横浜ダンジョンも変わりないと言えるでしょう。横浜駅は上記取り上げた作品があったり、十分に『横浜ダンジョン』と名乗る資格は有しているのかもしれません。

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▼B50F:横浜ダンジョン要素。

 ダンジョン紀行を御覧頂いている読者様は恒例となってまいりましたが、
『大目的』
『能動的な選択』
『報酬と障害』
の3つの要素を中心に、7月某日実際に取材をしてまいりました。
現実では、ダンジョンとして想起されやすいモチーフであるモンスターや勇者が使えない為、より3つの要素が重要になってきます。
 そのうえで先に申しますと『横浜ダンジョン』はダンジョンと言うには足りないと感じました。しかしながら、『新宿ダンジョン』には無かった異質さもありました。

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