見出し画像

恐怖の正体


いつの間にか最初の投稿から1ヶ月が経っていましたが、ずっとどこかで共有したいと思っていた『恐怖の正体』という本の一節を吐き出したいとおもいます.

これは本内でも引用されていた句ですが
           『ことごとく 未踏なりけり 冬の星』

俳人の高柳克弘さんが20歳頃に詠んだ一句だそうですが、本当にうゎっときました。
星のほとんどが未踏なのは周知の事実ですが、それに浪漫を感じ、占いや神話で用いている人類。
なんだか星から事実を突きつけられたように句から感じました。

本書内では永遠に未踏のままであろう星に反発心や英気を感じさせるということで気強よい若さなどを感じ、死や宇宙への無力感を感じさせると言うことでした。
また、17音でここまでの精神を揺り動かしてくることに狼狽えるとのことでした。

未踏であるという永遠感からの恐怖もそうですが、自分としてはその視点と未踏だと感じる作者のどこか冷めた感じやそれを言語化する能力のミックスに恐怖をおぼえました。
17音に普段の恐怖感を奮い立たされると言うのも恐怖だと思いませんか?
気づいていたはずなのに改めて言語化されて気づくという、深いんだかどうなのか。
常駐坐臥すぎて気づかなかったというとかっこいいですが、そうではなく気づかないようにしていたのかと思うと、衝撃とともに恥ずかしくも思います。
普段、神話やロマンをもって語っていた星について何も知らない自分に。

私たちが生きている間に到達できる星は本当に限られた一部だと思いますがそれを少しでも見届けたい、見届けられると言う希望を胸に今夜も寝たいと思います。
知りすぎたからこその贅沢を胸に。

おやすみなさい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?