見出し画像

同期信号の話

今回は同期信号、つまりリファレンス信号の話をしようと思います。

リファレンス信号と言ってもBB、Tri-sync、Wordclockなど種類がありますが、オーディオ機器の場合はワードクロックが一般的ですので、これを例に説明します。


デジタルオーディオの場合、サンプリング周波数48KHzだと1秒間に48000回サンプリングしてデジタル化、また並べ直しアナログ化することで音を再現しています。この時、サンプルの間隔を決めているものが同期信号になります。
この同期信号は、すべてのデジタルオーディオ機器に必要で、本来機器内部に同期信号発生器を持っています。それをインターナルクロックといい、音声の入出力のタイミングを決めるために使われています。しかし、それらのインターナルクロックは、機器によってその精度に誤差があります。プロの現場ではより正確な精度を求められるため、機器によって差が生じることの無いようにすると同時にサンプルの間隔は可能な限り均等である必要があります。

例えばインターナルクロックを使用してデジタルオーディオレコーダーAで録音した音源ファイルをレコーダーBで再生したとします。すると、同じサンプリング周波数であってもほんの僅かですがピッチのズレや揺らぎが出て録音された音とは違ってしまいます。問題はそれだけではありません。サンプルの間隔が違うことでファイルの再生時間が僅かに変わってしまいます。このような問題を防ぐため放送設備では、マスタークロックジェネレーターからすべての機器に同じ同期信号を送り、機器間の誤差が出ないようにしています。

今はパソコン一つで簡単に録音・ミックスができる時代ですから、プロであっても普段、意識することは少なくなっているかもしれません。制作環境の精度を上げるためには必要な知識ですので是非、自身の環境を見直してみてはいかがでしょうか。


みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!