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辞書・事典は、意外に面白い

 以前、辞書・辞典について書いたことがある。あれから数年がたち、辞書・辞典についてはすっかり電子の時代になり、紙の辞書・事典を使うことは少なくなってしまった。残念なことだ。
 電子の時代ではわざわざ「ペンネームの由来事典」「数の話題事典」などを使うことはないだろうから。

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 辞書・事典というと、言葉の意味を調べるだけの、無味乾燥で、面白味に欠ける本、というイメージがあるかもしれないが、そんなことはない。意外に面白いのである。
 その中から2冊を選んでみた。
「ペンネームの由来事典」。小説「浮雲」が有名な二葉亭四迷のペンネームの由来は、こうなっている。「文学の道に進みたいといいだしたのに我慢がならず」父親が「そんなことをやるような人間はくたばってしまえ」と怒鳴りつけた。「これをもじって『二葉亭四迷』にした」。これには「異説もあって、彼の文学上の師である坪内逍遥によれば『二葉(幼年)のころから懐疑的だった』という意味ではないか」とも書いている。
「数の話題事典」。この事典は、「わたしたちの身のまわりにある、いろいろな数が使われている場面を集めたもの」。たとえば、15という数字。これには「政権の終わりやすい時」というキャプションがあり、室町幕府は15代、江戸幕府も15代で政権を失った。そして、自由民主党も15代で政権を失っている(その後、復帰)
 数字がある種、人知を超えた魔力を持っているかどうかは、この事典には、書いていないが、私たちも、ときおり自分だけのラッキー・ナンバーを信じている。数字は、私たちが想像している以上に、エンターテインメントなのかもしれない。

* トップの写真は本文とは関係ありません。


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