いとバイ通信 2-21

いとバイ通信 2-21
中国

中国はアメリカファーストを主張するトランプが出現したことで徳と思想のない世界政治の時代に入ったと認識したのではないでしょうか。風と太陽のどちらがマントを脱がせることができるかという物語があるが「風」が主役となった世界に突入したのです。そして中国はまずは自身の陣地を強権で固める時代に入ったのです。

情報の統制

共産党独裁体制をあの広い国土に浸透させるには情報を統制して政府にとって都合の良い情報だけを与える方法が最適と考えられたのでしょう。ITの急速な発展によって人民を個人別に管理できるようになってきました。だれがどこに居てどんな考えをもっているのかまで管理できるようになりつつあります。世界の強国になったという自信と最強国になるという予想によって世界を中国的に変える世界政策を実行していきました。

個人は天賦の多様性を持っています。それを共産党独裁体制という一つの制約の中に閉じ込めることはできません。作為的にそれに閉じ込めようとすると必ず矛盾が生じるでしょう。個人の権利は全体のために制限されるのが当然であるとする思想にもともと無理があるのです。

世界を中国的に塗り替えていく政策に自信をもったために情報統制、個人の自由の制限、独立への動きの抑圧、世界を中国的に変えていく政策の実行がされていきました。今や最も強国になったのですから自国の権利を拡大していくだけで自国が小さくなることは許されなくなってきたのです。一国2制度だった香港に対する自由の制限を強化しました。たとえ台湾が反発しても大きな問題ではないと考えたのです。

アメリカと対峙しても一帯一路によって陸路、海路でヨーロッパや中東、アフリカと結ばれれば大きな強国となるはずです。アメリカはトランプの失敗によって第三世界の失望を招きました。中国は間隙を突くことが可能になりました。

コロナ禍は中国にとって一党独裁の利点を発揮できる機会とすることができました。もともと強権によって個人の自由の制限が簡単にできる体制だからです。コロナはワクチンが普及されるまでは「人を媒介して広がる」という性質からタイムリーに人の動きを一定の期間止めてしまえば強力に抑え込めます。アナログ的なこのような予防策で抑え込むことが可能なのです。また有効な予防策としてIT、AIによる個人管理が急激に進みました。自由主義や民主主義は決定や決断に時間がかかります。感染症はこのわずかな時間に広がってしまいます。中国にはこれに加えてコロナの感染低下をもたらすファクターXによっても欧米に比較して感染が低かったためいち早く経済復興を成し遂げつつあります。

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