「おりょうりしたい!」に応えたくて。
彼女の思いつきはいつだって突然である。
私が夕飯の準備をしている間はいつもNetflixの幼児番組に釘付けの娘が、
「トトちゃんも おりょうりしたい!」
と言ってきたのは数日前のこと。
ずいぶん前にも「トトちゃんも!」現象はあったのだけど、厳密に言うとそのときは手を出してこず、隣で見学程度で済んでいた。
一方今回は、「トトちゃんも」「実際に」「お料理をしたい」らしかった。
正直、ちゃちゃちゃーっと終わらせたかったからあまり気が進まなかったのだけど、拒否するわけにもいかないので、とりあえず受け入れてみたところ。
なんというか、近い。
立つ位置が、近い。
密着度を絵で表現しきれなかったのだけど…。
そして踏み台の位置が固定されているから、最上級に身動きとりにくい。
調理器具とかが入っている引き出しを塞いじゃっているので、非常に不便。
ちょいと必要なものを取りたいからよけて、と言っても、なかなかよけてくれない。
野菜を切っていると、にょきっと手を伸ばしてくる。危ない。
そうこうしているうちに
「わ〜!もういいよ!ごめん!あっちで待ってて!」
と言ってしまった。そして娘は泣く。
「トトちゃんはママのおてつだいがしたかったのぉ!!」
そうだよね、ごめん。
臨機応変のきかなさ。
いつものペースを崩されるのが本当に苦手。
娘がいきなり言い出す要望には大抵一発で応じることができなくて、「ああ、またやってしまった」となることが多い。
とはいえその日以降は「りょうりしたい」と自分から言うことがなかったから、ラッキー自分のペースで料理できるぞ!とさえ思っていたのだけど、
せっかく手伝いたいと思っているのに申し訳ないというモヤモヤが残り、どうすればいいか考えた結果、
ただ単純に、娘にもできそうな作業を任せればいいよねって話で。
今日は、私から「ママとお料理する?」と提案してみたら、乗っかってきた。
「うん!」と満面の笑みで。
で、お料理タイム。
まずは、保育園へ迎えに行く前に準備しておいた、野菜をふんだんに紛れこませた特製肉団子?一口ハンバーグ?の原形を出して、まだ冷たいままのフライパンに一緒に並べてみた。
通常なら油をしいてフライパンを熱してから置くけど。まぁ味に大差はなかろう。
で、蒸し焼きにしている途中、中の様子を見ようと蓋を開けた途端に湯気が出てきて、そしたら、「うわあ〜!ママ!雲がでてきたぁ〜!あついよ〜!」と言いながらピューンと逃げていった。
湯気を「雲」だって。
なにその表現かわいい。
一緒に料理しなかったら聞けなかったね。
あとは小松菜のおひたしを作るために一緒に鍋に水を入れたり、小松菜をぎゅうっと絞って水気を切ったり。
火を使う作業と他の副菜の準備は私が担当して、無事終了。
自分で作った小松菜食べてくれるかなと期待したけど、それとこれとは別の問題らしかった。想定内です。
今日はなんだか気持ちがよい。
娘の「お手伝いしたい」という気持ちを無駄にせずに終われたからかな。
肉の塊をフライパンに並べて、鍋に水を入れて、小松菜をぎゅうって絞るだけだけど。
それだけでも十分満足した様子だった。
よかった、よかった。
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