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短歌人 月例作品 2024年1月号

全員が正気であると仮定して逢魔が時の渋滞進む

革巻きのステアリングに身を慣らす馬具を手にした騎士の心地で

卓上に直方体の水があり金魚四匹めらめらと舞う

見ていたら小一時間がたっていた琉金の尾のひれのひらひら

指先にいつもHOPEをはさんでた父の書斎にのこる灰皿

LEDのあかりはすこし疲れるな わたしの無駄が照らされるから

「短歌人」2024年1月号 月例作品 伊藤まり


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