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短歌人 月例作品 2024年2月号

しゅうまいに添えるからしのようなこと守り抜くためわたしは生きる

冬空に溶けてなくなる富士の青うつくしすぎる時限爆弾

ブロッコリーのような街路樹われわれは神の弁当箱のごましお

屈折の総体として虹がありすべてのことは程度問題

やわらかな小春日和につつまれてどこにもいない父に会いたい

三人の医師が集まり引っぱって上から押して産まれたわが子

「短歌人」2024年2月号 月例作品 伊藤まり


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