海賊ブラッド外伝~枢機卿の身代金(1)
ローマ・カトリックの信仰で生まれ育ったキャプテン・ブラッドは、己が法の埒外で生きる身となってからも自らを旧教徒と見なす事をやめなかった。そのような彼がプロテスタントの闘士を助けた罪によりイングランドを追放された事、そしてスペイン軍からは火刑に処してしかるべき異端者と見なされている事はなんとも痛ましい皮肉であるのだが。
ある日の事、個人的な良心の呵責を理由にして、少しばかりの涜聖行為に目を瞑れば実現可能な容易かつ莫大な略奪計画に背を向けたキャプテン・ブラッドは、フランス人