「かいしんのいちげき!」はクセになる

岡山市の職員をしている「てら」です。

役所の仕事は定型的な仕事が多いですが,ときどき,その定型を大きく変えることができることがあります。
その方法をひらめき,実現させたときの手応えは格別です。

僕は国民健康保険課で,保険料の計算,作業スケジュール作成,封筒や帳票類のデザインなどの仕事を担当しました。
その後,いくつかの職場を経験し,料金課に異動しました。国民健康保険料や保育料などの自立執行権のある債権を回収する部署で,そこでは庶務,作業スケジュール作成,封筒や帳票類のデザインなどを担当しました。

当時はまだ窓口や金融機関での現金払いしかできず,支払い窓口や方法を増やす必要があるのでは,という話が出始め,システム改修のコストが課題になっていました。
そんなころ,郵便局が民営化され,ゆうちょ銀行が誕生します。

公金の手数料は指定金融機関と決めることになっています。
おかげで,郵便局の業務を規定する法律に基づき支払う必要のあった郵便局への手数料が,民営化によりそれらの法律が廃止され,ゆうちょ銀行の業務に他の銀行と同じ法律が適用されたんです。

郵便局で支払う場合の手数料は住民負担で,使う人も少なかったので,納付書は銀行仕様になっていましたが,これをゆうちょ銀行対応にすれば,支払い窓口にゆうちょ銀行の窓口を加わえることができます。

通常,帳票を変えるにはシステム改修が必要でコストが発生します。
ですが,僕は国民健康保険課でそのあたりの仕組みを理解していたので,システム改修をせず,しかも,国民健康保険料だけでなく,役所のすべての納付書の仕様を変えられることに気づいたんです。
そのうえ,納付書は年度分をまとめて毎年発注しますから,その発注のタイミングで変更すれば追加のコストも発生しません。

そんなわけで,ほとんど費用をかけず,すべてのゆうちょ銀行の窓口で役所への支払いができるようになりました。
ゆうちょ銀行で支払われた払込書が通常の事務の中で流れてきたとき,なんとも言えない手応えを感じました。

これは,僕がやらなくてもいつかは誰かがやったと思います。
ただ,あのタイミングでできたのは「かいしんのいちげき」だったなと思っています。
あの手応えが忘れられず,今でも「かいしんのいちげき」のネタを探す毎日が続いています。

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