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スポーツ健康科学部での研究生活

29歳で入学

理学療法士(PT)として,今まで患者さんのデータを計測して学会発表などしていたが,しっかり研究というものを学ぶのは初めてだった.
分野的には身体を扱うので,理学療法士も在籍することが多く,親和性は高いと思う.ただし,今までの取り組みの延長上かと思ったら,そうでもない部分が多くて少し困ったこともあった.

スポーツ健康科学とは

ざっくりとした理解ですが,まず体育学が基本にあると思います.
体育学は,「運動」と人間の体力・健康づくりについて,総合的に研究する学科です.体育学には,幅広い研究領域が含まれますが,大きく《運動と健康の理論》《スポーツ実技》に分類できます.学習内容は,《健康と運動理論》《スポーツ実技》《体育・保健教育》の3領域が大きな柱となります.
この基本領域から発展した領域として《スポーツ健康科学》があり,健康運動科学,スポーツ科学,スポーツ教育学,スポーツマネジメントなど多岐にわたる分野をカバーします.

最初とまどったこと

医療における研究(ここではPTが行うバイオメカニクス的なものに限る)とは,様々な面で違いがあって最初少し戸惑ったこともあった.今思うと,根本は同じで特に大きな違いはないかもしれなくて,ただ研究生活の始まりの混沌と混ざり合って自滅だったのだろう.
ただ,大したことないことかもしれないが,被験者選定にとても気を遣う必要性に関しては,多少考え方の切り替えが必要だった.
患者さんを扱う場合は,個々の特性だけでなく,治療方針に至るまで,細部に拘れば拘るほど個別性が強くなるため,被験者の条件統制が難しい.例えば肩関節の手術を実施した患者を対象に被験者を集めようとした場合,基礎情報・既往歴だけでなく,術前の状態や手術方法(なんの手術でどこからアプローチし,どの筋を接離し・・・・・)など,ありとあらゆる状況があるので,厳密に被験者選定すると,同じグループに誰も入らなくなってしまうことがあり得る.そうすると,概念的にやや大きめにとるしかなく,この類の研究は常にその種のLimitationをはらんでいるが,ある意味共通認識でもあるかもしれない.
最初はその感覚で,健康若年者・男性を選んだりしたのだが,身長体重だけでなく,スポーツ歴とその種類に至るまできっちり詰めておいた方がいいとアドバイスされた時には,なるほどと思った(もちろん研究テーマ等による).

まあそんな感じで色々と違いを感じることで,楽しみながら研究生活始めた.また機会があれば,この時思ったことも残したいと思う.

今日はそんな感じで.

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