ご報告

昨年、かねてよりお付き合いしておりました男性と結婚いたしました。

私事ですし、そもそも普段からSNSでプライベートのお話をすることはほぼなく、結婚をしたからといって私が私でなくなるわけでもないのに、結婚の報告は唐突にしなければならないという世の中のルールのようなものの存在意義が分からずご報告しかねておりましたが、今年中にご報告させていただくことにしました。

私がこのルールに疑問を抱いていることはさておき、この世に於いて報告する風潮があることをしないでいることに対し、この社会の一員としてなんだか申し訳なく感じるようになってきたことと、今の私の年齢の女性で人様の御前に立つことがある職をしていると、、なのか何なのか、プライベートの話をすることのない関係の方やほぼ初対面の方から、なぜだか交際している相手もいないという前提で話し出されることが多いということもあり、改めてこちらでご報告させていただくことにしました。


プライベートでお会いした方につきましても、お互いに自身の周りの人のことについてお話することのあった方から最近どう?と訊かれたら答える、という形でお伝えしていたので、お話していなかった方もいらっしゃいますけれども、これといって秘密にしておこうと思っていたわけではなく…。
ただ、そういう話題にならなかったから/踏み込んで質問されることがなかったので、しておりませんでした。普通にお話していて、何の関連もなく聞かれてもないのに家族恋人の話ってしないですよね…?そういう感じです。


お相手のことにつきましては、所謂一般の方です。実はこのことについても、一般って何なんだ?という疑問もあり、ご報告の文面に悩んでいたりもしました。

何を生業にしてどのように生きていたって、首もすわらない状態で生まれてきて、刺されたら痛みを感じて血を流す、酸素がなければ死んでしまう、ただのひとです。
ただ芸能に関係のないひと、という意味で一般人と云うのが通称なのも分かっちゃいるけどそれをなかなか受け入れきれないのは私の頭がかたいんだろうなと。しかし未だこの単語に納得し切れずにいます。


話を戻します。お相手の方は、全然違う種類のお仕事をされておりますので考え方も此の世の捉え方も違うところが多いのですが、長年共に過ごす中で互いの頭の中を知り、違うからこそ尊敬/尊重し合えるところも多い中、それでも分かり合える瞬間というものも確かに存在するというのは非常に興味深いことだなと感じています。
こうして全く違う人間と過ごすことにより得られる新しい知見は、私だけでは見つけることのできない、なかなかにかけがえのないものだなと感じ、共に生きていたいなと思うようになり、そのためにはこの世界に存在する結婚という制度に則り共に過ごしていくことが我々にとって最善の形だという結論に至り、結婚するという運びになりました。


これからも、私は私という個の存在としては変わることなく、人間とはなにか/生きるとはなにかということを探究し続け生涯を通して、人間を表現する職業、俳優という役割を全うしていきたく存じます。


私が俳優として携わる作品をいつも楽しみにしてくださっている皆様、本当にありがとうございます。これからも楽しみにしていただけるよう、より一層精進して参ります。



ここまで読んでくださった皆さま、ありがとうございます。長々と失礼いたしました。



藤井愛稀

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