見出し画像

大学院前期課程(修士)のすすめ

はじめに

初めまして。
今年度で大学院修士を修了するいつきです。

修士課程についてどういうものかまとめてみました。「よかったこと・後悔したこと」「大学院前期課程に進むかどうか」「修士生の就活」「修士生の研究(僕の場合)」の4点について書いています。また+αとして「僕の修士生活」も書いてます。

僕の視点で語るので他の人とは違った主張があると思います。なので全て丸呑みせずにあなたが良いと思った部分だけピックアップして有効活用して頂けたら幸いです。

対象読者

  • 修士課程に行く予定の方

  • 修士課程に行くかどうか悩んでる方

  • 修士課程で苦しんでる方


修士に入ってよかったこと・後悔したこと

修士に入ってよかったことは自主的に活動(研究)できる時間が増えたことです。

まず学部の時よりも修士の方が取得する単位数が少ないため、比較的自主的に研究できる時間が多くありました(人による)。そのため学部の時に不完全燃焼で終わらせていた研究も修士1年の前期に本格的に取り組むことができ、1年の夏に学会にて成果を発表することが出来ました。また修士から別の研究を2つほど行いましたが無事完遂することが出来ました。

それくらい自主的に活動する時間を多く取る事が可能です。

後悔したことは僕の場合ありません。

かといっていい事ばかりではないので心に留めておいた方がいいことを1点お話します。

それは大学院生だからといって必ずしもやりたい研究ができる訳ではないということです。これは研究室にもよりますが、チーム開発等行ってる研究室は先輩の研究を受け継いで行ったりすることが多いです。もし自分でやりたいと思った研究があるのであれば研究室選びは予めしっかり自発的に調査した方がいいでしょう。さもないと後々地獄を見るかもしれません。

大学院前期課程に進むかどうか

大学院の道に進みたいなら進んだらいいし進みたくないなら進まなければいい。僕はそう考えてます。

ただこの解答をすると大学院の道に進むかどうか悩んでる方にはなんのアドバイスにもなってないので下記に補足します。

僕個人として、学部からストレートに進んだ方が知識も衰えていない状態(忘れていない状態)で進めるかつ比較的気軽に進みやすいので、悩んでるくらいなら1度進んでみるのもありなのかなとは思います。

ただし生活面において大学院生より社会人の方が間違いなく楽です。まず金銭面でも社会人の方が稼ぎがあるので楽です(一部を除く)。また人にもよりますが、大学院生には休みがないと思った方がいいです。休みなく毎日夜遅くまで研究する人が一定数います。それにくらべて社会人は基本8時間労働終わったら帰ることが出来ます。さらに土日祝は休みです(一部を除く)。なので遊びたいなら大学院進学ではなく社会人になって働いた方がいいです(一応私は社会人経験してる身なので言っておきます)。

修士生の就活

大学院1年の12月頃から始まります。

僕の場合2社受けたのですが、1月に1社から内々定もらったので、じっくり考えた末、もう1社には自分から選考辞退させて頂きました。

修士生に関して特段就活で困ることはないと思います。
落ちる人はよほど喋るのが下手か嘘つきかの2択です。

アドバイスをするのであればあなたのことについて誰にでも分かるように説明できる力は就活においてかなり大切です。

これは修士生の間に練習することが出来ます。
それは学会発表や研究室のプレゼンテーションです。

よく学会発表や研究室のプレゼン等で見かけるのが、相手を意識せずに作成した分かりにくい発表です。基本的にどんな発表でもあなたの研究を全く知らない人が聞くということを念頭に置かなければなりません。なのであなたの研究について誰にでも理解して貰えるような発表をするべきです。

就活でも一緒です。あなたの事を全く知らない人にあなたの事について簡潔に分かりやすく説明しなければなりません。

以上のことから何かを分かりやすく伝える力は就活において強い武器になります。修士生になって沢山プレゼンをしてその力を鍛えましょう。

修士生の研究(僕の場合)

僕の場合修士の研究は本当に大変でした。

というのもハードウェアの技術的な側面で出来ない可能性が高い研究をしていました。常に留年と隣り合わせという感じでした。

ですが僕は自分に対してかなりドMな性格をしているので危機的状況になっても面白く感じてしまうんですよね。自分がどこまでできるのか試したくなる…っていう感情に近いのかな?なのでかなりギリギリでしたが(病院送りに2回ほどされましたが)何とかこなすことができました。

ここでお伝えしたいことは2つあります。
自己管理能力が研究をする上でかなり大切です

2年という短い期間で少なくとも結果を1つ残さないといけないのです。そのため、タスク管理、時間調整、全てをしっかりこなさないと上手く研究を進められません。

例えば人を使った実験をする場合、「どんな実験をするのか」「何人必要か」、「誰がどの時間に実験するか」「1人何分かかるか」など沢山考えなければならないことがあります。ここで準備やスケジューリングを疎かにするとダブルブッキングしたり実験に不備があったりと良くないことが立て続けに起こります。終いには実験をやり直すことだってあるでしょう。やり直したら学会発表に間に合わないかもしれません。

だからこそ自分でこれらを管理する能力が重要になってくるわけです。

もう1つは研究をする目的と目標を掲げることです。

何もゴールなしに研究を行うとだんだん何の為にこの研究をしているのか分からなくなってしまいます。また掲げることによって原稿(論文)のイントロダクションが書きやすくなります。

ちなみにこれは社会に出ても同じです。何となく仕事をしている人をよく見かけますが、今どんなポジションにいて何をするべきなのか、ゴールはどこか、もっと細かく考えるべきです。

だからこそ目的と目標を意識することが大事だと思います。

最後に

まとめとして、修士生は学部生よりもより自主的に活動しないといけません。よく修士に入ると「専門的な知識を学べる」等仰る人がいますがこれは授業等で受け身で得られるものではなく自主的に学ぶことで得られるものです。だからあえて1章で「自主的に活動できる」と書きました。

もしあなたが修士に行くのであれば、その際は自発的に行動できるよう努めてください。そして研究を楽しんでください。

最後まで読んでいただきありがとうございます。+αは下に書いていますが読みたい人だけ読んでください。

+α 僕の修士生活

大学院に進むことになった理由

僕の場合、早期卒業(学部3年卒+修士2年)というドM専用の道を歩んでしまったので必然的に修士に行くことは決まってました。

早期卒業を選択した理由が2点、「修士に進んで奇抜で面白い立体音響の研究がしたいから」、そして「修了時期が彼女の卒業時期と同じになるから」です。(※不純な目的が入っていますがそういう目的があるのも事実です。遠距離恋愛なんてやってられませんからね。)

修士でやった研究

もちろん修士に入ってから僕は立体音響の研究に専念してきました。主に3つの研究を行いました。

  • 圧縮データベースを用いたヘッドフォン用立体音響オブジェクトの開発および評価(学部で行った研究の拡張版)

  • リアルタイムで自由にラウドスピーカーを動かせる立体化手法のVRを用いた主観的評価

  • iPhoneデバイスを用いたアドホックラウドスピーカーアレイの開発 (アドホック: その場限りの)

どれもめちゃくちゃ大変でした。 
特に3番目に関しては失敗する可能性が十分高かったのでワンチャン留年してた可能性がありました。
ただ今思うと自分なりに奇抜なで面白い研究が出来たし留年というスリルも味わいながら実験したりしてたのでとても楽しかったです。

これはあくまで僕の考えですが、僕の研究なんて所詮自己満でしかないと思っています。ただ自己満だからこそやりたい放題で楽しいし自分を満たすことができました。あとはその自己満研究がどれだけ役立つかを他の研究者の判断に任せればいい。僕はそう思います。

僕のタスク管理方法


前述でタスク管理について必要だよって言いましたが僕はある事件が起こるまで元々タスク管理してなかったんですよ。

それは修士1年の7月頃に学会原稿締切当日にぶっ倒れて病院送りにされるという事件です。原因は1週間くらいろくに眠らず食わずでとにかく実験やって原稿書いてを繰り返してたのが原因です。締切日当日に書き終わって家に帰る途中で倒れました。病院の先生に言った一言目が「Wi-fiありますか?学会の原稿提出しないといけないので」だったのも今でも覚えてます。今思うと本当に馬鹿でした。

僕のいうタスク管理とは健康面や生活面も含まれてます。今は彼女の助け(お説教)もあってタスク管理できるようになりましたがあのまま続けてたら死んでいたかもしれません。

学校でのタスク管理は写真のように壁に付箋を貼って行ってました。「残ってるタスク」「実行中のタスク」「終わったタスク」の3種類に分けて逐次ペタペタしてました。あと計算ノートも目標ノートも壁に貼ってました。壁に貼るの好きなんですよね。研究やってる感出ますしね。

Pic. 1: 研究室の机(散らかりすぎ)

学校以外では「帰る」「寝る」「食べる」を習慣化させました。まず彼女の帰ってこいコールがあったら必ず帰るようにしました(もちろん自分で帰る時もあります)。寝る時はできるだけ早く寝るようにして7時間は寝るように心がけました。 彼女がバイトの時でいない時は早めに家帰って2人分の料理作って待ちます。そんな感じで互いに助け合いながら過ごしてました。(本当に彼女は尊敬できる人です)

ある意味スケジュールはみっちり埋まってました。タスクだらけでした。

TAをしてて気づいたこと

僕は2年間TAをしてきましたがそこで気づいたことが1つありました。

それは「僕はストイック過ぎた」ということです。採点とかしてる時にここまで緩くていいの?って思ったり、教える時にキツすぎて泣かせてしまう時があったりで誰かに合わせるのにとても苦労しました。

けどそのおかげでサボることを身につけることが出来ました。辛い時は無理せずにサボればいい。そういう気持ちになるのもありだなと今では思います。

修了出来たのは関わってくれた方々のお陰

僕の研究は自己満研究だと先程言いました。しかし僕の研究はどうしても人を使った実験をしなければならないため沢山の方に手伝ってもらいました。

もちろんご迷惑をおかけしたかと思います。しかし手伝っていただけたことに本当に感謝でいっぱいです。
デモに参加していただいた方、実験手伝ってくれた方、そして研究室のメンバー、本当にありがとうございました!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?