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ずっと変わらない

鳥取県といえば何を思い浮かべるだろうか?

鳥取砂丘。大山。カニ。水木しげるロード。
コナン通り。唯一スタバがなかった地。
らっきょう三大産地。因幡の白兎。
思ったより色々あったが、私のなかでは断トツで”梨”である。

今年も母の実家から梨が送られてきた。
2種類の梨を紙袋に詰められるだけ詰め出勤する。
毎年の恒例行事である。

梨は毎年2種類届けられる。
1つはおなじみ二十世紀梨。
間違える人が多いのだが21ではなく20である。
もう1つは新甘泉(しんかんせん)。
その名の通り、かなり甘い梨で、梨のややすっぱい感じが苦手な人でもおいしく食べられる。私の一番の推し梨である。

スーパーで売られている梨は二十世紀、幸水、豊水が主流で新甘泉は売られていない。生産量が多くはないので、あったとしても果物専門店や百貨店にしか出回らない高級梨だ。この時期に届けてくれることが唯一新甘泉を手に入れる方法なのである。
それゆえ、新甘泉をみんなに紹介したい気持ちと美味しいから食べたい気持ちがせめぎあっておすそ分けの比率に頭をかかえている。

毎年梨が届くと夏ももう終わりかーと思い始める。
重たい梨をかかえバスを待っている間にふと梨について検索してみた。

~2022年梨生産量ランキング~
1位:千葉県
2位:茨城県
3位:福島県

え!?1位鳥取ちゃうの??
慌てて母に連絡する。母も1位だと思っていた。
そんな馬鹿な!

詳しく調べてみると二十世紀梨だけの生産量はいまだに鳥取県が全国1位だった。しかし2012年からの約10年間で47.4%減少している。二十世紀梨は他の品種に比べて栽培が難しい。近頃は甘みの強い梨が人気であることもあって二十世紀梨の生産者が減少しているとのことである。

なんということだ!このままでは梨=鳥取県のイメージが消えていってしまう!大変だ!!どうする?どうしたらいい??

そんな心配をよそに、もちろん鳥取県のみなさんはすでに対策を講じていた。二十世紀梨の生産量が減少した一方で、新しい梨が続々と生み出されているのだ。

鳥取県ブランドの新品種たち()内は糖度
8月上旬:夏さやか(12度)、早優利(14度)
8月下旬:新甘泉(14度)、なつひめ(12度)、涼月(11.5度)、優秋(12度)
9月上旬:瑞鳥(12度)、秋甘泉(14度)
これらの梨が鳥取大学や鳥取県園芸試験場などで育成されている。
県をあげて梨の生産に力を入れているのだ。
この他にも10月以降が旬の梨も生産されており、夏から秋にかけて梨を楽しめるようになっている。

私の推し梨”新甘泉”も鳥取県ブランド梨だ。JA鳥取いなば(母の実家のあたり)では特に新甘泉の栽培に力を入れているらしい。なんと二十世紀梨に次ぐ栽培面積である。
最高だ!新甘泉の生産量が増加すれば、我々も手軽に手に入れられる梨になるじゃないか!そうすればおすそ分けで悩まなくていい!

実は今まで二十世紀梨多めでおすそ分けしていた。みんなごめんやで。
推し梨はすすめたいがやはり自分が一番食べたいのだ。。。
食べたいものを迷いなくgiveできる人は本当に尊敬する。

なんにせよ梨といえばやはり鳥取県であった。
梨の加工品も様々なものが開発されている。
鳥取県のキャラクターは「トリピー」。二十世紀梨と鳥をイメージしたキャラクターだ。
県の花は「二十世紀梨の花」。どこまでも梨の存在が強くアピールされている。重要なのは生産量ランキングではない。
鳥取県は梨に非常に力を入れている。量より質である。

鳥取県と言えば梨。
梨と言えば鳥取県。

私のなかではやはり不動である。



*鳥取県のみなさま本当にありがとうございます。
 おかげさまで今年も甘くておいしい梨をいただけます。


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