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アメリカ時代の生活エッセイ life as an expat その3(日米の評価のされ方の違い)

元駐在員の夫がアメリカで感じていたことを書いたエッセイ、「life as an expat」シリーズの第3段です。


第1弾は「死なない程度の英語力」について、第2弾は「ペーパードライバーなのに日本の上司を乗せて運転した話」です。

今回は日米のビジネスにおける評価のされ方の違いについてです。

アメリカに来てとても新鮮だったのが、フィードバックの行われ方の違いです。ポジティブなフィードバックが頻繁に交わされているように感じます。”Thanks for the confirmation!”などがチャットで送られてきますし、口頭で言われることも多いです。

I also found some differences between Japan and US in the manner in which people provide feedback to others. I felt a lot of positive feedback is exchanged among US colleagues via e-mails, chats, and in-person. I got several messages, saying “Thanks for the confirmation!” via chats.

昇進した、という発表があればお祝いのメッセージが飛び交います。また業績評価も360度評価が組み込まれており、関係者から5人を選び、フィードバックを頂きます。

I often see a lot of “Congratulation” e-mails when somebody is promoted. To conduct performance evaluation, we, the employees are required to conduct a 360 evaluation with our peers and stakeholders. We are required to ask at least 5 colleagues for feedback.

私のマネジャーのUさんのフィードバックは、建設的で分かりやすく、来年も頑張ろうと、大変励みになっています。ネガティブな内容を伝える時も、メールで書かれることは非常に少なく、基本的に1:1などで口頭で行われることが多いです。

 For the year end performance review, I have a 1:1 meeting with my manager, U-san. I am always motivated by her constructive feedback, starting with positive feedback, listening carefully to what I have learned during the year and suggesting what I can learn or do more, by providing me with examples. In general, I rarely see negative messages in e-mails in US, probably because US colleagues provide that type of feedback in person.

日本ではどちらかというと、改善意識が高いためか、ここが出来て良かったということよりも、ここはもっと良く出来るはずだというフィードバックに、重きが置かれるように思います。また、相手への配慮から、少し曖昧に表現されることが多いように思います。

In Japan, we tend to spend less time to share what we did very well, but we focus more on the things what we could do better in future. This might originate from the “Kaizen” (translated as “change for the better”) perspective. Also, I felt that feedback tends to be on a high-context basis and not direct.




いかがでしたでしょうか?
この頃夫はエリン・メイヤー著「異文化理解力」という本を読んでいたそうです。

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相手に伝えたいメッセージが届くように、相手によって言い方を変えることはとても大事ですよね。
そのためにはどのようなやり方でコミュニケーションが取られているか、注意深く観察する必要があります。



私の場合はアメリカで先生をしているとき「3−5歳に通じるような英語」を喋る必要がありました。
そのため、できるだけ「5語以下」で話しかけていました。
あとは「大きな声」「明るく」「ハッキリと発音」です。


例えば大人相手ならかなりぶっきらぼうに聞こえる「Finish up!」「Line up!」なんていう言葉もよく使っていました。
そのかわり褒める時も短くダイレクトな言葉で褒めます。
「Thank you for having this for me!」「You did an awesome job!」



話がそれました。


アメリカの「いいところをポジティブに言うやり方」を日本に持ってきたら『いいことばかりしゃべってて信用できない』と思われるかもしれません。

逆に日本の「問題点を改善しよう!」という方法をアメリカに持ってくると『ネガティブなことばかり言う人だな。積極性がないな』と思われるかもしれません。



またアメリカでは「口頭で言ったことが意外と重要」ということがあります。
上のエッセイでも「ネガティブな改善点ほど口頭で言う」なんてことが書いてあったりします。
このようなエピソードを見るにつけ、「アメリカの人と仕事をするにはリスニング能力としゃべる能力、スピーキング能力がかなり問われる」と感じます。


とはいえスピーキング能力は場数がものをいう世界。
私の教室ではその前段階の、「相手の言っていることを聞き取るリスニング力」「自分の今の状況や思っていることを客観的に伝えられる文章力」を伸ばすためのレッスンを行っています。



この2つが合わさるとスピーキング能力向上に繋がっていきます。
焦らず「ご自分の能力でできていること」と「これから伸ばすべき能力」を分けて、愚直に伸ばすべき能力を上げていきましょう!
残念ながら近道はありませんが、1人で孤独に勉強するよりは楽しく続けられる環境をご提供します。



また次回のlife as an expatシリーズでお会いしましょう!

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