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三都物語

もうしばらく、関西と関西人ネタを。

関西の三都といえば、おそらく大阪・京都・神戸を思い浮かべる人が多い。
昔から雑誌などに関西の食べもの屋さんや旅の特集が掲載されるときには、決まって「大阪・京都・神戸」というタイトルや見出しが一括りの言葉かのように載った。

しかし関西の三都と呼ぶなら、歴史的には奈良・京都・大阪の方が正しい気がする。ところが多くの人は、大阪・京都・神戸と認識するようになった。
そして、そのきっかけとなったものにも思い当たる節がある。

若い人はご存知ないかもしれないけれど昔、JR西日本さんによる「三都物語」という、いかにもなキャッチコピーのキャンペーンがあった。
近年でいえば、JR東海さんの「そうだ 京都、行こう。」のようなものである。
当時、結構な頻度でテレビCMが流れていたので、記憶に残っている人も多いのではないかと思う。
このJRさんお得意のメディアを駆使したイメージ戦略により、関西の三都=大阪・京都・神戸という印象は刷り込まれ、定着した気がする。
さすが元国営大企業の力業である。

しかし、この大阪・京都・神戸という括りには、もう一つ気になる点がある。
大阪・京都・兵庫でないということは、正確には「大阪市・京都市・神戸市」のことを指すのだと思うけれど、これを「三都」と呼ぶのには、やはりぼくは違和感を覚える。

JRさん的には、「みやこ」でなく「三都市」のことなんですよ、(`・ω・´)キリッ
ってことだろうし、都に対する解釈の相違なんだとわかるけれど、三都物語という言葉から多くの人が想起するのは、やはりみやこの方だと思うのだけれど違うのかな。
つまり、これはJR西日本さんによる言葉のギミックでありミスリードなのではないか、と個人的には思っていたりする。
とはいえもちろん咎めるものでもなく、どちらかといえばJRさん、さすが商売が巧いなぁと、つくづく感服をしている。

それにしても、日本最古の都でありながら三都から除外された奈良県民の心中は、やはり察するに余りあるんだな。

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