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48歳の地図

※ こちらの内容は、ウェブサイト(現在は閉鎖)にて2016年~2019年に掲載したものを再投稿しています。内容等、現在とは異なる部分があります。ご了承ください。

よほどの資本力でもない限り、大きな投資が必要な店を1軒つくるよりも1/10程度の投資でつくれる店を10軒つくる方が時代的に合っていると考えるのに、投資額もリスクも大きくなる体育館のようなお店、フランス料理のファミレスをいつかつくりたいと未だにぼくは思っている。
どうしてこの矛盾する考えが共存しているのか端的に書けば、ほぼ感情論でしかない。

ファミレスからはじまり、その後30年の間にぼくに大きな影響を与えたお店は、ジャンルや芸風こそ違えど大箱、多くのお客さん、そしてそれによって生まれる心地よい喧騒という共通点があり、ぼくが18歳のときに思い描いたものを具現化したようなお店ばかりだった。
そう思うとぼくがいつかやりたいお店というのは多少業態の変遷はあるけれど、18歳のときに決まっていた気がする。
そういえばこのファミレスネタを書きはじめるきっかけになった「青春の1ページ」の中でも、ぼくは男の中身なんて基本的には18、19歳で止まっていると思っているので・・・と書いていたけれど、我ながら本当にその通りだと思う。

それでも、こんなぼくも30年間何も考えずに生きてきたわけでもない。
あのころと同じ無邪気な思いでも、あのころにはなかった視点が少しはある。
以前ブログの中で「パン屋さんの生産性は、厨房の広さに比例する」と書いたことがあるけれど、これはパン屋さんに限った話でもない。
どんな事業でも規模によるスケールメリットはあるはずで、基本的に効率は良くなる。
大きくなることで変動費が増加しても比例して固定費は増えるものでもないから、例えば20席の店をスタッフ3人で回していたとして、その店が60席になったからといって9人のスタッフが必要になるわけでもない。
また、設備投資を考えても60席の店をするために20席の店の3倍必要かといえば、そんなこともない。
無論リスクも高くなるけれどリスクなしにリターンを望むなどあり得ないし、規模の拡大によるメリットは多々あると個人的には考える。
とはいえ、結局ぼくの考えていることは、やはり18歳のときとほとんど変わっていない気がする。



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