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様式美〜熟成されて生まれるものが美しい。

中学生の頃になんとなく仲間と始めたバンドでギターを弾くようになった。音楽は何かしら聞いてはいたけどまさか自分がやることになるとは思っていなかった。それほど意思の強い子供でもなかったし。なんというか、意思が強いというよりは何かに固執する性格だったように思う。今もその面影は十分に残っていて、最近になってそのことが自分を苦しめている原因の一つと気づいたので、少し矯正中。
最初は仲間が好きな音楽をなんとなく弾いていて楽しいのか楽しくないのかよくわからなかった。仲間と一緒にいて、ギターを弾いている、というだけだった。そのうちギターを弾いている自分が嬉しくなってきて、嗜好が少しずつ出てきたところでヘビメタにハマることに。早弾きしたいギターキッズ御用達のYOUNG GUITARという雑誌を毎月熟読するようになった。ただ、それこそ意志が弱いからなのか練習は雑誌からフレーズを拾ってパラパラと弾いてみるだけ。結局、その頃早く弾けるようにはならなかった。

でも大学に入ってすぐ、軽音楽部に所属することになり(これまたなんとなくだが、、)そこでいろんな音楽に出会うことになる。最初はヘビメタをコピーして下手くそなりに髪を肩まで伸ばし頭を振りながらギターをかき鳴らしていた。速く弾かなくてもかっこいい音楽がたくさんあることに気づかされ、そして、音と音が絶妙に重なり合って、心まで通じたような感覚を感じさせてもらう体験をたくさんするようになった。このことは本当に感謝しきれない貴重な経験をさせてもらった。
仲間と音楽をやることが本当に楽しかった。一番幸せを感じていた時の一つにあげられる我が人生の時間である。

この頃は下手くそなりに仲間や観客とつながって幸せを感じていた。そうするうちに大学生生活も終わり音楽どっぷりの生活からは離れていくことになる。

そして何年もの時が経ち今に至るわけであるが、20年以上もたった今、速弾きができるようになりたいと切に思ったのである。

ギターを速く弾くというのはいうまでもなくそう簡単にはできない。そこそこ弾けたとしても音楽としての情緒を表現するに至るには相当な鍛錬が必要である。

世の中には十分に時間をかけて練り込まれ作り込まれ、丹精込められた美しいものが少なからず存在する。音楽の世界しかり、絵画であったり、伝統的な工芸や文化、自分が知らないものがたくさんあるのだろう。最近はネットワークの発展のおかげでそういったものに触れる機会を得るのが昔よりも随分容易になった。本当にありがたい話である。そんな中で、なんとなくネットサーフをしていても心の琴線に引っかかるものにやたらと出会うようになった。おそらく、心が動く閾値みたいなものは下がってはいないとは思うのだが、YouTubeでふと出会った作品に目頭が熱くなったりするのである。

楽しそうに若い女性がピアノを毎日のように弾いて動画をアップしていたりするのだが、その演奏が実に素晴らしい。
また、ネットで見つけた女性バンドグループは”we play HevyMetal!”と叫んでなんと美しいメタルサウンドを提供しているではないか。しかも、ライブのパフォーマンスが素晴らしい。レコーディングと遜色なし、ライブとしてのインクルージョンも満足度が高い。
そう、丹精込められた様式美とでもいうものが世の中には数多く存在するのである。若くして表現している人もいれば、年配の方で新たにチャレンジする人もいたり。年齢層も様々。
アニメでも、エヴァンゲリオンの完結編や、鬼滅の刃、最近だと息子につられてみている呪術廻戦。製作者の皆さんの並々ならぬ丹精を感じてどれも震わされる。

もういてもたってもいられなくなってしまったのである。

そして、イングヴェイマルムスティーン FarBeyondTheSun。
私はこれにしようと決めた。知る人ぞ知る名曲にして難曲。
まずは1年間、こつこつと丹精込めて鍛錬に励みたいと思う。
(既に3ヶ月ほどたったので来年の春を目標に。)
自分が”様式美”と感じるものを”熟成”し表現してみたくなったのである。

1年じゃ厳しいかな〜(^^;;
おわり。

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