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我、鳥瞰するも未だ天空を知らず

今日は久々のノンフィクション「超絶くそ野郎の流儀」を投稿しようかな。

※「超絶くそ野郎の流儀」は普段と違って、活字多めです。

さて、今回も訳の分からぬ題名を付けたのだが…。俯瞰(ふかん)という言葉は良く聞くが、鳥瞰(ちょうかん)という言葉は日常的に使われないね。その名のとおり、鳥の視点になって上空から下を見渡すことかな。


一度は鳥になって空を飛んでみたいと思ったことがある人って、結構いると思うんだよな。

「翼をください」なんて歌を、義務教育の合唱で歌ったことあるんじゃないかな?


僕も子供の頃に本気で空を飛びたいと思ったことがある。

そして驚いたことに、ついこの間も飛びたくなったのだ。


その日、仕事の関係で ある得意先の駐車場に居た。

駐車場に植えられた太い大木の下にいたところ、やられたのだ。

カラスのヤツに糞をかけられた。

僕は腹が立って、石でも投げてやろうかと思ったが、ここはお得意先の駐車場。

怒りを抑えて石を投げる振りをしたら、カラスのヤツは飛んでいった。


ああ!飛んで追いかけて、超上空からカカト落としをくらわしてやりたい!これでは本当に超絶野郎じゃないか!(はい、そうです。ただ言いたいだけです)


そうして、得意先の駐車場で妄想を始めたのである。(迷惑な話だな)

僕は大木の下で何カットも、先ほどのカラスに上空からのカカト落としを食らわせた。

妄想を続けていると、いつの間にかカラスに対する怒りは消えて、僕は海を目指して飛び始めたのだ。(何度もいう。ここは得意先の駐車場)


ううむ。上空の見晴らしは素晴らしい。全身を心地の良い風がすり抜ける。


ここまで来ると仕事も得意先も、どうでも良くなってきたのだ。

ああ。我はイカロスの如く太陽に この身を捧げても構わない!さらに高く、高く。天空に到達する。


「あの いつもさん、いつもさん」


ん?誰だ。うるさい!


「いつもさん ってば。聞いてます?」


おのれ!この静寂の天空に水を差すヤツは誰だ!


お得意先様:「ボールペン!忘れてますよ」


!!


我、及び天空のイカロス:「は、はい!すいません」


こうして人のちょっとした優しさに触れながら、ネットリとしたカラスの糞を公園の水道で洗い流す。そして、ふと思うのである。


果たして天空は本当に気持ちのいいものなのか、と。


-おしまい-

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