止まない吹雪がここにある

3月の札幌の道は空よりも自分の心を映しているように毎年思う。

3月の頭に国公立大学前期試験の合格発表があった数日後、その年の最後に与えられたチャンスを掴む機会がある。

3年連続で3月の11日に札幌に入り、試験場を確認して北海道神宮頓宮にお参りして、もうあと何をしたらいいかわからないのに、何かはしなければならないと焦り、冬の寒さが与える物悲しさと、2月末よりも少しだけ暖かく感じる春の近づきを告る風がもたらす心淋しさ、もう後がない恐怖、投げやりになりそうな狂気、前期よりも受験生が減り北大生が目立つ札幌の街にわけもわからず心が張り裂けそうで流れてこない涙がなぜだか止まらない。

今年は早朝便で千歳に着き、いつものヨドバシのマックで朝ごはんを済ませるついでに気休めばかりの英文を読んだ。
午後になりホテルのチェックインができるまで札幌の街に投げ出されたわけだが、毎年後期試験の時に感じる雪解けの薄汚い気分がちゃんと今年も自分の中に一対一に存在することが、安心する。

今まで、何にも祈らずに自分が出せるものを出してやれば大丈夫で、駄目なら自分の実力が足りないからだと理由付けてきたが、もうそれは終わりだ。

今回が最後。

誰であろうと何であろうと構わない。
どうか私に力をください。強くなりたい。
ここで成したいことが自分にはある。
私に足りない後一歩を貸してくれ。
いつか絶対に借りた一歩を何百、何万、何億にして返すから。

どうか明日だけでも自分に力をください。
あの時夢見た景色を見させてください。
この壁を超えた先を教えてください。

ここにい続ける理由をください。

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