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比較級や最上級などの中学英語の英文法

この記事では、中学英語の比較表現について、土台となる考え方やテストで狙われるポイントを分かりやすい例を用いながら解説していきます。

中学校の予習や復習、高校受験の前の確認、中学英語の学び直しに無料で読んで頂けます。

英語で「比較」というと、「比較級、最上級、原級」の3タイプがあります。

それぞれについて、基本となる考え方を説明します。

比較級

まず、例文から見てください。


He is taller than Tom.
「彼はトムよりも背が高い」


比較級という考え方は比べるという考え方です。

<STEP1>
何と何を比べているのかということに注意します。

まず、日本語を見てください。「彼」と「トム」を比べて、「より」という言い方をしています。このことから、「彼」と「トム」を比べているということが分かります。

<STEP2>
どういう内容について比べているのかに注意します。

tall(背が高い)ということについて比べているということが読み取れます。

<まとめ>
「彼は背が高い(He is tall)」ということと、「トムは背が高い(Tom is tall)」という内容を比べて、「彼の方がトムよりも背が高い」ということを結論づけたいときにいう言い方が比較級です。

than「~よりも」という単語は接続詞で、文と文をつなぎます。

そのまま、2つの文をつないでみます。

「He is tall」than 「Tom is tall」.

ここで、英語の言い回しを覚える必要があります。

比較級を使うときは、「形容詞や副詞」を比較級の形に変えて使うということと、thanの前の文と共通する部分は省略するということをします。

比較級の形は、後でくわしく説明するので、とりあえずはerをつけるとだけ知っておいてください。

tall(背が高い)という形容詞にerをつけてtallerにします。

thanの前後で、「is tall」の部分が共通する部分なので、thanよりも後ろでは省略します。

よって、「He is taller than Tom.」となります。

※thanの後ろを主格にしました。主格どうしを比べているときには主格、目的格どうしを比べているときは目的格になるのですが、中学英語では、主格どうしの比較しか出てこないので、主格と覚えておくと大丈夫です。

今、形容詞のtall(背が高い)について、比較級の文を書きましたが、副詞fast(速く)についての比較級の例文も紹介します。

He runs fast.
「彼は速く走る。」

I run fast.
「私は速く走る。」

He(彼は)とI(私は)を比べて、彼の方が速く走るという文を書きます。

He runs faster then I.
「彼は私よりも速く走る。」

thanの後ろの部分で、前の内容と共通の語句を省略して書きます。

<比較級の形>

表にしておきます。

この表の内容をくわしく見ていきます。

形容詞や副詞を比較級の形にするには、「ほとんどの語はerをつける」ということで大丈夫です。

少しややこしいものを以下にまとめます。

<eで終わる語>
このタイプは「rのみをつける」ということをします。

例:large → larger

<短母音 + 子音字で終わる>
「子音字を重ねてerをつける」ということをします。

例:big → bigger

ここで、短母音について説明しておきます。

音を伸ばしたり重ねたりせずに「ア・イ・ウ・エ・オ」と読む母音のことです。

単に母音「a・i・u・e・o」のスペルがあるだけではなく、短母音のときに子音字(a・i・u・e・o以外)を重ねます。

<子音字 + yで終わる>
「yをiにかえてerをつける」ということをします。

例:early → earlier

ここまでで、比較級の基本的な内容が完了しました。次に最上級について説明します。

最上級

最上級は、ある集団(集合)の中で「一番形容詞だ、一番副詞だ」ということを表す言い方です。

まず、次の例文を見てください。


He is the tallest in his class.
「彼はクラスの中で一番背が高い。」


ある集団(集合)を表している語句が、「in his class(クラスの中で)」。同じクラスの生徒たちの中で、一番背が高いのが彼ということを表しています。

「the + 最上級の形」が基本になります。最上級の形は後でまとめます。とりあえずは、形容詞や副詞にestをつけるということを覚えておいてください。

この最上級で、ある集団(集合)を表す語句には2つのパターンがあります。


①「in ~」
このinは「~の中で」という意味で、「比べている場所や範囲」を表します。inの後ろには単数の名詞がくる可能性が高いです。


次のパターンです。


②「of ~」
このofは「~のうちで」という意味で、「後ろの~の部分に複数形の名詞」が置かれます。


たとえば、次のように「of」を使います。

He is the tallest of the four.
「彼は4人のうちで一番背が高い。」

<最上級の形>

表の内容を説明していきます。

形容詞や副詞を最上級の形にするには、「ほとんどの語はestをつける」ということで大丈夫です。
※比較級とちがい、形容詞や副詞の前にtheをつけます。

先ほどの例文の「the tallest」がこのタイプです。少しややこしいものを以下にまとめます。

<eで終わる語>
このタイプは「stのみをつける」ということをします。

例:large → largest

<短母音 + 子音字で終わる>
「子音字を重ねてestをつける」ということをします。

例:big → biggest

<子音字 + yで終わる>
「yをiにかえてestをつける」ということをします。

例:early → earliest

ここまでで、最上級の基本的な内容が完了しました。次に最上級の注意点について説明します。

副詞を最上級にするときに、theがつかないことがある。

She gets up early.
「彼女は早く起きます。」

このearly(早く)は副詞です。「in her family(彼女の家族の中で)」と比べる範囲をつけて最上級にします。

She gets up earliest in her family.
「彼女は家族の中で一番早く起きます。」

※このtheを省略せずに使われている文を目にするときもあります。

She gets up the earliest in her family.

基本的に自分がライティングをするときには、theをつけないと覚えておくと良いかと思います。

moreとmost

ここまでで、比較級と最上級の基本的な内容を説明してきました。

ややこしいですが、比較級・最上級の形で、先ほどとちがってmoreやmostを前に書き、形容詞(副詞)の形が変わらないものがあります。※最上級のときには、theをつけます。

「2音節以上の比較的長い語で語尾が-ful,-ing,-ousなど」のタイプはmoreやmostをつけるタイプです。

useful → more useful
interesting → more interesting
famous → more famous

useful(役に立つ)、interesting(おもしろい)、famous(有名な)は、前にmoreやmostをつけるだけで、その語にはerやestをつけないタイプになります。

This book is the most intesresting of all.
「この本はすべてのうちで一番おもしろい。」

最上級の例ですが、この「of all(すべてのうちで)」は覚えておいてください。

最上級で比べる集団(集合)を表す語句としてofを使う言い方としてよく出題されます。

後、上で書いた「2音節以上の比較的長い語で語尾が-ful,-ing,-ousなど」のタイプはmoreやmostをつけるタイプの例外として副詞「slowly(遅く/ゆっくりと)」があります。

slowly → more slowly, most slowly

として使います。

不規則変化

-er,-estやmore,mostとちがう不規則な形で比較級・最上級を表すものがあります。

good(良い),well(上手に),many(多い),much(たくさん),bad(悪い),little(少ない)です。

比較級、最上級の順にまとめます。


good, well → better, best
many, much → more, most
bad → worse, worst
little → less, least


more、mostは先ほどの「長い語の前につけるmoreやmost」とややこしいので例文を書いておきます。

He has many books.
「彼は多くの本を持っています。」

この文を比較級にします。形容詞many(多くの)の変化に注目してください。

He has more books than I.
「彼は私よりも多くの本を持っている。」

He has the most books in his class.
「彼はクラスで一番多くの本を持っている。」

原級比較

ここから原級比較「as 原級 as~」について説明していきます。

この表現は、2つのものを比べたときに、形容詞や副詞が表す様子や状態の程度が同じということを表します。

大学受験まで通用する「as 原級 as ~」正確な文法内容ですが、前のasは副詞で「後ろのasと同じ程度」という意味を表します。

後ろのasは接続詞のasで、比べている人やモノの内容を表しています。

分かりやすい例で見てみましょう。

He is tall.
「彼は背が高い。」

I am tall.
「私は背が高い。」

tall(背が高い)ということに関して、He(彼は)とI(私は)を比べたときに、明らかに差があれば比較級を使います。

これが、この記事のはじめの方で書いた内容でした。

比べたときに、同じ程度のときに、「as 原級 as ~」を使います。

He is as tall as I.
「彼は私と同じくらい背が高い。」

原級は、形容詞や副詞をそのままの形で2つのasの間に置きます。

英語の内容を把握するときに、否定文のとき、訳は「後ろのas以下ほど~ではない」となります。

He is not as tall as I.
「彼は私ほど背が高くない。」

今度は、副詞を使った「as 原級 as」の例文です。

She plays tennis well.
「彼女は上手にテニスをします。」

He plays tennis well.
「彼は上手にテニスをします。」

well(上手に)という副詞に関して、同じ程度だと、次の文になります。

She plays tennis as well as he.
「彼女は彼と同じくらい上手にテニスをします。」

ちなみに、否定文にするときは、一般動詞を使っているときは、don'tを使います。

3単現のsがつくときは、doesn'tを使います。

She doesn't play tennis as well as he.
「彼女は彼ほどテニスが上手ではありません。」

<代名詞のone>

比較の英語で、代名詞のoneに注意です。数詞のoneは「1」ですが、代名詞のoneは、同じ文ですでに使われている名詞を表します。

This box is as big as that one.
「この箱は、あの箱と同じくらい大きい。」

that one のoneは、すでに同じ文で使われているboxという名詞を表しています。

複数形のときは、onesになります。

These boxes are as big as those ones.
「これらの箱は、あれらの箱と同じくらい大きい。」

those ones のonesはbosesという名詞の複数形を表しています。

比較級のときにもこの代名詞oneは出てきます。

This box is bigger than that one.
「この箱はあの箱よりも大きい。」

これで、中学英語の比較に関する土台となる内容を通りました。後は、語彙力などを増やしながら理解したことを実践していくことが大切です。学校で使っている問題集などで練習すると、さらに効果があるかと思います。

次の内容は、比較についての実践練習です。

<問題1>


次の文の( )内の語を正しい形になおしてください。
He is (tall) than his mother.


(考え方)
この問題を見たときに、すぐに「比較」についての文法内容と気がつくことが大切になります。「どうして気がつくのか?」というと、than(~よりも)という語があるからです。

これは、比較級を表す文で使われる語です。

<問題1の解説>
まず答えから書きます。

答えはtallerです。

①考え方としては、thanがあるから比較級の文
②tallという形容詞が原級のまま

①と②のことを意識すると、「形容詞のtallを比較級の形になおす」ことが必要だと分かります。

以前の記事で書きました比較級の作り方から、「-er」をつければ良いということになります。

このように考えてtallerが答えになります。

He is (taller) than his mother.
「彼は自分のお母さんよりも背が高い。」

この<問題1>では、形容詞を比較級になおす問題でした。

他のタイプの問題もやってみます。

<問題2>


次の文の( )内の語を正しい形になおしてください。
At first she walked (fast) than anyone else.


(考え方)
この問題の嫌なところは、修飾語句のために文が長くなって見えづらいことです。

At first「はじめに(はじめのうちは)」という修飾語句を取り除いてみると、副詞を比較級になおす問題とわかります。

この at first は熟語で、意味を覚えておく必要があります。よく文のはじめに置かれ、「はじめに」の意味になります。

<問題2の解説>
答えはfasterです。
she walked (faster) than anyone else.

「anyone else「他の誰か」よりもfast(速く)walked(歩いた)」ということです。

中1のころに習った一般動詞「walk(歩く)」について、「速く歩く」と動詞の様子を修飾する副詞fast(速く)がからんでいます。この副詞は、一般動詞の後ろに置かれ、 walk fast で「速く歩く」という意味になります。

この歩く「速さ」の程度が、anyone else(他の誰か)と比べて「速い」ということを表したいので、副詞を比較級の形にします。

At first she walked (fast) than anyone else.
「はじめのうちは、彼女は他の誰よりも速く歩いた」

ここから、高校受験などに向けて、比較をさらに練習するための問題になります。

▼内容目次
 ①原級比較の英作文
 ②比較級・最上級の英作文


それでは、ここからさらに練習問題を扱っていきます。


[①原級比較の英作文]
(1)私たちの先生は私の父と同じ年齢です。
(2)彼の自転車は私の自転車ほど新しくありません。


(考え方)
何と何を比べているのかを確認します。同じくらいなので原級比較の「as 原形 as」を使うことが分かります。

(2)のように「ほど~ではありません」のときは、notを入れて否定文の原級比較です。

<(1)の解説>
文の主語は「私たちの先生」でOur teacherです。比較するのは、「私の父」なので後ろのasの後ろにmy fatherを置きます。

年齢についての比べるときは、形容詞のoldを使います。形容詞oldは原級のまま2つのasではさみます。

これらのことをまとめて、答えの英文です。

Our teacher is as old as my father.
「私たちの先生は私の父と同じ年齢です。」

<(2)の解説>
文の主語は「彼の自転車」でHis bicycleです。
※His bikeでも大丈夫です。

比較するのは「私の自転車」です。ここで、すでに自転車という名詞が登場しています。

このすでに登場している名詞に「私の」とついたら所有代名詞mineと書きます。

英語の習慣で手っ取り早い言い方をするのに慣れることが必要です。
※所有代名詞はyours(あなたのもの)、his(彼のもの)、hers(彼女のもの)などがあります。今回は「私の自転車」なのでmine(私のもの)が適していると判断をします。

説明が長くなりましたが、後ろのasの後ろに比較するものを置くので、その位置にmineを置きます。

「新しい(new)」という形容詞について比較をして、同じ程度ではないということなので、

not as new as だと判断します。

これらをまとめると、答えの英文になります。

His bicycle is not as new as mine.
「彼の自転車は私の自転車ほど新しくありません。」

この所有代名詞mineを使うことなどは、ライティングの実践を経験しておかないと、授業の解説を聞いているだけではなかなか思いつかないかと思われます。

英語に限らず、土台となる基礎を理解し、問題を解いて実践することが大切になります。

先ほどは、原級比較だけでしたが、ここからは比較級と最上級のライティングをしていきます。


[②比較級・最上級の英作文]
(1)私の父の車は私の兄の車よりも大きい。
(2)この鉛筆は3本の中で最も長い。
(3)私の父は家族の中で最も背が高い。


(考え方)
(1)は「大きい(big)」について比べて、「より大きい」なので比較級の文です。(2)と(3)は「最も」ということで、一番の意味を出す最上級の文です。

<(1)の解説>
(1)の主語は「My father's car」です。すでに車という名詞が出てきて、その後で車が再び来るので、先ほど解説した所有代名詞を使いたいところです。

ここで、戸惑うのは、my brother(私の兄の)車ということです。

brotherの場合は、所有代名詞「~のもの」という形は何かというと、所有格のときと同じでアポストロフィーエス「's」となります。

そのため、my brother's で「私の兄の車」という意味になります。

bigの比較級は、「短母音 + 子音字」のタイプなので、子音字を重ねてerとなりますので、biggerです。

以上の内容をまとめると、答えの英文になります。

My fater's car is bigger than my brother's.
「私の父の車は私の兄の車よりも大きい。」

<(2)の解説>
最上級の文を作りたいのですが、範囲を表すinではなく、「複数のうちの」という意味をもつofを使うのがポイントです。

「3本の中で」という意味にしたいので、of the three を使います。

This pencil is the longest of the three.
「この鉛筆は3本の中で最も長い。」

<(3)の解説>
この最上級の文では、「家族の中で」という範囲を表すinを使います。基本的に、このinの後ろは単数になります。

My father is the tallest in my family.
「私の父は家族の中で最も背が高い。」

この単数の家族(family)という範囲の中で一番背が高いということなのでinを使うという判断が大切になります。

最後に、moreやmostを使うタイプの英作文を1つ扱います。


[問題]
こちらは、この市で最も美しい所です。


(考え方)
この英作文で、形容詞beautiful(美しい)はmoreやmostを使うタイプのものです。

主語は「こちらは」なので、This にします。

最上級があり、長いので、文の骨格だけを書くと、「ここは、所(place)です。」となります。

ですので、This is place.という骨組みが分かります。

このplaceを修飾して、「最も美しい所」という意味にするために、形容詞のbeautifulを最上級にして前につけ加えます。

「the most beautiful place」となります。

さらに、範囲を表す「この市で」を文の最後に「in this city」と付ければ完成です。

では、答えの文です。

This is the most beautiful city in this city.
「こちらは、この市で最も美しい所です。」

[おまけの構文]
最上級を使ったテストでよく出る構文です。

S is one of the 最上級 + 名詞 in ~.
「Sは~において最も・・・な名詞です。」

[例]

Kyoto is one of the most beautiful city in Japan.
「京都は日本で最も美しい都市の1つです。」

これで、実践問題とその解説を終了します。

最後に

比較のような各文法単元は、基本5文型の理解と合わせると、より強力になります。

一般法則である英文法を理解して、それを使って個々の事柄を明らかにしていくという考え方で勉強をしていくと、大体うまくいきます。

この考え方は、17世紀にデカルトが用いて自然科学を大きく前進させた演繹法(えんえきほう)です。

基本5文型を一般法則として、それぞれの英文を眺めてみるのも良いかと思います。次のnote記事に、それぞれの文型について書いた記事たちをまとめています。


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