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【完全版】目黒高校 ivote出前授業ルポ

はじめに


こんにちは!学生団体ivoteです。
4月某日、私たちは都立の「目黒高校」様にて主権者教育事業をやらせていただきました。
その時の様子から私たちがこだわっているポイントまで、この記事では具体的に解説していきます。

なんと言っても、主権者教育事業(模擬選挙出前授業)はivoteのメイン事業です!

ぜひivoteの活動に興味がある場合は、最後まで読んで下さると嬉しいです。

出前授業初参加!ivoteメンバー荒川さんのレポ

事前に出前授業に参加してくれたivoteメンバーの荒川さんがレポートを書いてくださいましたので、ご紹介します。⤵︎ ︎


模擬選挙に参加するのは初めてだったのですが、今後の活動の勉強になると思い、同行させていただきました。

まず到着して驚いたことは、実際の投票会場と同じ環境が用意されていたことです。

ご覧の様に実際の投票会場に近い環境が用意されており、大変感銘を受けました。
これのおかげで投票の流れが分かりやすく伝わり、実際に投票に行く際も戸惑うことはないだろうと思いました。
私も中学、高校時代にこういった授業を受けてみたかったな〜と感じています。

授業は、(1.ivote代表丹羽さんの講話→2.候補者演説→3.生徒同士の意見交換→4.目黒区選管さんの講話→5.模擬投票→6.開票・ivoteの講話)という形で進みました。

1.代表丹羽さんは、主にSDGs・ジェンダーを内容とする講話を行いました

SDGs・ジェンダーについて大変簡潔に説明してくださり、自分の勉強にもなりました。

スライド内では数字やグラフ等を用いており、視覚から情報が入ってくるのでとても理解しやすかったです。

2.候補者演説

今回の候補者演説は、現場で演説する形ではなく、事前に録画したものを流す形で行われました。
私は、学校で演説をする形式を見たことがないので比較はできないのですが、候補者の表情がよく見え落ち着いて演説をすることができるという点が、録画のメリットだと感じました。

一方、実際に学校で候補者演説をする方が臨場感は出るのではないかと考えております。それぞれに良し悪しがあるため、環境に合わせて臨機応変に使い分けをする必要があると思います。

候補者として演説をしてくださった方々は、ポイントが分かりやすい話し方でとても良かったです。また政策も画期的なものが多く、その点も魅力的でした。

3.生徒同士の意見交換
候補者演説を踏まえた上で、生徒同士が政策についての意見交換をしました。生徒の方々は事前に配布された政策まとめの用紙を元に、自分の経験等を交えながら意見交換をしていました。
生徒同士で政治の話をするのはとても貴重な経験になったと思います。

4.目黒区選管さんの講話
目黒区選管さんは、具体的な投票の流れや選挙のルール等をお話ししてくださりました。赤と青のファイルを使ってクイズを行う等、生徒が主体的に参加できる形になっており、生徒さん自身も楽しんで参加している様でした。

5.模擬投票

候補者演説・意見交換を踏まえ、実際に生徒が投票を行いました。
名簿→投票用紙交付→投票記載→投票という形で実際の投票と同じ流れで進みました。
17・18歳の段階で投票の練習ができたという点で、大変意義のあるものだと考えています。

6.開票・ivoteの講話
最後に模擬投票の開票とそれを踏まえてivoteがお話をしました。

都立目黒高校 出前授業まとめ
都立目黒高校の出前授業に同行させていただき、主権者教育の重要性に改めて気がつきました。投票のやり方が分からないから行かないという声もある中で、授業を通して投票の方法を学んでもらうというのは、若者と政治のキョリを近づけるための1つの手段であると思います。このような少しの積み重ねが、問題解決のきっかけになるはずです。

自分たちは日本をこんな国にしていきたいんだ』と、より多くの人が意志を持って投票にいくような社会になっていけば良いなと思います。
私は、今回の模擬選挙から多くのことを学ばせていただきました。この経験を今後の主権者教育に活かせるよう頑張りたいです。


荒川さんのレポートありがとうございました!
こだわりを紹介していこうと思います。

①講話のこだわり


今回講話を担当された丹羽さんに講話に対するこだわりを教えてもらいます!


主権者教育の出前授業の中で、講話として生徒の皆さんにお話しすることの意義は、ひとつには模擬選挙に際して必要な知識を得てもらうことで、話し合いや選択にきちんと向き合ってもらえるようにするということです。

けれども、私が講話にあたって自らに課している最たることは、この授業が終わったあとの生徒さんたちが、日常の中で自らを取り巻く課題や社会問題に気づくためのいとぐちや或いは道具を提供すること、です。

今回の講話のテーマは「SDGsについて考える」。SDGsと、そこから敷衍してジェンダー平等について扱いました。

話の中で伝えたかったことを挙げればきりがありませんが、あえて絞っていうならば、まずひとつはSDGsは「未来の世界の骨格」だということです。この言葉は蟹江氏の著書からの引用ですが、SDGsが単なる国際的な取り決めではなく、地球の未来にあるべき姿を実現しようと描いたヴィジョンで、私たち一人ひとりが主体として係わることが期待されているのだとお話ししました。

もうひとつ、ジェンダー平等の本質は「個人の持つ権利や責任が、その人の性にかんするあり方で決められてしまわない」ことを重大なメッセージとしてこめました。

いかにも「女性の問題」にとどめて捉えられるきらいのあるトピックですが、男性もまた決めつけの対象となっていること、それから従来ふつうとされてきた属性と異なるSOGIをもつ人々を包摂しきれていない現状などをふまえ、ジェンダー平等はすべての人にかかわる問題であることに気づいてもらうことも、今回のポイントでした。(なおSOGIの概念についても、生徒さんたちからは反響が大きく、このように社会をとらえるための新たな枠組みを知ってもらうことも重要だと考えます)

こうして具体的なテーマを素材にお話しする中で、SDGsの趣旨やジェンダー問題の本質について新たに得る知識が、この100分の授業・これら個別のトピックの枠を超えて、日常の中で社会問題をみつけ、自分を取り巻く課題を社会・政治と結びつけるためのツールになること。冒頭述べたようにそんな思いを、私は講話に乗せて生徒さんの前に立ちました。

②政策へのこだわり

模擬選挙では毎週、
毎週ivote内で行われる定例会議で学生の視点で政策の深堀をしています。
実際に今回の目黒高校ではこのような政策を立てました。


候補者①
・管理職における女性の割合を引き上げる
・男性が育児や家事に積極的に参加できる環境を作る
候補者②
・男女別定員制の撤廃
・学校でのジェンダーバイアスの是正
候補者③
・SOGIハラスメント禁止の条例施行
・オールジェンダートイレの設置


③生徒さんからの反応


出前授業終了後、私たちは生徒の皆さんに必ず事後アンケートを取っています。
実際の生徒さんの声を一部紹介させていただきます。

Q2から4つQ3 から3つ+
これらから踏まえた感想の記入(100字程度)をお願いします
Q 今回のテーマ「SDGs」「ジェンダー」についてあなたのかんがえをおきかせくだい。今回のテーマに限らず、あなたにとっての理想の社会像も考えてみてください。

「ジェンダーの議論を国会でしていても、結果的に女性は少ないから意味ないと思っていたけれど、私達が変えていけばいいんだと思った。」

「SDGsに対して関わることが多いけど、自分が知らないことはまだ多く、家族や周りの人も理解が不十分なところがあると思う。これからジェンダーのことももっと『対話』を重ねていき、より『個人』が尊重される社会にしていきたい。」

「難しいことにチャレンジして失敗してもその受け皿があって、また挑戦できる社会」

「僕はLGBTQの人たちが過ごしやすい世の中になってほしいなと思います。自分自身、すごくそういった性的マイノリティの方について関心があるというか、周りにも何人かいたりもするので、こういう人たちにちゃんとスポットライトを当ててほしいです」

Q 模擬選挙でいちばん印象に残った政策を教えてください。それはなぜですか?

「オールジェンダートイレの設置:保健の発表の際、セクシュアリティについてをテーマとして取り組んだ際、トイレについての問題を知り、また知人にも困っている人がいるため。」

「男女定員撤廃:今までそんなに気にしていなかったが、思い返すと高校受験の時志望を下げていたが、もしなければ上の学校に行けていたのかなと思ったから」

「管理職の女性の割合を増やす:管理職には無意識に男性のイメージがあったから」

SDGsもジェンダーもこの頃よく話題になるトピックで身近にとらえてくれている生徒さんが多かった印象。また身近な経験をからめてくれていたり、外側からでなく、テーマの中に自分を位置付けてくれている方がいるのは嬉しいことです。

模擬選挙についても、個々の具体的な政策を通じて問題とのかかわり方を見つけてくれている声があって、単なる“投票の体験”以上の意義が模擬選挙にはあるなと痛感します。

これを読んで、「ぜひivoteと一緒に主権者教育を作ってみたい!」「活動内容に興味ある!」と感じてくれた方はこちらのお問い合わせフォームからご連絡ください。
引き続きivoteをよろしくお願いいたします!


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