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イングリッシュ・ナショナル・バレエ『ジゼル』

イングリッシュ・ナショナル・バレエの『ジゼル』が斬新で面白いと聞いて、わたし、バレエ初心者なのですが、行ってきました。ロンドンまで15時間、優雅な空の旅でしたね^^

……そんなわけはないのである。いち庶民が海外のバレエを観るのって、そこそこハードルが高い。しかし、庶民には映画がある。イングリッシュ・ナショナル・バレエによる『ジゼル』が、映画として先月末から全国各地で上映されていて、それを観に行ってきたのだ。

ナマのバレエの舞台を観たこともなく、知識もほとんどない。山岸凉子の『アラベスク』はすごく好きだけど……という程度のわたしが、果たして2時間、退屈せずに楽しめるものだろうか……と一抹の不安を抱えていたのだが、めちゃめちゃ楽しめた。

まず、ダンサーの身体能力だ。人間業じゃない振り付けにくわえ、圧倒的なスタミナに驚愕した。人間ってこんなに長く踊り続けられるものなのか。酸欠で死んじゃうんじゃないかと思うほど、ハードな動きだ。これがプロのバレエダンサーの実力か。すごいー。

また、今回の『ジゼル』は今までにない斬新な解釈がなされているらしい。正直オリジナルを観たことがないのでわたしにはどの程度斬新なのか分からないが、ある程度バレエの知識をもった人のあいだでは、すごく評判になっているらしい。

『ジゼル』というのはバレエの世界においては古典の代表のようなもので、村娘のジゼルと、貴族の若者アルブレヒトの恋を描いた作品。アルブレヒトに嫉妬した村の青年ヒラリオンの妨害によって、ふたりは引き離される。アルブレヒトにはじつは婚約者がいたのだった。ジゼルは悲しみの淵で命を落とす。

死したジゼルは精霊たちの仲間へ迎え入れられることとなる。精霊たちはジゼルの無念を晴らすため、村の青年ヒラリオンを呪い殺し、そののちアルブレヒトをも捕らえるが、ジゼルはアルブレヒトを心の底から憎むことができず、消えてゆく。

古典的な『ジゼル』は、概ねこういった物語なのであるが、今回の公演では、大枠はそのままで、ジゼルは移民の貧困層の労働者、舞台は工場となり、現代的アレンジが施されている。

さっきも言ったように、わたしは初心者なのでそのアレンジがどこまですごいのかわからないが、そういうことを気にしなくても十分面白い。映画館でお手軽に、バレエを観る。まだ観たことないひとはいちど足を運んでみてはどうだろうか。

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