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「○○思考」という本が多すぎて、思考が追いつかない問題を考える

あるビジネス書を買いたくて本屋に行ったら、これも良さそう、あれも面白いこと書いてある、といった具合に、購入するつもりでなかった本にも手が伸び、全部買うわけにもいかず、かといって一冊に絞れず、結局何も買わずに本屋を出た、という経験が私にはよくある。

中でも「○○思考」という本は最近増えてきている上に、同じ書棚にずらっと並べられていて、結局どの思考法の本を読んだら良いのかますます分からなくなってきている。

社会人になりたての頃は、まず論理的思考力(ロジカルシンキング)身に付けろと先輩に言われるがままロジカルシンキングやビジネスフレームワークの本なんかを読んだものだが、

数年前から、デザイン思考を筆頭に、ロジカル一辺倒ではない思考法も大事だ!ロジカル思考を超えろ!なんて論調も多く、

いまではバズワードになり始めたデザイン思考すら限界がある!その先を行け!という新しい論調の書籍も多い。


そこで今回は巷に溢れる「○○思考」を古いものから最近のものまでずらっと集め、一旦自分の思考を整理することにした。

全部読んでるわけではないので、内容で整理するわけにもいかず、今回はamazonで「○○思考/シンキング」を冠する書籍のタイトルを機械的に分類してみた。

1. {英語・カタカナ} + 思考/シンキング


2. {漢字・熟語} + 思考/シンキング


3. {数字} + 思考/シンキング


4. {文章} + 思考/シンキング


多いよ。

amazonの上位数ページを調べてみただけだが、これだけ「○○思考」という本が世の中に溢れていた。この中でいま私は何を信じてどれを読んだらよいのだろうか?


並べてみたら見えてきたこと

何となくだけど、思考は「思考」なので、このグリッドに配置できるような気がしてきた。右脳系を期待してたら結構左脳寄りだった、現場で即使えるフレームワークを求めてたのに心構えみたいなものしか書いてなかった、といった時に求めていた「思考」との食い違いが起きるのではないか。

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トレンドは右脳系、だが

個人的には、デザイン思考が流行り始めてから、もうロジックだけは古い、ビジネスマンにもクリエイティブを、という文脈で右脳系ブームが起きているように思う。
一方で、ビジネスにおいてロジカルシンキングが重要なことは変わらないし、新卒が右脳系だけやり始めるみたいな流れも危険なように感じる(自分は古い人間かもしれないが)。

まずはちゃんと論理的に考える作法を身につけないと、その限界や、自分がその先成長するために足りていないスキルを「論理的に思考」することができない。あくまでも、ロジカルに考えるのが先にあり、基礎に敷いた上で、右脳系思考法をインストールしていった方が良いのではないだろうか。

左脳&メソッド系が一番読みやすく、あるパターンにおいてはすぐ効果を発揮する物が多く、右脳&マインド系が一番抽象的でどう自分の仕事に活かすのこれ?となってしまうものが多いように思う。ただその「何じゃこりゃ?」の飛躍が大きいほど、それは過去の自分にはなかった「思考」のまなざしを獲得したということになるので、それはポジティブに受け止めるべきだ。予想通りの内容の思考法の本を読んでも、新しい学びは少ない。

思考力というか咀嚼力

{数字} + 思考カテゴリの書籍は、○○秒、○○個の〜という数字を定量的に提示するので、即応用が効きやすい思考法が多いように見えるが、その他の思考法は多かれ少なかれ、問題解決に活かせる〜という触れ込みが付いていても、「態度や考え方」を提供するにとどまるものもあるだろう(そのせいで、即使える本ではなかったなんてレビューが付いているものもある)。

これだけ「○○思考」が世に溢れているということは、読んだ瞬間に万物万事全ての悩みを即時解決してくれる思考法は無いと諦めて、ワンステップ、読んだものをどう自分の仕事に活かすかを考える、読書時間+咀嚼時間ありきで本に触れた方がよいのかもしれない。それは作者の思考法→自分の思考法に調整する時間。

結論としては、一番聞いたこともない、一番予想できない、一番自分から遠い本を個人的には読むことにしたい。読める本、読書に使える時間も有限なので、○○なこと書いてあるんだろうなぁと想像が可能な本は、枝葉は異なるにしろ、その方向性の視座はもう持っていると判断して、一番自分にとってクレイジーな本を手に取るようにしたいと思う。

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