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【葬送のフリーレン】「ヒンメルはもういないじゃない」の英語表現は…

漫画「葬送のフリーレン」は、英語やフランス語など、様々な言語で翻訳され出版されています。

本記事では、英語での翻訳本の表現をピックアップし、そこから広がる英語の話題を紹介したいと思います。

ちなみに以前に同様の記事を書きましたので、時間があれば御一読ください。

英語の翻訳本は、以下リンクのもの、及びそのシリーズを参照しました。


参照する漫画「葬送のフリーレン」の記述内容は、単行本5巻までを含むため、ネタバレを避けたい方は読むのを止めて下さい。



英語表現の具体例

あなたが私を知ろうとしてくれたことが、堪らなく嬉しいのです

フリーレンがフェルンに誕生日プレゼントを送った時に、フェルンが言った「あなたが私を知ろうとしてくれたことが、たまらなく嬉しいのです」は、英語では下のように翻訳されています。

Fern: What a beautiful hair clip… Thank you so much. This makes me very happy.
Frieren: Really?
Fern: You're hopelessly thickheaded when it comes to understanding others' feeling, so let me tell you clearly. I could not be happier… …that you tried to know more about me.

VIZ Media LLC "Frieren: Beyond Journey's End" vol.1 p125
原作:山田鐘人/作画:アベツカサ 漫画「葬送のフリーレン」第4話より

上記引用に出てくる"I could not be happier"という言い方は、「これ以上なく幸せ、最高に幸せ」という意味で、結構よく使われます。

よく英会話の例文で、"How are you?"に対する返答例が幾つか例示されますが、"I couldn't be happier."や"I couldn't be better."という返答も、有力な選択肢だと思います。


また上記引用にある、"when it comes to"という表現も、かなり頻繁に英会話に登場します。

その意味は「~のことになると、~に関して言えば」で、話題を限定したい時に使います

上記引用で言えば、フェルンはフリーレンのことを"thick-headed(鈍感な)"と言っていますが、あくまで人の感情に関してのことなので、"when it comes to"を使って、話題を限定しています。


この恐怖が俺をここまで連れてきたんだ

アイゼンが魔物と対峙した際に、自身の手が震えていることをフリーレンに指摘され、その後にアイゼンが言った「この恐怖が俺をここまで連れてきたんだ」は、英語では以下のように翻訳されています。

Frieren: Eizen, your hands are shaking. Are you scared?
Eizen: Yeah.
Frieren: You didn't hesitate to admit it.
Eizen: It's not a bad thing to be afraid. Fear has gotten me this far.

VIZ Media LLC "Frieren: Beyond Journey's End" vol.2 p72
原作:山田鐘人/作画:アベツカサ 漫画「葬送のフリーレン」第11話より

この"Fear has gotten me this far."という表現のように、無生物主語を使った文は、なんかメッセージ性が強くてカッコいいですよね。

言い換えとしては"I'm here because of this fear."とかが考えられますが、元の表現は"Fear"を主語にすることで、それが自分を助けてくれたというニュアンスが、より強調される表現になる感じがします。

あまり日常会話で、無生物主語を多く使うことは無いと思いますが、伝えたいポイントとなる文には、そのような表現を使うと良いかなと思います。


ヒンメルはもういないじゃない

アウラがフリーレンに、あまり派手な魔法攻撃を使わない理由を尋ね、それに対してヒンメルに怒られたからと答えた時に、アウラが言った「ヒンメルはもういないじゃない」は、英語では以下のように翻訳されています。

Aura: Because Himmel is long gone.
Frieren: Right. I'm glad to hear you say that. You demons are monsters, just as I remembered. So I can kill you without mercy now.

VIZ Media LLC "Frieren: Beyond Journey's End" vol.3 p20
原作:山田鐘人/作画:アベツカサ 漫画「葬送のフリーレン」第18話より

私自身、英会話での「死」の表現に慣れていないので、正確には言えませんが、「死」という話題がデリケートなので、よく婉曲的な表現を用いることがあります。

例えば知人が亡くなった時、"die"や"dead"などは使わずに、"He passed away."や"He is gone."などの、婉曲的な表現を使うことが好まれます。

アウラは人間とはかけ離れた感覚を持った魔族ですが、ヒンメルの死には"long gone(亡くなって久しい)"という、婉曲的な表現を使っているので、意外に常識人なのかもしれません(笑)


殴り合いじゃぁぁぁぁッ!!!!

魔法使い試験にて、デンケンのパーティーが試験通過を掛けて、他のパーティーと最後のバトルをする時に、デンケンが言った「殴り合いじゃぁぁぁぁッ!!!!」は、英語では以下のように翻訳されています。

Denken: You should know… …that goes same for them. Prepare yourself. Be a man.
Richter: C'mon, you gotta be kidding me.
Denken: We'll settle this with our fists!!

VIZ Media LLC "Frieren: Beyond Journey's End" vol.5 p148
原作:山田鐘人/作画:アベツカサ 漫画「葬送のフリーレン」第45話より

日本語では「殴り合いじゃぁぁぁぁッ!!!!」という、叫びにも似た表現ですが、英語では"We'll settle this with our fists!!"という、若干落ち着いた表現に訳されていたので、改めて翻訳って難しいですね。

私には思いつきませんが、状況を正確に説明しつつ、元のセリフの勢いみたなニュアンスを伝える英語表現は、かなりのアイディアが必要になるのでしょうね。


また上記引用にある、"You gotta be kidding me.(冗談だろ)"は、一日に一回以上使うと言っていいほど、使用頻度の高い表現なので、そのまま憶えてもいいくらいだと思います。(多少の派生表現もあります)


その他

葬送のフリーレンの英語翻訳に関しては、以下の記事にも詳しく載っているので、時間があれば御一読をオススメします。

タイトルの話とか「生臭坊主」の翻訳の話とかが載っています。


まとめ

本記事では、英語での翻訳本の表現をピックアップし、そこから広がる英語の話題を紹介しました。


長くなりましたが、最後まで読んで頂きありがとうございます。

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