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【アニメ感想】江戸前エルフ:ゆっくりとした変化は尊い

私は普段は主に、『葬送のフリーレン』についての記事を投稿していますが、同じくエルフが主人公のアニメとして、『江戸前エルフ』が例として挙げられます。

本記事では、TVアニメ『江戸前エルフ』を観た感想を書くとともに、『葬送のフリーレン』との共通点も最後に書きたいと思います。


以下では、『江戸前エルフ』と『葬送のフリーレン』の内容に触れる部分がありますので、ネタバレを避けたい方は読むのを止めてください。



TVアニメ『江戸前エルフ』感想

全体の感想

全体の感想としては、日常系のお手本のようなアニメだな、と思いました。

ざっくりのストーリーとしては、引きこもりのエルフであるエルザが、彼女を祀る神社の新しい巫女である小糸とともに、少しずつ人間関係や行動範囲を広げていくというものです。

主人公のエルザが頑張って少しずつ変化していく様子は、尊くて応援したくなります。

また各キャラクターには独特の欠点、もとい個性があり、日常会話を展開しているだけでも飽きない愛らしさがあります。

更にその日常会話で発生する、様式美のようなギャグパートも、観ていて心地よくリラックスできます。

このストーリー・キャラクター・様式美はまさに、日常系のお手本と言えるのではないかと考えています。

ちなみに好きなストーリーは、商店街のスタンプラリーをする話で、好きなキャラクターは金沢の巫女の小伊万里いすず、好きな様式美は、エルザが自分自身やお守りに対して、ご利益が無いと嘆くシーンです。


エルフ✖日常系という設定の凄さ

また少し分析的になりますが、『江戸前エルフ』の凄いところは、エルフという設定が、ゆっくりとした変化という、日常系の魅力を補完しているところです。

『江戸前エルフ』の定番として、エルザが生きてきた江戸時代の文化・風習などを、日常会話の中で語るというものがあります。

例えば商品のおまけについて、江戸時代の頃は富山絵という浮世絵が、薬のおまけとして付属していたことを語っています。

現代ではカエル戦車など多種多様なおまけが存在しますが、実際に生きてきたエルフがその歴史を語ると、長い年月を掛けて地続きで変化していったことが想像できます。

人間の歴史家が語っても、単なる知識にしか聞こえませんが、実際に経験したエルフが語ることで、ゆっくりとした変化の尊さが付与される感じがして、より日常系としての魅力が増すと考えています。

こんなエルフの活かし方があるのか!と驚きました。


その他

最後に、『江戸前エルフ』の最終話が、いつもの日常回で終わっているところも、ゆっくりとした変化の尊さを補完するポイントとして、良いなあと思いました。


葬送のフリーレンとの共通点

特有の寂しさ

悠久の時を生きるエルフが主人公という設定上の共通点から、『江戸前エルフ』と『葬送のフリーレン』には、特有の寂しさみたいなものがあります。

両作品とも主に、人間とエルフとの交流が描かれていますが、人間側が先に旅立つことはほぼ確定なので、常に見送る立場にあるエルフの楽しんでいる姿を見ると、ちょっと切ない気持ちになります。


健気な律儀さ

また両作品の主人公のエルフともに、おそらく最初に接触した人間に対して、健気な律儀さを示しています。

『江戸前エルフ』のエルザは、異世界転生後に最初にお世話になった、徳川家康公に対して、忠実に約束を守ったり、尊敬の念を語ったりしています。

また『葬送のフリーレン』のフリーレンは、自身の故郷が魔族に潰された後に最初にお世話になった、師匠のフランメに対して、(多少の文句は言いながらも)律儀に約束を守っています。

両者とも急な環境変化から自身を守ってくれた恩人に対して、律儀な忠誠を示しているところが、愛らしく感じます。


ポンコツオタク

最後に、両作品の主人公のエルフともに、ポンコツでオタクであるという共通点も、付言しておきます。

この設定って、なんか定番になりつつあります?


まとめ

本記事では、TVアニメ『江戸前エルフ』を観た感想を書くとともに、『葬送のフリーレン』との共通点も書きました。


長くなりましたが、最後まで読んで頂きありがとうございました。

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