Hiroko Sakurai

東北・岩手・家庭医療・読書・育児・日々のポートフォリオ的記録・好きなことを書けるときに

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最近の記事

第21回びぶりば 〜ザリガニの鳴くところ〜

3月のびぶりば読書会の開催報告です! 今回は、ザリガニの鳴くところ(ディーリア・オーエンズ, 早川書房, 2020)が課題本でした。 本を推薦してくださった方がご夫婦で参加してくださったり、この春から岩手県沿岸部に移住される方が知人を通じて参加してくださったりと、新しい出会いの機会にもなっています。 いつもお世話になっている岩泉町うれいら通り商店街の飴喫茶庵さんで甘酒カレーをいただきながら感想をシェアし合いました。 少しだけネタバレしない程度に感想を抜粋します↓ ・面白すぎ

    • 第20回びぶりば〜なぜ、あなたの思っていることはなかなか相手に伝わらないのか?〜

      2月の読書会びぶりば@飴喫茶庵、開催しました。 岩手県内でも新型コロナ感染者が増加傾向の中、感染対策を行いながら少人数での現地+オンライン開催を行いました! (開催情報や参加申し込みは主にLINEグループで行っています!*ポスターについているQRコード読み取りでグループに参加できます) 今月の課題本は「なぜ、あなたの思っていることはなかなか相手に伝わらないのか?(西 剛志, 2019)」でした。びぶりばとしては初めて、主催者の選書ではなく参加者の方から気になった本をお勧めして

      • プライマリケア従事者のソーシャルサポート

        自分がこれまで関わらせてもらってきた活動(主にオンラインチーム・コミュニティ)について少し考える機会があり、私が関わらせてもらった活動やっていることは総合診療医/家庭医や、それを目指している人たちに対するソーシャルサポート的側面が強いのでは思うようになりました。 総合診療医・家庭医をはじめとしたプライマリ・ケア従事者は、一人診療所や医療・介護資源が乏しい場所で勤務することも多くあり、社会ネットワークや教育、労働環境において比較的孤立しやすい立場にあるとも考えられます。最近読

        • JPCA第18回秋季生涯教育セミナー

          今月末までにオンデマンド視聴期間が延長となった上記セミナーの視聴記録です。主に自分の記録用ですが、これからみる方の参考になれば幸いです。(11/10: 追記、変更していく予定) 学会や幅広い分野に関わるセミナーに参加するときは、ある程度「今回はこの分野!」と決めていることが多いのですが、今回は見れる順番、タイミングでほぼランダムに視聴しております・・・。最近あまり評判の良くない(?)Evernoteに、WS毎にスクショをまとめてみたりしておりますが、みなさんどのように学んだ

        第21回びぶりば 〜ザリガニの鳴くところ〜

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        • びぶりば読書会
          6本
        • 日々のポートフォリオ
          4本
        • 家庭医療
          4本
        • 読書ログ
          3本

        記事

          LIFE SHIFT 第14回びぶりば

          1年前に読書会を始めて、一部の参加者がオンライン参加することはありましたが、今回は岩手県独自の緊急事態宣言を受けて完全オンライン開催としました。 テーマ本が LIFE SHIFT (原題 The 100 year life)だったことも影響してなのか、ほとんどがオンライン会議初デビューにもかかわらず、みなさんZOOMに挑戦してくださいました。 こちらのサポートが行き届かない面もあり申し訳なかったですが、この状況下でも気兼ねせずに話ができるのは、オンラインの良さだなとも改めて思

          LIFE SHIFT 第14回びぶりば

          第12回びぶりば 〜まちづくり幻想〜

          昨年、町の若者交流活動支援事業としてはじめた読書会も1周年を迎えました。(初回〜第3回までは補助金も活用させていただきました!)根が文化系の自分にとっては、同世代〜一回り、二回り上の友人と話ができる貴重な場となっています。(運動も好きなのですが、運動音痴のためスポーツクラブなどに所属する勇気はない←)今回は、家族づれ、お子様連れでも参加もあり、別室で子ども同士が遊ぶ声が聞こえる中の読書会となりました。そもそも、子育て開始のタイミングに引っ越してきた私としても、子供と一緒でも美

          第12回びぶりば 〜まちづくり幻想〜

          たけしと生活研究会

          浜松市ある認定NPO法人クリエイティブサポートレッツさんの2020年度報告書を読んで印象に残ったことを記録しています。 ”たけしと生活研究会は、重度の知的障害がある青年・久保田壮(たけし)さんが、親元を離れて自立生活を試みることから始まりました。p5” 重度の知的障害者は親元から自立生活するという選択肢はなぜ難しい状況になっているのか?そもそも自立とは何か?が、レッツやそれ以外の様々な取り組みで知的障害者に関わっている方々の視点(シェアハウスの同居人、有識者のヒアリング、

          たけしと生活研究会

          地元が育むべきものと、ソトモノがやれること

          地方を生きる(小松理虔)、まちづくり幻想(木下斉)を読んでの感想雑記です。 今回で一周年になる読書会で取り上げる「まちづくり幻想」。 読書会1回目で扱った「新復興論」の小松さんの著書と、今回の課題本をあわせて読んでみました。 「まちづくり幻想」は長年、地域の商店街の運営に関わられてきた木下さんのコンサルト視点から、いわゆる「まちづくり」が何故失敗するのか考察されています。 その地域にすむ人が自分達で考えず、安易に「まちづくり」を外注する(多くは首都圏の会社)ことによる

          地元が育むべきものと、ソトモノがやれること

          毎日はやっていない、ということ

          岩泉に引っ越してきてはやくも一年半以上、住み始めて当初は「素敵なお店なのに、なんで毎日やってないのかな〜」なんて思ったりするスポットが三陸沿岸には多いように感じていました。 これまで、そこそこの規模の市に住んでいる期間が長かったことと、職業柄「行けそうな時間ができた時にすぐ行ける」という条件が、お店を訪ねる上で結構大事なポイントだったからです。 ところが、岩泉に引っ越してきて、子どもが生まれ、ある意味強制的に生活スタイルが変わったことで「毎日やっていないこと」に対する気持

          毎日はやっていない、ということ

          患者中心の医療の方法

          原著第3版を読んでのメモ、感想まとめです。(引用にページ数のみ記載のものは第3版からの引用です。) 家庭医療や総合診療の勉強を始めると、おそらくかなり初期に触れるキーワードの一つが「患者中心の医療」だと思います。 言葉を聞いただけだと、「患者のことを第一に考える」「患者の希望を聞くこと」などの診療に対する姿勢や主義のように捉えられがちなように思いますが、「患者中心の医療の方法(Patient-Centered Clinical Method; 以下 PCCM)」は英題の”

          患者中心の医療の方法

          あなたにとってのメンタリングとは?〜成長過程における立ち位置〜

          “The delicate balance of mentoring someone is not creating them in your own image but giving them the opportunity to create themselves.”-Steven Spielberg 今回は、友人と同じテーマでの投稿になります。 自分自身が家庭医として研修してきた過程で、メンタリングがどのような影響を与えてくれたのか振り返ってみたいと思います。 こ

          あなたにとってのメンタリングとは?〜成長過程における立ち位置〜

          地域福祉援助をつかむ-地域指向性ケアを考える-

          今年度は以前から気になっていたコミュニティヘルスリーダーシップ研修、CHLのオンライン学科を受講しています。 来月で学科も折り返し地点。DAY4の課題図書「地域福祉援助をつかむ」を読んだので、自分の理解のためにまとめてみたいと思います。 2012年に出版された本で、ソーシャルワーカーが主な対象です。地域福祉援助とは「地域を基盤としたソーシャルワーク」と、「地域福祉の基盤づくり」の両軸で行なっていくものであるということを、事例を交えながら解説しています。地域を基盤にしたソー

          地域福祉援助をつかむ-地域指向性ケアを考える-

          下り坂をそろそろとくだる〜第三回びぶりば〜

           初めて開催した読書会の時に、都会での生活経験があるMさんが、「町に映画館とか、劇場とかそういった文化的な場所が増えるといいと思っていた」(だから読書会ができて嬉しい、という文脈だったと思う)、というお話をされていたことが頭に残っていてた。そこで、町に文化的な場所が増えるってどう言うことなのかを考える題材として、平田オリザさんの「下り坂をそろそろとくだる」を第三回の課題図書に設定させていただいた。  第一回目で課題図書として取り上げた「新復興論」の中でも議論されていた「文化

          下り坂をそろそろとくだる〜第三回びぶりば〜

          そこそこacademic GPへの道JPCA2020(アーカイブ参加)

          日本プライマリ・ケア連合学会のシンポジウムをいくつか聴講したので自分なりに考えたこと・感想をまとめてみました。朝ごはんを作りながらの流し聞きだったので、間違って解釈しているところもあるかと思いますがご容赦ください。地方の育児世代としては、アーカイブでもこういった議論が聞けるのは非常にありがたいことです。 ちなみに部分的にでも拝聴できたのは、 シンポジウム2 総合診療科の作り方 シンポジウム7 地域でプライマリ・ケアを教える: 卒前、臨床研修、専門研修 (全国地域医療教

          そこそこacademic GPへの道JPCA2020(アーカイブ参加)

          振り返りの効果(指導医見習いにとっての)

          今年度初めから、オンラインでの継続した総合診療医の振り返り指導を岩手県でやらせていただいています。これまでも「はっちぼっちステーション」などでオンラインでの指導を受ける側にも、する側にもなる経験をしてきましたが、自分が主体となって、継続して専攻医指導に当たるのは初めてのことです。 私自身が、初期研修医から専門医取得までの期間、オンラインで月一回の振り返りを受けていたこともあり「オンラインであっても継続して関わることで心理的安心の場、自己省察の場」を確保できるという実感はあり

          振り返りの効果(指導医見習いにとっての)

          慢性疾患のケア(Chronic Care Model)

          新家庭医療専門医ポートフォリオエントリーをもとに、「はっちぼっちステーション」という専攻医支援の勉強会でコアレクチャーをさせていただきました。 新しいエントリーのため、試行錯誤の内容ですが、もし参考になるところがあれば幸いです。また、私の認識が間違っている場所があれば、ご指摘いただけばと思います。 ルーブリックを参考にすると、慢性疾患のケアは「慢性疾患患者に対し、chronic care model 等の 観点からコミュニティや保健システムも考慮し、患者の自己管理能力や意

          慢性疾患のケア(Chronic Care Model)