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ジャズジャケットの名盤(ジャズ批評2024.1)


1 『OUT THERE』ERIC DOLPHY/PRESTIGE/

2 『THE RETURN OF THE 5000 Lb. MAN』ROLAND KIRK/WARNER BROS. /

3 『JUNKO ONISHI AT THE VILLAGE VANGUARD』大西順子/Somethin’else

1エリック・ドルフィーは各種サックス、フルート、クラリネットを自在に吹くマルチリード奏者であるが、ただ扱う楽器が多いだけではない。彼の演奏スタイルやサウンドは、宇宙空間を自由に漂うかのようだ。その象徴的なアルバムが本作で、ジャケットはサルバドール・ダリのシュルレアリスムを髣髴とさせる。王道のハードバップと前衛的なフリージャズの狭間を往来するドルフィーにはぴったりのジャケットだろう。

2複数のリード楽器に加えて打楽器や民族楽器も操るローランド・カークは、何といっても本人のたたずまいが圧倒的だ。今作はカークが病気に倒れて復帰した後に発表されたために「天才ローランド・カークの復活」というタイトルがついているが、収録された音源は倒れる前のもの。ジャケットもそうした事情に配慮したのか、カークの自信と誇りに満ち溢れた表情をとらえた写真で極めて印象深い。

3自信に満ち溢れた表情といえば、大西順子が94年、ニューヨークのヴィレッジヴァンガードに出演した時のライブ盤ジャケット。前年の93年に華々しくデビュー作を出した勢いが、演奏だけでなく写真にも表れている。当日のライブを見た人が羨ましい。

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