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私的音楽アーカイブ83(アーマッドジャマルほか)

821.レッドガーランド with ジョンコルトレーン:DIG IT !
822.ソニースティット:STITT MEETS BROTHER JACK
823.ジョージウォーリントン:The George Wallington Trios
824.スタンゲッツ:Opus DE BOP
825.マイルスデイヴィス:MILES DAVIS AND MILT JACKSON
826:アーマッドジャマル:BUT NOT FOR ME
827.イリノイジャケー:BOSSES OF THE BALLAD
828.マイルスデイヴィス&ソニースティット:STOCKHOLM 1960
829.ソニースティット:Sonny Stitt Sits In With The Oskar Peterson Trio
830.マイルスデイヴィス:MILES AHEAD

⚫︎826.2023年4月に亡くなったピアニスト、アーマッドジャマルの最も有名なアルバムの一つだろう。アーマッドのピアノは極めて不思議なもので、技術的には特にすごいことをやっているようにはみえないのだが、実際は誰も真似ができないのである。大ヒット作になった今作も、そうした隠れた凄さが詰まっている。

その大きな理由として、彼独特の間の取り方がよく挙げられる。マイルスデイヴィスは彼のピアノに大きな影響を受けたと言われていて、まさに音楽の行間を読む、つまり休符、演奏しないことも音楽であるという考えこそが唯一無二の特徴と言える。これは日本人の考え方と似ていて、バリバリ吹くだけがジャズではない、というメッセージが込められていたように思う。

もう一つ、アーマッドにおいて外せない点がイスラムへの改宗だろう。彼の多様な音楽性には人生観、宗教観が現れていて、戦後長く続いた、いや今も続くアメリカの差別社会、分断社会を逞しく生き抜こうとしたのである。

アーマッド・ジャマル(p) イスラエル・クロスビー(b) バーネル・フォーニア(ds)
1958年、シカゴでライヴ録音

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