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大阪メトロ・南港ポートタウン線を完乗してみた(AGTのことも)

ニュートラムの愛称で呼ばれる、大阪メトロ・南港ポートタウン線

インテックス大阪という国際展示場に用事があった関係で、
こんなご時世ですが久々に大阪へ出張がありました。

ニュートラムは、ゆりかもめや日暮里舎人ライナーのお仲間のAGTということで興味あり。

起点の「コスモスクエア駅」近くに展示場がありますので、せっかくなので完乗がてら終点の「住之江公園駅」付近で宿を取ってみました。

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この路線図、なんだかぐっときます。市営地下鉄時代のロゴマークや、住之江公園あたりの重ね張りされた雰囲気がとても良いですね。
南西に広がる青い路線が南港ポートタウン線です。

さて、今回は南港ポートタウン線のこと、少し特徴的なAGT(自動案内軌条式)についてまとめてみたいと思います。

大阪メトロ・南港ポートタウン線とは

大阪市住之江区の南港コスモスクエア地区の交通を担う、大阪メトロで唯一地下鉄でないAGT路線。(AGTについては後述)基本的に無人・自動運転での運行が行われています。

メトロ(地下鉄という意味で)でない路線を有している大阪メトロ、というのは何だかおもしろいですよね。

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南港ポートタウン線ですが、来る2021年3月16日で40周年を迎えるようです。(1981年、大阪市交通局時代に「中ふ頭駅ー住之江公園駅」間が開業)

大阪に詳しくない私は、「ニュートラム」という響きだけで平成生まれの若い路線なのかと早合点していましたが、実際のところナイスミドルな路線でした。

愛称は「ニュートラム」。
この愛称は、1988年に一般公募で決定されたようです。

道路上に敷設された軌道を走る電車がトラムだと思っていた私としては、
道路上に敷設されていない路線の愛称にトラム?と首を傾げたくなるような気持ちもありますが、新しいコンセプトの路線だという雰囲気を表したのでしょうか。真相はわかりませんが、覚えやすく呼びやすければそれでよいのかもしれません。

ここから先は、私も「ニュートラム」と呼んでいこうと思います。

運行区間

(関西に疎い私向け)まずは少し俯瞰で位置を確認します。

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起点のコスモスクエア駅付近は、淀川の下流の少し南に位置しており、ユニバの近く。大阪湾に面した地域。ここらへんは通称、大阪ベイエリアっていうみたいです。
終点の住之江公園駅は、駅の南にある大和川を越えたらすぐに堺市という位置のようです。

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コスモスクエア駅では、大阪メトロ・中央線(4号線)に、
住之江公園駅では、大阪メトロ・四つ橋線(3号線)に乗り換えができます。

ニュートラムの見どころ

コスモスクエア駅(地下)を除いた区間全てが高架路線。海の近くを走ることもあります。車内は窓が大きく開放的なので景色がよく見えます。(景色の良い写真がなくごめんなさい)

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また先頭車両に乗車すると、運転台付近に座席があります。無人運転時には前面展望を楽しむこともできます。自動運転ならではですね!

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沿線スポット
・ボートレース住之江(住之江公園駅)
・停泊している大型船を見れるかも?(フェリーターミナル駅)
・さきしまコスモタワーの展望台(トレードセンター前駅)
・南港野鳥園(トレードセンター前駅)
・シーサイドコスモで釣り(コスモスクエア駅)

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住之江公園駅付近でボートレース場が見えました。

AGTってなんだっけ

ここからは、ニュートラムの特徴である輸送システムAGTについて触れていきたいと思います。
ちょっとマニアックな感じになってしまったので、簡潔に知りたいという方は最後だけ見ていただければ十分かもしれません。(すみません)

日本にはニュートラムの他にもAGT路線は8つありますので、知らずとも利用したことのある路線もあるかと思います。

事業者名(路線愛称)
・神戸新交通(ポートライナー・六甲ライナー)
・山万(ユーカリが丘線)
・埼玉新都市交通(ニューシャトル)
・西武鉄道(レオライナー)
・横浜シーサイドライン(シーサイドライン)
・広島高速交通(アストラムライン)
・ゆりかもめ(ゆりかもめ)
・東京都交通局(日暮里・舎人ライナー)


AGT / Automatic Guideway Transit
日本語訳は「自動案内軌条式旅客輸送システム路線

もう一般人に理解させる気はさらさらないですね?ってつっこみたくなる名称。

難しい言葉を理解するためには、一度分解してみる必要がありそうです。

自動 案内軌条式 旅客輸送システム
じどう あんないきじょうしき りょきゃくゆそうしすてむ

言葉を分解してみると、1つ突っかかるものがあります。
「案内軌条式」とはなんでしょうか。

内閣府サイトにて、わかりやすい資料がありました。
https://www8.cao.go.jp/okinawa/6/67_26sankou_1.pdf

【案内軌条式鉄道】
レールやモノレール桁以外のガイドウェイに従って、ゴムタイヤで走行する交通機関を総称して案内軌条式鉄道と呼ぶ。一般的には新交通システムなどとも呼ばれている。

「軌条」というと難しく聞こえますが、簡単に言えば「レール」のことです。案内軌条は「案内するためのレール」と捉えてみてください。

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ニュートラムはこの表の右にある、「側方案内軌条式」に該当します。
鉄道が走る道路の左右に案内用のレールがあり、それに従って進行しているんですね。

左の中央案内軌条式というのは、現在日本では現在山万ユーカリが丘線のみとなっています。AGTの標準化により、他はすべて側方案内軌条式となりました。

側方案内軌条式の鉄道は、レールではなく道路のような軌道上をゴムタイヤで走行します

また、軌道側面にある案内用のレールに、案内用の車輪が沿って走行することで、ゴムタイヤもそれに追従しカーブを曲がることができます。

案内用のレール・車輪は、ニュートラムの場合こんな感じでついてます。

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横浜シーサイドラインのサイトにも分かりやすい説明が掲載されていました。

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ご存知の通り、通常の鉄道は2本のレールの上を走行用の鉄輪で走行する仕組みです。遠くから見るだけでは違いに気づきづらいですが、走行の仕組みを見てみると、かなり異なっていることが分かると思います。
当然ながら、通常の鉄道と互換性はないので乗り入れはできません。

最後に今まで見てきた「案内軌条式」に加え、「自動」という言葉が組み合わさることで、コンピュータで運行管理するという意味あいが加わります。

AGT(自動案内軌条式旅客輸送システム)を噛み砕くと「案内レールに従ってゴムタイヤで走行する車両を、コンピュータで運行管理して自動運転をおこなう交通機関」と言えるのではないでしょうか。

AGTの特徴おさらい
・案内用のレールに従って走行する
・鉄輪ではなくゴムタイヤで走行する
・コンピュータで運行管理
・原則、自動・無人運転

なぜAGTが採用されている?

通常の鉄道を敷設せず、このようなAGT路線にする理由としては次のようなものが挙げられます。

AGTを選ぶケース
・普通の鉄道や地下鉄では輸送量過多
・でもバスや路面電車(LRT)では輸送力が不足する
・比較的建設費を抑えたい
・比較的狭い区間での細やかな走行や、急勾配での走行を可能としたい
・道路交通の妨げとなる平面交差を避けたい
・走行時の騒音を防ぎたい
・全自動運転により労務コストを削減したい

ニュートラムについても、南港地区の埋立地の交通機関が検討された際、自動車交通の妨げとならないようにするため、高架に鉄道・地上に道路という形で立体交差が採用されたといいます。
輸送力も普通鉄道・地下鉄ほどは求められていないこともあり、このAGTが選ばれたのでしょう。

さいごに

住之江公園の宿からニュートラムを見下ろした図

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にゅるっとしてるのが心地よくてかわいい。
戦隊モノみたいにカラフルでした。

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普段乗らない路線・電車に乗るのは、やはりワクワクしますね!
そして、note書いてみることでとても勉強になります。
まだnoteに書き起こせていない鉄旅もありますので、そろそろ整理したいとなぁなんて…。

今回は運良く仕事の都合でいけました。しかもニュートラムなんて用がないと乗らないだろうなと思うと、出張っていいななんて思ってしまいますよね。

首都圏は緊急事態宣言の延長が決まり、手放しで外遊びができない期間が続いています。

しかしながら、今年の内なる目標は青春18きっぷを3期全て使うこと!

とある乗り鉄たちの完乗記録マガジンを見ていたら、「今までなんでまともに使ってこなかったんだ…!」と後悔の念が湧いてきまして。今年はこんな目標を立ててみました。

まずは3/1から春季が始まりましたので、土日を複数回利用して活用しようと思います。混雑のない場所・一人旅が前提。でも落ち着いたら人と旅行したい・・

今回の内容と全く関係ありませんが(笑)、
青春18きっぷ旅での思い出やおすすめの場所があればぜひ教えてください〜

それでは、以上ニュートラム・AGTについてのnoteでした〜!
最後までお読みいただきありがとうございました。

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