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その言葉を因数分解せよ

新年から大きな震災、飛行機事故があり、仕事がはじまれば「まったくもうなんやねん」と気持ちがやさぐれることばかりが続く2024年の幕開け。
幕が開けたとか書いている今がもう1月下旬(!)に突入しててこちらも「まったくもう」である。2024年のスタートダッシュがすごい。

さて、そんな感情ジェットコースターだった年末年始のお休みに読んだ本は、どちらも「言葉」について考える内容で、あらためて自分の言葉への向き合い方をもっと丁寧にしないとな。と背筋が伸びたのでありました。

書くことは自分と対話をすることだよ。日記には未来の自分という読者がいるんだ。というヤドカリおじさんの語りにハッとする。
日記とかブログとか細々と書いてきたけど、これからも続けようと素直に思えた一冊。中学生向けですが大人が読んだほうが体験を伴った納得感や気づきが得られる気がします。

DV、アディクションの人と向き合ってきた信田さんと、沖縄の若い女性を対象とした社会調査を続けている上間さんの対談集。目の前の人の話を聞くことに対する覚悟の深さにしびれます。カウンセリングの時に個人の体験を個人の感覚も一緒に語ってもらうために、特定の「言葉を禁じる」という話があって、それをやることで残るのは「比喩の豊かさ」というのが印象的だった。

気持ちや、言葉は、ちょっとずつ丁寧に因数分解していかないと、どうしても楽で雑なコミュニケーションに流れてしまう。冒頭でお届けした「まったくもうなんやねん」と職場でやさぐれている私の気持ちもほどいていくと、「自分の働きが軽んじられているのでは?という怒りとその状況を打破する手立てが思い浮かばない自らへのふがいなさ=まったくもうなんやねん」であり、さらに言うと「でもそんなこと思うなんて傲慢かな…」とか「先行きが見えないから不安なんだけどこの不安を誰ともわかちあえないさみしい」みたいなエッセンスも混ざってもいる。

自分のために書くときも。
目のまえの人の発する言葉を受け止めるときも。
言葉に対してセンシティブに、真摯に、ずるしない。というのが今年の目標です。

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