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短歌連作「Summer Nova」

YouTube でも公開しています。ぜひご覧ください。

https://youtu.be/gpJGAuDBc_s

帆を張る 推進力は生まれないぼんやりとした重力が増すだけ

怯えてた心象ノイズ移ろい 蜃気楼の街が見える

乗ってきた船はもうない 全てが偽物だったから僕は一人だから

長い影アスファルトに焼き付いて ギョッとしたので野良猫を撫でる

くも雲く 蝉時雨少しNoisyで お出かけするわ白いワンピース

畦道で手招くきみの幽香の 光の粒子で脳を包んで

息を吸いゼロに近づき息を吐く どこが美味しいの?無糖ソーダ水

安定を失った児童公園 逆かさに見てた向日葵のままで

あの夏に聞き出せなかったきみのこと 果ての無い海に溺れる渦

ひび割れた深海の卵(ラン) 海中に混ざるきみの声は怯えて

放物線描いて堕ちた胡桃は澱む 墜落現場で傍観者となる

睡蓮の蕾から伸びる蜘蛛の糸 リリカルな藍のテクスチャー

絶望、それすら全て美しい イロジカルなダイヤグラ

雲が都市みたいに見えて ストレンジャー 縋って消えて大粒の雨

夕立が洗い流して消えていく お願いだから ちゃんと側に居て

行き着いた二重構造交差点 カーブミラーに映る僕たち

銃弾をこめかみに撃つ 白煙と腐臭溶け合う存在証明

夢現、最終列車乗り過ごして タチアオイの虚飾曲線

塔を登る 思考も身体も回帰する 激変星した鼠花火

望遠 偽物の町 一呼吸、瞬きの間の懐かしい街

泥濘に飛び込んでみて夜の蝉 朝露に濡れた針の先端

                                        

           


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