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まず、ダムをつくろうと思うこと

そろそろ、「まず、やってみようと思うこと」の大切さを話したい。


ここ最近ずっとアタマに残っているエピソードを紹介したい。
稲盛和夫氏が本のなかで、稲盛氏が松下幸之助氏のセミナーへ参加したときのことを語っている。こんな内容である。

松下幸之助氏は、あるセミナーで「ダム式経営」という考え方を説明した。 この考え方は、ダムがいつも一定量の水を供給するように、企業も外部環境の変化に左右されずに安定して発展するためには、設備や資金、在庫、人材、技術、商品開発など経営の全面にわたって適切な余裕を持つことが大切である、という内容。
この話を聞いた多くの経営者は、理想とは言え現実には難しいと感じていた。 質疑応答の際、一人の参加者が「ダム式経営を実現する具体的な方法を知りたい」と質問した。 松下氏は、「そんな方法は知りませんのや。知りませんが、まず、ダムをつくろうと思わんとあきまへんなぁ」と答えた。 会場ではこの回答に対して失笑が広がった。


このエピソード、どう感じるだろうか。

僕は最初にこの話を読んだとき、「松下幸之助氏はなぜ具体的なやり方を示さないのだろうか?」と純粋に疑問に思った(思ってしまった)。

だが、稲盛和夫氏はこの会場にいて、大変な衝撃を受けたという。

「そのとき、私は本当にガツンと感じたのです。何か簡単な方法を教えてくれという生半可な考えでは、経営はできない。実現できるかできないかでなく、まず『そうでありたい、自分は経営をこうしよう』という強い願望をもつことが大切なのだ、そのことを松下さんは言っておられるのだ。」そう感じたという。


この経営者同士の心の通った話は、自分がこうありたいと思う決意の大切さを学ぶことができる。ヒトは自分が信じている枠の中でしか、物事を考えようとしないし行動もしない。

だからこそ、自分のこうありたいという決意の強さが何より大切になる。

本気で「まず、ダムをつくろうと思う」ようになることから。

こちらの本の一節です。
働き方―「なぜ働くのか」「いかに働くのか」 | 稲盛和夫 |本 | 通販 | Amazon

なにとぞ。

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