【ドット絵】ドッターに画力は必要か否か?【点で線を打ってみる】
練馬の小さなゲーム会社であるイクシールは、ドット絵が大好きであり、ドット絵を得意としている会社です。
ですので、『ドット絵を仕事にしたい!』という方から、求人募集に御応募いただけることも多いです。
ただ、ドット絵が好きで得意だという方に限って、ドット絵以外のイラスト作品が、ポートフォリオにほとんど含まれていないことがあります。
理由を聞いてみると、『ドット絵は得意だけど、イラストには自信が無くて…』というのが、原因のようです。
イラスト作品には、当然、『画力』が求められます。
ドット絵の場合は、画像サイズによる表現の制約が強いので、絵としてのバランスも取りやすくなります。画力に自信が無くても、ドット絵であれば、完成度の高いドット絵が作りやすいという面も、たしかに有るように思います。
そう考えると、ドット絵専門のデザイナーを目指す場合、画力って必要無かったりするのでしょうか?(ちなみに弊社では、ドット絵専門のデザイナー職『ドッター』は募集していないので、必ずイラスト作品も追加で提出していただいています。)
ドッターに画力は必要か否か?
結論から先に書くと、画力を重視せずとも食べていけているドッターさんたちも多いと思いますので、人それぞれの考え方、需要と供給次第なので、特にどちらでもいいとは思います。
ただ、個人的は、画力を軽視するべきではないとは思います。
わかりやすい例として、一色だけで打ったドット絵を貼ってみようと思います。
この、一色だけで打ったドット絵をもとに、これから、話を進めていきたいと思います。
これは、点(ドット)で、線画を打つと、どういう見た目になるのかが知りたくなって、何となく思い付きで打ってみたドット絵です。
一つ一つのドットが見えやすいように、『300%』に拡大して表示しています。
ドット絵とは何か?
ドット絵とは『ドット感のある絵』です。
(ドット絵の定義なんて、これぐらいでいいと思います。色んな解釈があっていいと思うので。)
ドット(点)を意識して描くから、ドット絵なわけですね。
で、ドットで、『点画』のような、『線画』のような、どっちつかずな表現のドット絵を打ってみたら面白いかなあと思って、試しに打ってみたのが、今回のドット絵です。
『点』で、『線』を打つわけです。
これが『200%』に拡大して表示したものです。
これぐらいのサイズだと、ギリギリまだドット感がありますね。
ドット感も有って、線画感も有って、一枚で二度楽しめる気がします。
では、拡大表示しない等倍画像も貼ってみましょう。
これが『100%』での等倍表示です。
これぐらいのサイズだと、ドット感が消えて、もう『小さな線画』ですね。
今回のドット絵は、銅版画やオーブリー・ビアズリーのペン画等をイメージして打ったドット絵なのですが、小さく表示してドットを見えづらくすると、小さな線画になりました。
何が言いたいのかというと…、
結局、ドット絵って、『小さなイラスト』なんですね。
ドット絵は、小さいことで、色んな制約が多くなりますが、『テクニック』を使うことによって、『多彩な表現』が可能になるのが『ドット絵』というわけです。
多彩な表現をするためには、イラスト作品と同じように『画力』が必要になります。
『イラスト作品』も、画力が無いと、引き出しの少ない、表現幅の狭いイラストしか描けません。
『ドット絵』も、画力が無いと、引き出しの少ない、表現幅の狭いドット絵しか描けません。
結局、同じなんですね。
そう考えると、「ドット絵が上手くなりたい!」と思って、技術を身に付け、表現力を上げるには、画力の向上も必要であるように思います。
これは、ドット絵を志す人は、イラスト作品も頑張ったほうが良いという話ではありません。
ドット絵に求められる『画力』というものも存在しているという話です。
勿論、イラストの世界でも、画力というより、個性だったり、わかりやすさだったり、デザイン性だったり、金額的な事情だったり、様々な理由で高い画力が求められなくても成り立っているケースも非常に多いです。
ドット絵も同様だと思います。
需要が有るなら、それでいいとは思います。
ただ、現実問題として、ドット絵に画力がプラスされるのであれば、表現力・表現幅が広がって、勿論、良いわけです。
画力が必要か否かで言うと、ドット絵という一ジャンルの表現を特別扱いする必要もなく、画力は有ったほうがいいとは思います。
ドット絵を志す人も、画力としっかりと向き合ったほうが良いと思います。
ドット絵は進化できる
ドット絵を使用する様々な媒体も、時代と共に解像度もどんどん上がっています。
小さなサイズのドット絵を作ったとしても、実際にはそのドット絵は、何倍にも拡大表示して使うことが多くなります。
そう考えると、1ドットの点って、実際には○pixel × ○pixelという大きな四角だったりするわけですね。
1ドットの中に、たくさんの情報を詰め込める時代になっているというわけなのです。
拡大したドット絵に、グラデーションをかけて影を落として、こんな感じで『切り絵』っぽくしてたりすることもできます。
ドット絵は時代と共に、様々な表現の進化を遂げてきましたが、これからももっと進化させる必要があります。その為には、やはり画力は必須かなあとは思います。
最近だと、3D空間にドット絵を置いてみたり、ドット絵に凹凸情報を加えて光源影響を加えたり、色々と新しい表現が模索されていたりしますが、もっともっと色んな新しいドット絵の進化が見たいですね。
弊社も、ドット絵を得意とする会社として、新しいドット絵表現を生み出していかないといけない立場です。
ドット絵が、『古き良き時代のもの』、『レトロで懐かしい表現』というイメージで終わらないよう、一つのグラフィック表現として生き残っていくために、表現としての進化・変化が必要だと思っています。
★イクシールのホームページ★
http://www.ixill.net/
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