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スター・ウォーズの出来事、西暦/和暦では何年?

最初に注意です。こちらの記事で紹介する西暦/和暦を当てはめた暦は「スター・ウォーズ」の作品世界の中の設定ではありません。

あくまでも「スター・ウォーズ」は遠い昔、遙か彼方の銀河系の物語です。


コルサント紀元暦(Coruscant Reckoning Calendar)

現在「スター・ウォーズ」作品内で設定として「コルサント紀元歴」というものが用いられています。

1977年公開の映画第1作「エピソード4 新たなる希望」の出来事が起こった年を7977年としてその前後を制定しています。
最初の3部作は7977年から7981年の出来事ということになります。

基準となる7977年を我々の世界の1977年として考えてみると、その前後の時代感がイメージしやすくなります。

コルサント紀元歴の年号を西暦(+和暦)に置き換えてみます。まずはエピソード4からエピソード9までの時代です。

西暦下3桁とCRC下3桁が合致するのは「新たなる希望」と「帝国の逆襲」のみ。

ちょっと不思議ですが、身近に感じませんか?
今月から配信が始まった「アソーカ」や人気作「マンダロリアン」は1986年頃の出来事と見れます。

現実の日本では「天空の城ラピュタ」が公開、最初の「ドラクエ」が発売され「ハレー彗星」や「おニャン子クラブ」がブームに。翌年には東京ディズニーランドに「スター・ツアーズ」がオープンしました。

世界史で考えるとアフガニスタン紛争末期、ソ連の崩壊直前です。

「ボバ・フェット」には「スター・ツアーズ」のドロイドが登場。

おそらくシリーズでは今後の展開として帝国軍残党と主人公達+新共和国防衛軍の最終決戦になると予想できるのですが、この戦いの勝利により到来する新時代はつまり平成時代に当たります。

しかし長らく続いた平和がファースト・オーダーの台頭により崩壊。そんな「エピソード7 フォースの覚醒」の出来事が起きた年は2011年に符合。
我々日本人にとっても辛い年でした。

最近公開された情報では、エピソード9から15年後(ということは現実世界に当てはめると2027年(令和9年…未来!)を描く作品の製作が決まっています。

次は過去に遡ってみます。

現在、2万5千年前のジェダイ起源を描く作品の製作も進行中。

アナキン・スカイウォーカーが活躍するエピソード1〜3は1940〜1950年代、昭和初期に置き換えて考えることができます。
現実世界での大戦は1945年に終戦を迎えるので若干ズレはありますが、3部作の時代とその後の時代を対応する現実世界の時代の世相や社会観念と照らし合わせて見てみるのも面白いです。

ちなみにアニメシリーズの最新作「ヤング・ジェダイ・アドベンチャー」は日本では江戸時代中期に該当。シス帝国の滅亡は平安時代です。しかし密かにシスの教えが継承され、近代に復活。「帝都物語」みたいですね。


コルサント紀元暦の登場作品

このコルサント紀元歴は設定本では2018年に登場しました。
時期からディズニー体制以降に考案されたもののようです。

「スター・ウォーズ」の映像作品でこれまで暦は登場しませんでした。
ファンやルーカスフィルムの書籍・設定本では映画第1作「エピソード4 新たなる希望」(デス・スターを破壊したヤヴィンの戦い)を基準年(0年または1年)として前後を示すBBY(Before Battle of Yavin) とABY(After Battle of Yavin)あるいはBSW4、ASW4という表現が使われてきました。あくまでも作品の設定を示すもので、作品世界の中には一切登場しません。

BSW4(Before Star Wars episode4)とASW4(After Star Wars episode4)

2022年配信のドラマ「キャシアン・アンドー」では第1話冒頭でBBYの表現が採用されましたが、やはりメタ的な演出でしかありませんでした。

しかし物語後半で「コルサント紀元歴」が登場。映像作品では初でした。

マーヴァの墓石には生年(7895)と没年(7972)が記載されている。


暦の設定が作られた背景と目的

推測ですが、ディズニー体制以前の映画6本と1つのアニメシリーズしかなかった頃は各時代の雰囲気は原作者で製作総指揮のジョージ・ルーカスのイメージに基づいていたと考えられます。

氏によれば銀河帝国には映画第1作の製作時期のニクソン政権の要素があり、アメリカこそがベトナム戦争の間は「帝国」だったと語っています。

また、エピソード1〜3やクローン・ウォーズには1930年〜1960年代を彷彿とさせる場面も。(一方でエピソード1〜3における「民主主義がどのようにして独裁に変わるのか」というコンセプトにはやはりベトナム戦争期のニクソン政権や製作当時のブッシュ政権やイラク戦争の類似も見られますが本人は偶然であるとコメント。)

そして2012年にルーカスが引退。
その後彼以外の様々なクリエイターが「スター・ウォーズ」を作る時代となり、舞台となる各時代のイメージをクリエイター間で解りやすく共有するための施策として、かつルーカスの意志を継承する目的で現実の暦(歴史)に対応するコルサント紀元歴が生み出されたのではないかと想像します。

この設定開発には「スター・ウォーズ」関連全作品の設定考証を担うルーカスフィルム・ストーリー・グループのパブロ・イダルゴ氏が関わっており、彼曰くこのコルサント紀元歴はJ・R・R・トールキンの「指輪物語」で用いられているグレゴリオ歴に似たシャイア歴(ホビット庄歴/ホビット紀元)にインスパイアされたとのこと。

ファン出身の歩くSW辞典パブロ・イダルゴ氏。
「反乱者たち」のメイキングでも解説係として登場。

以上、「スター・ウォーズ」作品をより身近に感じられる豆知識でした。