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「朝ご飯はシンプルでいいよ」と話したら意外な結果になった話

先日の講座のテーマが「暮らしをスリムに」だったので、まあとにかく毎日献立をいろいろ考えて、バランス考えて、そのための調理時間と頭脳労働は家族が多いと大変なのだから、もっとシンプルに考えていいんだよね、という話をした。

それで、以前からよくお話しているんだけど、朝ご飯って海外ではめちゃシンプルなので、もっと簡単に考えてもいいんじゃない? と。
一応断っておくと、ここで話しているのは「家族の朝ご飯」。時間がたっぷりある生活スタイルの人の朝ご飯の話ではないので、ご了承ください。
かあちゃんがとにかく、家族分の家事を担ってめちゃ忙しい家庭でのお話です。
とはいえ日本人はパンとカフェオレだけではどうしても落ち着かない人が多いから、ちゃんと食べたいおいしく食べたい場合は、とにかく「炊き立てのごはん」か「めちゃおいしいパン」もしくは「ホームベーカリーでタイマー設定して朝焼き立てのパン」を用意するぐらいの努力だけすれば、あとは冷蔵庫に「ごはんプレート」(佃煮や納豆や海苔など、ごはんのおかずになる保存食を乗せておく)か「パンプレート」(バターやジャム、ヨーグルトやプチトマトなんかを入れておく)を用意しておけばいいじゃん。
そんで、テーブルの真ん中にどかんとごはんかパンを置いて、あとは電気ケトルにインスタントの味噌汁かスープぐらいあれば、家族の誰かが冷蔵庫からプレート出してきて各自好きなように、好きなだけ食べる。
食べ終わったらプレートを冷蔵庫に戻すだけ。
十分すぎるぐらい、十分。
家族に「寝坊して時間ないから!」 とか言われて、せっかく作った朝食に手をつけずに出ていくなんて悲劇も起きない、これなら。

お弁当だって、残りの惣菜をカップに小分けして冷凍庫に入れておけば、各自が弁当箱に詰めて用意できる。とにかく、なんでも自分で全部やらなくちゃって思わず、できるシステム作りをしておくって大事だよね。と。

ってか、私の知ってる海外だと、みな起きてきたら自分勝手にあれこれ出して食べて、出かけていく。かあちゃんが家族分の朝ご飯を調理して並べている風景なんて、稀有ですよ、稀有。

そんな話をするわけです。

まあ、だからといってなかなか、その通りにはいかないです!!!! という声も多いのだけれど、でもできるところから手放して、シェアしていくって大事だと思うので、「やりすぎている家事」「縛られすぎている発想」からはもっと自由になって、いい。

昨日もそんな話をしたわけですわ。


それでもらった質問に、私、ぐうの音も出ませんでした。
わあ、その方向からのハードルがあったか、と。


「はい、まさに私もそう思って、子供が小さい頃からシンプルな朝食を実践してきたんです。そうしたら、子供が小学生になりしばらくして「食育教育」を受けてきて。以来、”お母さん、うちの朝ご飯はだめだって””これじゃだめだよ、野菜がないよ”などと繰り返すように。朝からタンパク質、野菜、乳製品などをバランスよく食べなくてはいけないと言われたということで、それから毎朝用意するようになりました。でも、働いているとそれもかなり負担です。どうしたら?」


食育って、何なんでしょうね。

そうだよね、確かに子供から「ダメだって」と言われるのはきつい。背後に学校があって、社会があって、それ全体から「あんたダメ」って言われている気にもなるし、子供の将来を考えたら、きちんとやっておかないと、と思う。

何かをスリムにしようとしたとき、そうやって外部からの不意打ちを食うというのはよくあることだけれど、今回はそうか。それがあったか、と気づきでした。

私なりにお答えしたのは以下のことです。

「確かにその通りだ。子供にそれを言われたら、パンだけでいいとは言えないですよね。本当にお疲れ様でした! そしてちゃんと作った、すばらしいです! それでは、お子さんにはこう伝えたらどうでしょう。
”お母さんがここ数年、学校で教わった食育の形で朝ご飯作ってきたよ。だいたいどんなものかわかったよね。これからは、自分で揃えて準備できるように頑張っていこう”って。
それで、トレーの上に”バランスよく食べる”と言われたものを揃えておく。野菜はプチトマトのパックでいいし、小分けのチーズやお惣菜の残りなど、調理を必要としないもの、もしくはレンジでチンするぐらいで食べられるものを揃え、あとは自分で選んで用意して食べる。
目玉焼きとか調理したものが絶対食べたい! というなら、ホットプレートをテーブルに置いて、自分で焼いてもらう。後片付けまでちゃんと教える。朝の忙しい時間に、準備から後片付けまで、本当に自分1人でできるなら、その料理を作って食べていけばいい。
食育って本当はそういうことだと思います」

違ったかなああ。
こんなでよかったかしら。
でも、本当にそう思うの。
さらにいえば、朝から野菜とタンパク質と、、、、と全部揃える必要なんてないとも思っているので。とにかくしたい人、できる人はすればいいけど、いろいろな状況の人に「するべきだ」とはほんと、言いたくない。


そして、学校で行う食育の方向性について、バランスよく食べるということの先に「お母さん」を置かないで欲しいな、とも思います。
「お母さん、うちの朝ご飯ダメだって」
って、なんて残酷な言葉なんでしょう。

ということで、朝ご飯はシンプルに。
バランスが気になるなら、1日単位、1週間単位で足りないものを補えばいいし

もし朝だけで揃えたいなら、トレーの上に一通り乗っけておけばいいように思っちゃいます。
「食育」で使われているメニューの写真も、あれ、こだわらなくていいと思います。あの手のものは栄養士さんと調理師さんがつくので、調理したものが並ぶ。どうしても栄養が気になる場合は、あの通りに作る必要なんてまったくなくて、市販のものや簡単なもので栄養は揃えられる。
そんなに手をかけなくたって、栄養も愛も十分吸収できるんだい。

いくつかの国で暮らして、泊めてもらいに行って、調理した朝ご飯を食べている国はほとんどなかった。それで十分おいしく、みんな元気。
あ、でも私は最近味噌汁に凝っているので、それについてはまた書きますねー!

食育ね。
食育。

なんなんでしょうね。




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