読書「編集者ぶたぶた」矢崎存美著

ぶたぶたシリーズ29作目。この作品は2018年に発行され、その後も続編が出ています。最近、最新刊33作目が発刊されたけど、私は順序も適当にマイペースに読み進めているため、まだ全巻読めていません。

この作品は、主人公の編集者山崎ぶたぶたと彼に関わるサブキャラクターの物語。サブキャラクターの目線で物語は進みます。
対人恐怖症気味のマンガ家伊勢千草の「書店まわりの日」、大手スポーツ洋品店勤務で食べ物のブログを書いている若松成久の「グルメライター志願」、小説家湊礼一郎の「長い夢」、出版社の編集者堀川麻紀の「文壇カフェへようこそ」、料亭で働く福安かほりの「流されて」、と5つの短編から成ります。

コンプレックスや悩みを持つ人たちとぶたぶたが織り成す物語。ぶたぶたと出会い、関わることで、自分の殻を破って新しい一歩を踏み出す人たちの話に、自分も前向きに進もうと勇気をもらいます。
「流されて」に出てくる極田明咲が誰かの言葉の引用として言った「流されるのがダメなんじゃなくて、その流れを信頼できるかどうかが大切」は、ネガティブなイメージの「流される」という言葉の印象を変えます。人と人が関わり合って、お互いに状況や雰囲気に流され合っていく時、どんな行動であってもそれは本人が選択した能動的な行動の一つだと思います。お互いの選択した行動が影響しあっていく、その関わり合いが信頼できるって素敵なことだと思います。

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